私は批判家

　私自身のコア＝コードから見ると私自身は口先だけの人間。ことに事物のアラを探すことに注意が向く。特に集団・団体には嫌な感じをもっている。
　中国語に『日本人は一人では虫だが、集まると龍になる』という言葉がある。虫＝弱者・龍＝強者という意味だ。日本には古来、農業・建築・戦争などにおいてチームプレイを骨身につけてきた習慣があるのだ。もし交戦すれば日本自衛隊は人間の数を大きく上回る強さを発揮するだろうとも言われる。

今の私の原風景

　仕事柄、クライアントの経済的成功が目標だった。結果的に成功と幸せが別物であったと痛感する。ドラマ『監査法人』において篠原理事長のセリフだが。『成功は金と権力の問題。幸せは心の問題。』そう割り切っておられた。

篠原勇蔵 -橋詰功さん「ジャパン監査法人」理事長。「厳格監査を実施すれば日本中の会社が潰れかねない」との理由で小野寺とは対立している。一方で、国友や中村らとは頻繁に会合している。東都銀行の不正会計絡みで理事長であった自身の権力も使って決算報告書を握り潰そうとするが最終的に失敗し、自身も証券取引法違反で逮捕され服役する。

　ビジネスで当てた男は、仕事を人に任せて女か博打・クルマに走るのだ。それらは本能であってストレス解消。それでバランスが取れれば良いのだが、『本当は成功なんて』と思っていて成功も承認欲求のためなら自己破壊に至る。

　『じゃあ、幸せってなんだ？』と嘆き・喘ぎ・蠢いた末に私はここにいる。

幸せに至る道？

　インサイドアウト。幸せって、結局は各個人。あなたの中にしかないのだ。本や映画など外からの情報よりも、沈子黙考の方が意味がある。
　『あなたもこうすれば幸せになれる』と、汎用的なことを言われてもそれは間違いなのだ。猿とイルカじゃ好物も違うはずだ。

　ハッピーハックは、正確な知識とあなたの内面をフックアップするためのツールにすぎない。

　丸山先生が書かれた『万人幸福の栞』。そのお孫さんが書かれた『七つの原理』を拝読した。

　その結果として、丸山先生は種々の徳目に疑問を持たれてそれを再現可能性の高さでスクリーニングされたものを『１７箇条』にミニマムに絞りまとめられたものと認識。それが演繹の手法であったために、帰納的な言い方もしたくて無茶な『原理原則』をとってつけた。そう理解している。

　それが悪いと言っているわけではない。おそらくはPL教団と袂を分つ（ひとのみち教団への入信と退団）時に、仏教嫌いにもなられて急いでハンドルを切らねばならなかったのだろう。倫理思想体系の体裁を整えんがため。

未熟な革命

　説かれている原理は世界中で昔から言われているものばかりだ。だが、我がが考えた・思いついた・発見したと言いたい。多趣味な丸山先生は読書も浅い。だから、おかしな造語連発となる。発顕還元の原理？なんのこっちゃ？『振り子の原理』でいいじゃないか。その他にも言葉の使い方の間違いが多い。丸山先生は日本語が不便かとも思ったが、そうではなく厨二病であらせられる。ならば可愛い。

　それを会員はありがたがっているが、熟読すればすぐに急拵えの歪みはわかるはずだ。

■破壊的カルトのチェックリスト/碓井真史さん

次の項目をチェックしてみましょう。
・勧誘方法は良心的か（正体を隠した勧誘などしていないか）
・教祖や教団組織に盲従するようにしていないか
・教団組織の外の世界を極端に悪く言わないか
・信者の個性を尊重するか
・異常に厳しい生活上の決まりはないか
・外部の情報を自由に得られるか、またそれらの情報への態度はどうか
・伝統的宗教を極端に軽蔑していないか
・一般の学校への進学に積極的か消極的か
・信者の自主性やプライバシーを尊重しているか
・信者の過去の出来事や人間関係をバカにしていないか

太字は私がつけました。

この組織の特徴的に感じることがいくつかある。

この団体は宗教ではない！とヒステリックに言う。

　宗教法人ではないが、宗教団体ではあるのにそこへのアレルギー的反応は実に奇妙だ。本の中には神・仏・宇宙という単語がてんこ盛りなのに。また組織も宗教そのものだ。
　『宗教法人じゃないから宗教団体じゃない』などと真顔で言うアホもいる。

生命保険とマルチがメイン

　セールスマンがこの組織を利用している、というよりもそれ無くしてはここは成立しない。（会員間の売買は禁止ですよー棒）体感では４０％の人がそうだ。

他の宗教に入ってても良い

　一見寛容だが、他の宗教の信者をひっぺがして倫理に連れてくることは現実的には難しい。他の宗教を許すから宗教じゃないと言う人もいる。

『倫理は良い』と口々に言う

　一部では老人会の様相を示す。年配者は倫理を褒めるが、じゃあどんな点がいいのですかと聞くと誰一人答えられない。　

普及は大事だと言いながら行動しない

　宗教団体では普及は最高命題。倫理においても同様。だが、７０年を経過してなお倫理法人会/日本の事業者　は２％にも満たない。会員には、自分が加入していることを恥じ秘密にしたい者が相当割合でいるようだ。それでもこの会はいつか世界中に届くとの妄想を信じている。

