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短編小説「タイムスイーパー」。私の短編小説シリーズ第3弾は「SFヒーローもの」。

プロローグ

地球暦2234年、人類はついに時間旅行を可能にした。しかし、この技術がもたらしたのは、科学的な進歓喜だけではなかった。過去への干渉が未来に予想もしない影響を及ぼすことが判明し、時間を巡る規制が厳しく設けられた。この中で、一つの特異な組織が生まれた。「タイムスイーパー」。彼らの使命は、時空を超えて溢れ出る人類の欲望の炎を吸い取り、歴史のバランスを保つことだった。

第1章:タイムスイーパー結成

ヨーヨーヨーは、タイムスイーパーのリーダーとして、その重大な責任を背負っていた。18歳にして、彼はすでに多くの時間旅行を経験し、その勇気と正義感でチームを引っ張っていた。しかし、彼の真面目さと人一倍の勇気が、時には彼を危険な状況へと導くこともあった。

チームのブレインであるシャン-ハイハイは、16歳ながらも欲望学の教授を務めていた。彼女は自分に欲望が無いことを不思議に思いながらも、その頭脳でタイムスイーパーの活動を支えていた。

ロング&ショートは、15歳の性別不明のメンバーで、言葉は話さないがテレパシーで意思疎通を行い、危険を察知する能力を持っていた。この能力が多くのピンチを救っている。

ザッシュは、進化した犬であり、嗅覚と聴覚に優れている。その単純さゆえによく騙されるが、チームに欠かせない存在だ。

そして、ルーメントガリヤは、月に住む13歳。彼女は少し浮かぶことができ、その能力で様々な場面でチームをサポートしている。

彼らの目の前には、歴史を歪め、人々の欲望を増幅させる悪の組織「デザイヤーーズ」が立ちはだかっていた。デザイヤーーズは、歴史の影で暗躍し、人類の運命を狂わせようとしていた。

タイムスイーパーとしての最初のミッションは、デザイヤーーズが手がける過去の大事件に介入し、その影響を無効にすることだった。しかし、それは彼らが想像していたよりも遥かに困難な挑戦であることをすぐに理解することになる。

第2章:時の守護者と財宝の争い

タイムマシーンポリスの隊長が去った後、ヨーヨーヨーはチームを集め、彼らの次なる行動を計画する。彼の決意は固く、デザイヤーーズと宝組の野望を阻止するため、彼らは過去への旅を再び開始する。

旅の準備中、シャン-ハイハイはチームに特別な武器を配布する。これらは時間旅行者専用に設計された特殊な装備で、タイムスイーパーのメンバーが過去や未来で直面するあらゆる種類の敵に対応できるようになっている。ヨーヨーヨーには時間を一時的に凍らせることができる「タイムフリーザー」、シャン-ハイハイには敵の動きを予測するAIが組み込まれた「プレコググローブ」、ロング&ショートには思考を物質化してシールドや武器に変えられる「マインドマテリアライザー」が与えられた。ザッシュには強化された感覚を利用して隠れた罠や敵を探知する「センサーカラー」、ルーメントガリヤには彼女の浮遊能力を最大限に活用し、高速移動や攻撃を可能にする「レビテーションブーツ」が装備された。

目的地に到着すると、彼らは宝組の一団と遭遇する。宝組は、古代ローマの遺跡の奥深くに隠された財宝を探していた。タイムスイーパーは、この財宝がデザイヤーーズの計画に重要な役割を果たしていることを突き止める。シャン-ハイハイの分析によると、財宝は特殊なエネルギーを放出し、その力が歴史上の重要な出来事を引き起こす可能性があるという。

宝組との戦いが始まる。ヨーヨーヨーはタイムフリーザーを使って敵を動けなくし、シャン-ハイハイのプレコググローブが敵の次の攻撃を予測。ロング&ショートはマインドマテリアライザーを駆使し、思考で作り出した巨大な盾でチームを守る。ザッシュはセンサーカラーで罠や隠れた敵を探知し、ルーメントガリヤはレビテーションブーツで空中からのサポート射撃を行う。

戦いは激しさを増し、遺跡の複雑な構造が戦場となる。迷宮のような通路、隠された落とし穴、古代の罠が、この時代を超えた戦いにさらなる緊張感を加える。しかし、タイムスイーパーのチームワークと彼らの特殊装備が宝組を圧倒する。

