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マーケティングを学ぶために転職するのは、ちょっと待つんだ!!

マーケティングを学びたくて、鉄道会社からWebマーケティングの支援会社に転職して2年が経ちました。
まぁ日々色々と頑張ってはいるんですが、けっこうしんどさもあり、「転職ミスったかもなー!」と思ったりしたこともありました。
今日は、かつての私のように「未経験でマーケティングの仕事に転職しちゃおうかしらねぇ!」と迷っている方に向けて、私が抱いていたマーケティングに関するイメージと、転職後に感じているイメージとのギャップについてお話したいと思います。


転職前に抱いていた「マーケティング」のイメージ

転職前は、どこかで目にした「マーケティング=売れるための仕組み作り」っていう言葉を信じていました。

マーケティングを学べば、どんな商品・サービスでも売れるようになるんだ!
そう、500mlペットボトル入りの水を1万円で売れるようにな!!
・・・的なことを思っていたんです。

個人的な話でいうと、僕は音楽をやっていたので、自分の作った曲がガンガン売れて、ミュージシャンとして生計を立てられるようになっちゃって、何なら業界の第一人者的ポジションになっちゃって、後進の育成にまで尽力しちゃうんじゃないか、なんて思っていました。

転職後に感じている「マーケティング」のイメージ

転職後に、こうしたマーケティングのイメージはマジで幻想だった、ということに気づきました。
今では、マーケティングについて以下のようなイメージを抱いています。

  1. 人のことを考える仕事

  2. 全然魔法じゃない

■1.マーケティングって「人のことを考える仕事」

マーケティングって、要は「多くの人に喜んでもらえるモノは何なのかを考える仕事」なんだと思います。
人はどんなことに喜びを感じたり、痛みを感じたりするのかを考えて、その人が欲しがってくれそうなモノを提供する仕事。

「商品・サービスありきで売り方を考える」というよりも、相手(お客さま)ありき。
どんな商品・サービスなら喜んでもらえるのかを考え、そのゴールに向けて商品・サービスや訴求方法をチューニングしていくのが、マーケティングっていう仕事なんだろうなと。
つまり、ひとことで言うなら「人のことを考える仕事」なんだろうな、と感じています。

■2.マーケティングって「全然魔法じゃない」

「マーケティングが分かれば、魔法のようにモノが売れる!」なんてことは全然ないと思っていますし、実際、そんな体験をしたことがありません。
まぁ、まだ僕にマーケティングスキルが付いていないだけっていう説も濃厚なんですが、ここでは無視するものとする。

マーケティングは、「魔法」っていうよりも、より確度の高い方向に修正し続けながら成功に近づけていくための「営み」って言った方が近いんじゃないかなと思います。
予言者のように正解を引き当てるというよりは、普通にトライ&エラーを繰り返して軌道修正していく行為っていうか。
不変の成功法則というよりは、成功の頻度を上げるための考え方っていうか。
つまり、モノ自体が低品質であれば、どんなに魔法をかけようと頑張ったって一生売れない。

売れないモノを売るために必要なこと

では、売れないモノを売るためには、どうすればいいのか。
マーケティングについて学ぶうちに、売れない商品・サービスを売るには、以下の2通りの方法があるんだろうなと思うようになりました。

1つは、買ってくれそうな人を探すこと
もう1つは、売れやすくなるよう、商品・サービスをチューニングしていくこと

どちらも、全然魔法っぽくなくて、めちゃんこ地道な作業ですよね。
以下で、めちゃんこざっくりと解説します。

■1.買ってくれそうな人を探す

商品・サービス自体はそのままに、そのモノを買ってくれそうな人を探します。
使い古されまくった例でいうと、コンビニの前で水を売っても売れそうにないけど、砂漠で売れば買ってもらいやすくなる、的な。

■2.商品・サービスをチューニングする

商品・サービスをあまり多くの人から欲しがってもらえないことがわかった場合、対象となるお客さまのニーズに合わせて、商品・サービスをどんどん改善していきます。
たとえば「このペットボトルの形状だと、お客さまがダサいと思って買ってくれないから、もっとオシャレなボトルにしよう」とか、「雑味が残っているから、めっちゃ濾過しまくろう」みたいな。
マーケティングのコンサルティングをする場合、このあたりの改善提案をドンドンおこなっていくことが多いです。

「マーケティングが得意」とは何なのか

じゃあいったい「マーケティングが得意」って、どういう状態のことを指すんでしょうね。

正直、僕自身がまだ全然マーケティング得意じゃないんで未知の領域ではあるんですけど、何となくこういう特性をもった人がマーケティング得意なんじゃないかなーっていうアタリは付けられる気がします。
それが、以下の3つです。

  1. 人の感情を想像し、言語化するのが上手い

  2. 「あるある」を作るのが上手い

  3. 欲求をストレートに表現するのが上手い

■1.人の感情を想像し、言語化するのが上手い

「この人って、こういうことで悩んでるんちゃうかな?」
「この商品って、こういう人に教えてあげたら喜んでもらえるんちゃうかな?」
みたいなことを考えるのがマーケティングの仕事。