ここのコメントは批判的な立場から発言されている。だが案外正鵠を得ているとも。

テンプラが大好き

　本部から数的普及を要求されるので、なんとかして数字を誤魔化そうとしている。

遊び人は少ない

　どちらかというと真面目君が多い。たまに遊び人がいるが、相対的に魅力がありプチカリスマ・人気者になって組織の推進に役立っている。

案外俗っぽい

　会社の売り上げや従業員規模が、組織内の出世に大きな影響を及ぼす。
どれだけ借金があっても不調でも『倫理のおかげで成功した』と言うのがデフォ。組織内での不倫は、まあ盛ん。倫理の倫は不倫の倫。
　また、陰口が異常に多い。欠席裁判やいじめみたいなのもある。皆さん、悪口が大好きだ。

組織の弱点？

　仏教では仏法僧と言う。創始・バイブル・運営。宗教には、この三つが欠かせない。
　創始・丸山敏雄先生
　バイブル・栞および原理
　運営・各市町村にある単会〜全国組織

　創始はここまで３代にわたる家督相続によって初代の神格化が著しい
　
　バイブル　珠玉の真理があるのに、ガバガバでスカスカな原理がこれを破壊している

　運営　厳格になされている　ただし、１００人の代表たる会長に問題行動が多いのは残念だ。

本音と建前

　悪いことをしている奴は偽善や綺麗事を口にしたい。弱い奴は強がって見せたい。

バイブルの立て直し・ロジックの組み直しを望む

　以上、組織についても考察したが正直あまり興味がない。私が追求するのは『個の幸せ』なので。
　倫理法人会は『実践すれば万人が幸せになる方法』を持っていると謳う。
人間が不幸な時、人よりも書物に頼るものだ。
そんな時、会員が開くのは常に『栞』なのだ。その内容の充実なくしては会員は救われまい。

　七つの原理を拝読し、私が痛感したのは『がっかり』であった。その本を勧めてくれた方もおそらくはろくに読んでいないだろう。

　内容の薄さ・粗さ・陳腐さ。読みながら恥ずかしくなり、飯も噴いた。進めるのが辛くなったのだ。

　ショーンエイカーが主張する『幸福優位性』に立てば、私生活が幸せならビジネスの成功率も高い。ならば、『夫婦対鏡・子女名優』という家族部分をもう少し広く展開して欲しい。

　丸山先生個人のコア＝コードが強く出過ぎている。だから、知や情の人間にもわかりやすいようにして欲しい。臨死の床で丸山先生は急ぐことの無意味を発言されたはずだ。

　『神・仏・次元・幽界・超人・奇跡・天才・大富豪』など、一般ピープルには馴染まないキテレツな言葉は削られたらどうか？『ムー』に寄せているのか？

ハッピーハックに自信

　倫理法人会は、どうあれ世代を超えて存在している。幸せがテーマだし、何かハッピーハックのために有益なことがあるのではないかと思っていた。

　だが、その考え方にハッピーハックと何一つ擦るところが無い。

倫理では『自分が変われば世界が変わる』のが基本線。

ハッピーハックでは『人は変われない、だから世界を変えよ』だ。

自分の中から世界を変える『インサイドアウト』は倫理には無い。

倫理は『人は学ぶことで成長する』考えだ。人は価値観そのものであって、常に状態を持つ『バタフライボックス』、人は成長などしないのがハッピーハック。

　倫理でいうところの拠り所は原理。ハッピーハックでいうと、それは基礎コンセプトになる。ただ、それは私が作ったものはほとんどない。だから『私が見つけた』などと嘘は言わない。また、人によって意見が違うようなスピリチュアルは極力排除している。現世の幸せのためには死や死後についても論ずべきだが、私の個人的意見を出ないので外す。

一つの結論

　七つの原理から新しく学べたことは何一つない。ただ単に私が理解できなかったのか？逆に知っていることばかりだからか？
　
　

結局は悠々と堂々と。間違っていようと自分の人生を悠々と堂々と邁進する他はないのだ。そのためには休息も黙考も必要。

最後まで、お読みくださりありがとうございました。

※成功して不幸になる。私が恐れてきたのはこれだ。なのに倫理法人会でもやはりというか承認欲求に縋って成功し不幸になる若者を量産している。経済が停滞している現代では、それは無惨で無念だ。人生を無意味に浪費していることに気がつかない。彼らは死を悟ったとき、うら若き看護師さんの腕を掴んで後悔に号泣することになる。私には今の彼らが踊る死者に見える。私の無力を恥じる。人生をもっと意味のあることに使われたい。ガチっと生きて欲しい。
 倫理には珠玉が確かにあるのだ。なのに、後継によって錆び消えつつある。