最終的に、彼らは宝組を撃退し、財宝を保護下に置く。財宝から放出されるエネルギーがデザイヤーーズによって悪用されるのを防ぐため、シャン-ハイハイはそのエネルギーを中和するデバイスを作動させる。その瞬間、遺跡は平和を取り戻し、タイムスイーパーはまた一つ、歴史を守ることに成功した。

しかし、デザイヤーーズの脅威は依然として残っており、タイムスイーパーの戦いはまだ終わっていない。彼らは次なる目的地へと旅立つ準備を始める

第3章:欲望の狩人

タイムスイーパーのチームは、次なるミッションに備えていた。この任務は、彼らがこれまでに直面したものとは異なり、人類の歴史を通じて「溢れた欲望」を吸い取ることに集中していた。欲望が過剰になると、それが歴史の流れに悪影響を及ぼす可能性があり、その均衡を保つのがタイムスイーパーの役目だった。

彼らの装備には、「欲望吸引器(Desire Extractor)」が新たに加わっていた。この装置は、特定の時代や場所で過剰に溢れた人間の欲望を物理的な形で吸い取り、無害化することができる。タイムスイーパーはこの装置を使って、過去から未来にわたり、歴史の重要な転換点で人類の欲望が引き起こす問題を解決していた。

一方、デザイヤーーズはこの均衡を乱すべく、欲望を増長させるデバイスを使用していた。彼らの目的は、人間の欲望を操り、自分たちの支配下に置くことにあった。

タイムスイーパーの最初の目的地は、19世紀のヴィクトリア朝時代のロンドンだった。この時代と場所は、産業革命による富の蓄積と社会的不平等の拡大により、人々の欲望が爆発的に増大した時期である。

彼らは時空を超え、その時代に到着すると、早速デザイヤーーズの手がかりを追い始めた。ヨーヨーヨーはチームに指示を出し、シャン-ハイハイは彼らの科学的な知識を使って欲望の源を特定した。ロング&ショートはテレパシーで周囲の感情を読み取り、ザッシュの嗅覚は欲望の物質的な痕跡を追跡した。ルーメントガリヤは、高い場所からの視点を利用して、デザイヤーーズの動きを監視した。

彼らは、一つの大きな工場でデザイヤーーズのメンバーが活動しているのを発見する。この工場では、労働者たちの過酷な労働と、それに伴う強欲な欲望が増幅されていた。タイムスイーパーは、欲望吸引器を使ってこれらの過剰な欲望を吸い取り始める。その過程で、彼らはデザイヤーーズと対峙し、激しい戦闘になる。

戦いの中で、タイムスイーパーは欲望吸引器を最大限に活用し、周囲の過剰な欲望を一掃する。その結果、労働者たちは心を落ち着け、自らの状況をより冷静に考えるようになる。デザイヤーーズの計画は失敗に終わり、彼らは撤退を余儀なくされた。

この成功により、タイムスイーパーは時空を超えた欲望の均衡を保つという重要な任務を達成する。しかし、彼らは知っていた。デザイヤーーズはまだそこにおり、彼らの戦いはまだ終わっていない。

第4章:影の中の戦い

タイムスイーパーの成功は、一時的な安堵をもたらしたが、デザイヤーーズとの戦いはさらに激しくなることが予想された。デザイヤーーズは、時間を通じてその影響力を拡大し、人間の欲望を操ることで歴史の流れを自らの支配下に置こうとしていた。タイムスイーパーは、彼らの次なる動きを予測し、先手を打つことが求められた。

次なる舞台は、ルネサンス期のイタリア。この時代は、芸術と科学の発展が著しく、人々の欲望が芸術作品や科学的発見へと向けられた時期である。しかし、デザイヤーーズはこの時代の人々の創造性と探求心を利用し、彼らの欲望を自らの利益のために悪用しようとしていた。

タイムスイーパーは、デザイヤーーズが特定の芸術家と科学者に接触し、彼らの野心を利用して欲望を増幅させる計画を立てていることを突き止める。ヨーヨーヨーは、この計画を阻止するためにチームを率いてルネサンス期のイタリアへと旅立つ。