だとすると、

「あの人、今たぶんこういう気持ちなんだろうな」
「これって、あの人に見せてあげたらめっちゃ笑ってくれそうやな」

みたいな感じで、人の感情を想像するのが上手い人って、マーケティングが得意なんだろうな~(うらやましいな~)と思います。

で、感情を想像するだけじゃなく、想像した感情を適切に「言語化」できる能力も重要なんだろうなと思います。
たとえば、同じ「悲しい」でも、シチュエーションとか立場によって、実際に抱く感情は異なりますよね。
切ない系の悲しいなのか、恨めしい系の悲しいなのか・・・とか。

人の感情をより適切な表現で表現できればできるほど、その人の感情に寄り添うのが上手くなり、結果として、マーケティングが得意になるんだろうなと思います。

■2.「あるある」を作るのが上手い

ある種の「王道」感というか、「あるある!」的な表現が上手な人も、マーケティングが得意なんだろうな~(うらやましいな~)と思います。

たとえば、Twitterで見かけたセブンイレブンのバイト募集のポスター。

これって、LINEっていう「あるある」なフォーマットを使ってバイト応募者に訴求してる事例ですよね。
自分が対象としたい人にとって「(見たこと)あるある」と思ってもらえる表現をする。
「お?」とは思わせるけど、「は?」とは思わせない。
違和感を持たせずにインパクトを残す。

こうした絶妙な「あるある」発想をするには、テレビや雑誌などのエンタメを吸収して、いわゆる王道的なものってどんなものなのかを理解していくのも大事なんだろうなって思います。

■3.欲求をストレートに表現するのが上手い

これ欲しい!これカッコイイ!これ好き!みたいな。
こういう、子どもっぽい欲求をストレートに表現できる人も、マーケティングが得意なんだろうな~(うらやましいな~)と思います。

正直、人の感情を想像するのってめっちゃ難しいんで、どうしても「自分の感情」をベースに思考を深めていく必要があると思うんです。

そんなわけで、自分が何を求めているのかわからないのに、人が何を求めてるのかなんてわかるわけがない。
「欲しい!」「やりたい!」「キライ!」みたいな感じで、ぶっちゃけた感情表現がポンポン浮かんでくる人は、自分の本能に忠実であり、結果として人の本能に訴えかけるのが上手いんだろうなって思います。

マーケティングを学ぶために未経験で転職するのってどうなのか

では、2年前の私と同じように、未経験からマーケティングを学ぶために転職するかどうかで悩んでいる人に向けて、僭越ながらアドバイスをさせていただきます。

■マーケティングは、転職しなくても経験できると思います!

ぶっちゃけ、マーケティングの経験って、転職しなくても全然できるんだろうな~と、未経験からマーケティング業界に転職して2年経った今となっては思います。
まぁ「自動車販売のマーケティングがしたい!」的な感じで、明確に商材が決まっていて、かつ、個人で取り組むハードルがめちゃんこ高いものに関しては、実際にその業界に入らなければ厳しいと思います。
でも、Web上で自分の商品を買ってもらうくらいのマーケティング経験なら、たぶん独学でも可能なんだろうなって思うんです。

いきなり商品を売るのはハードルが高いんで、もうみんな言っていることなんですけど、まずはブログとかYouTubeとかで情報発信をやってみることをオススメします。
「多くの人に自分のコンテンツを見てもらうにはどうすればいいのかな?」と考えるだけでも、十分マーケティングの勉強になるはずです。
で、コツが掴めてきたら、自分のコンテンツを気に入ってくれている人たちに向けて、その人たちが喜んでくれるであろう商品・サービスをご案内するっていう。
ただ、自己流でやっているとどうしても独りよがりになってスベってしまうかもしれないので、マーケティングに関する本を買って読み漁ってみましょう。
何となく知識が付いてくると思います。
基本的に、古くから読み継がれている名著はだいたい優れています。
やたら煽ってくる有料コンテンツとかは、だいたい名著の焼き直しです。

そうして個人的に取り組んだうえでもなお楽しく継続できそうなのであれば、転職しちゃって大丈夫だと思います。
まぁその時点で、すでに「マーケティング未経験」ではなくなっているわけなんですけど・・・。

だから「Webマーケティングで月収●桁!」みたいなワケのわからない情報にそそのかされて転職するのは絶対に辞めた方がよいです。
なんなん「Webマーケティングで月収●桁」って。
その「Webマーケティング」が顧客にどんな価値を提供しているのかを、冷静に観察してください。

日系大企業にお勤めの方は、JTCオワコン説に心を揺さぶられることもあると思います。
でも、刺激的な言葉で扇動しようとしてくる人に振り回されないで。
自分の頭で考えてください。
まぁ僕は自分の頭で考えたつもりで転職したのですが、それでも藻掻いていますけどねー!

■マーケティングってたぶん「生き方」そのものっぽい

マーケティングって、たぶん「業務時間中にどうこう」っていう話じゃなくて、普段の生活の中で「あ!こんなところにヒントが!!」とか「おお!こういうアプローチがあるのか!!」みたいな感じで、24時間365日、常に意識し続けるものなんだろうなって思います。

そういう意味で、マーケティングって「1つのスキル」というには無理があって、もはや「生き方そのもの」なんじゃないかな、とまで思っちゃいます。
なので、転職したからマーケティングができるようになる、ってことはなくて、普段からどれだけ人の感情や社会の仕組みに関心をもち、好奇心をもって生きていけるかが大事なんじゃないかなと。

僕に、こうした生き方ができるのかはちょっと分かりません。
でも現時点では、色々苦しみながらも、ほんのり「楽しいな」って思えているので、もう少し精進してみたいと思います。

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