到着すると、彼らはまずデザイヤーーズの動きを探るために分散し、各々が情報収集に努める。シャン-ハイハイは科学者たちの集まりに潜入し、デザイヤーーズの影響を受けた研究が行われていないか監視する。ロング&ショートは市場や公共の場で人々の思考を読み取り、デザイヤーーズの影響下にある者を探し出す。ザッシュは、その敏感な嗅覚でデザイヤーーズが使用している特殊な化学物質の痕跡を追跡する。ルーメントガリヤは、空中からの視点を利用してデザイヤーーズのメンバーが活動する場所を突き止める。

情報収集を終えた後、タイムスイーパーはデザイヤーーズが芸術家たちを集め、彼らに特殊な物質を使って創造性を人為的に高める実験を行っている場所を特定する。しかし、この実験は芸術家たちの自我を侵食し、彼らをデザイヤーーズの意のままに操る危険なものだった。

タイムスイーパーは、デザイヤーーズの計画を阻止し、芸術家たちを救出するために行動を開始する。彼らは欲望吸引器を使って実験に使用されていた物質の効果を無効化し、芸術家たちの心を解放する。その過程で、デザイヤーーズのエージェントと激しい戦闘になり、タイムスイーパーは自らの技術と知恵を駆使して彼らを退ける。

この章のクライマックスでは、ヨーヨーヨーとシャン-ハイハイがデザイヤーーズのリーダーと対峙し、彼らの野望を打ち砕く。芸術家たちは自らの創造性を取り戻し、ルネサンス期のイタリアは再び芸術と科学の発展に向けて進むことができた。

タイムスイーパーの行動によって、歴史の流れは守られ、デザイヤーーズの計画は一度は阻止された。しかし、彼らは知っていた。デザイヤーーズは決して諦めず、次なる場所で再び彼らの挑戦を受けることになるだろう。

第5章:未来の欲望

タイムスイーパーの次なる任務は、彼らを今までとは全く異なる時代、地球暦2501年へと導いた。この未来では、科学技術が飛躍的に進歓喜し、人類は太陽系内の他の惑星へと進出していた。しかし、この技術の進歓喜と共に、新たな形の欲望が生まれていた。それは、技術と権力を利用して宇宙を支配しようとする欲望だった。

デザイヤーーズはこの新たな欲望を利用し、未来の社会においても自らの影響力を拡大しようとしていた。彼らは、先進技術を駆使して人々の心を操り、自らの目的に沿った行動を取らせようとしていた。

タイムスイーパーは、この未来の世界でデザイヤーーズの計画を阻止するために行動を開始する。ヨーヨーヨーはチームを率いて、デザイヤーーズが操る技術研究施設へと潜入する。彼らの目的は、デザイヤーーズが開発した心理操作技術を無効化することだった。

シャン-ハイハイは、未来の技術を理解し、それを逆手に取る方法を考案する。彼女は、デザイヤーーズが使用する心理操作装置の周波数を妨害するデバイスを開発する。ロング&ショートは、施設内の人々の心を読み、デザイヤーーズのエージェントを特定する。ザッシュは、施設内で使用されている化学物質の痕跡を追跡し、心理操作装置の位置を突き止める。ルーメントガリヤは、その浮遊能力を利用して高度なセキュリティシステムを回避し、チームが施設内で行動するための安全な経路を確保する。

タイムスイーパーは、緻密な計画と卓越したチームワークによって施設の中心部に到達し、心理操作装置を無効化する。その瞬間、施設内の人々は自らの意識を取り戻し、デザイヤーーズの支配から解放される。

しかし、デザイヤーーズのリーダーは最後の抵抗を試み、未来の先端技術を駆使した攻撃でタイムスイーパーを襲う。ヨーヨーヨーとチームは、自らの装備と知恵を駆使してこれを退け、デザイヤーーズの計画を完全に阻止する。

この戦いの結果、未来の社会はデザイヤーーズの影響から解放され、人々は再び自由に未来を切り開くことができるようになった。タイムスイーパーは、時間を超えた正義の戦いで再び勝利を収めるが、彼らは知っている。デザイヤーーズとの戦いはまだ終わらない。時空を超えた闘いは続くのだ。

第6章:時間を超えた絆

未来の戦いから戻ったタイムスイーパーのメンバーたちは、一時的な休息を取ることにした。彼らが選んだ場所は、時間の流れがゆっくりとしており、平和が保たれている地球暦2024年のある隠れた島だった。この島では、過去の戦いや未来の不安から離れて、チーム全員がリラックスし、互いの絆を深める時間を過ごすことができた。

ヨーヨーヨーは、チームを率いてビーチでのバーベキューを計画する。彼は、戦いの中で常に重圧にさらされているメンバーたちが、この瞬間だけはすべての心配事を忘れて楽しめるようにしたかった。シャン-ハイハイは、科学的な知識を生かして完璧な火起こし方法を披露し、ロング&ショートはテレパシーを使ってみんなの欲しい食べ物を事前にリクエストしておく。

ザッシュは、浜辺でのフリスビーに夢中になり、その敏捷性を披露する。ルーメントガリヤは、軽やかに浮遊しながらビーチバレーのボールを打ち返し、そのユニークな能力でゲームに新しい楽しみを加えた。

食後、彼らはキャンプファイヤーを囲み、過去の冒険についての話で盛り上がる。ヨーヨーヨーは、各メンバーが過去のミッションで見せた勇気と機知について語り、シャン-ハイハイは彼らが直面した科学的な挑戦を解決した方法について解説する。ロング&ショートは、言葉を使わずとも心温まるエピソードを共有し、ザッシュは時折、彼らの話にユーモラスな一幕を加える。ルーメントガリヤは、チームの中で起きた小さな奇跡や、互いに支え合った瞬間について話す。

この夜は、タイムスイーパーのメンバーたちが互いの存在の大切さを再認識する特別な時間となる。彼らは、時空を超えた冒険を共にする中で、ただのチームメイト以上の深い絆を築いていた。この絆は、どんな困難も乗り越えられる強さを彼らに与えていた。

夜が更けていく中、彼らは未来の戦いに向けての決意を新たにする。しかし、その前に、この一時の平和を心から楽しむ。彼らは知っている。どんなに時代が変わろうと、彼らの絆は永遠に続くことを。

第7章:宝組との再戦

タイムスイーパーのメンバーたちが、一時的な休息と団結を深める時間を過ごした後、彼らの前に新たな挑戦が立ちはだかる。宝組が再び歴史の影で暗躍し始め、今度はさらに大胆な計画を進めているという情報が彼らのもとに届く。宝組は、時間を超えた財宝狩りを通じて、歴史上の価値あるアーティファクトを盗み出し、それを利用して未来における経済的な支配力を強化しようとしていた。

ヨーヨーヨーは、チームを集結させ、宝組の野望を阻止するための計画を練る。彼らの目的は、宝組が次に狙うとされる古代エジプトの財宝を保護し、それが歴史の流れを変えることを防ぐことだった。

タイムスイーパーは、時間を遡り古代エジプトに到着するとすぐに、宝組のメンバーがピラミッドの内部に潜入しようとしているのを発見する。シャン-ハイハイは、ピラミッド内部の複雑な構造を解析し、宝組がどのルートをたどる可能性が高いかを予測する。ロング&ショートは、テレパシーを使って宝組のメンバーの意図を読み取り、彼らの計画を一歩先んじる。ザッシュは、彼らが残した痕跡を追い、ルーメントガリヤは、その軽やかな動きでピラミッドの罠を回避しながらチームをリードする。

宝組との再戦は、ピラミッドの深奥で繰り広げられる。タイムスイーパーは、宝組が設置した様々な罠を巧みに避けながら、財宝が隠された部屋に辿り着く。そこでは、宝組のリーダーが古代のアーティファクトを手に入れようとしていた。

ヨーヨーヨーは、チームの勇気と知恵を信じて、宝組との直接対決を決意する。シャン-ハイハイは、古代エジプトの技術を利用して罠を仕掛け、ロング&ショートは、敵の意識を乱す。ザッシュは、敵の注意を引きつけることで、ルーメントガリヤがアーティファクトを安全に回収できるようサポートする。

最終的に、タイムスイーパーは宝組を撃退し、貴重なアーティファクトを守り抜く。彼らの行動によって、古代エジプトの歴史はそのまま保たれ、未来における宝組の影響力拡大を阻止することができた。

この勝利を通じて、タイムスイーパーのメンバーたちは再び、時空を超えた正義のために戦う強い絆と使命感を確認する。彼らは、どんな困難にも立ち向かい、歴史を守ることの重要性を改めて感じるのだった。


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