ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」。この人がゲーム作ってた事、知ってました?(1)
重要な注意:これからこの連作記事に書いていく「4つのゲーム」はすべて1985年頃に日本語で出版された「ルイス・キャロルの人物像に迫るという書きっぷりの表題と内容だった書籍」から引用しています。出版当時にガキンチョだった私が図書館にて、手書きで自分のノートに書き写したものを元にしています。書籍名はメモを取らなかったため不明(出典不明)です。
こうなると、この記事に書かれる4つのゲームは、本当にルイス・キャロルが創作発明したの?疑わしいゾ!という心配が出てきます。
とはいえ、マーティン・ガードナーの著書「ルイス・キャロル 遊びの宇宙」に、ルール内容までもが完全に一致するゲームが2つも掲載されております。Court Circular と、Castle Crockey です。
であるならば、他の2のゲームも、きっとルイス・キャロルの作品にほぼ間違いなしと考えられます。
以上の点、必ずご理解の上でお読みください。
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この記事は、「古き良き時代 good old days」のボードゲーム(ボドゲ)を研究するものです。
でも、その研究するという行為そのものを楽しむのが目的です。何かすごい結論を作ろうとか何とか、そんな大それたことは考えてません。
画像ならびに、ルイス・キャロルに関する研究成果等は、主としてwikipediaの英語版から引用しています。それに加えて、彼の友人らの記述等も一部引用していますが、すべてwikipediaの文末に参考文献リストとして書かれている書籍類に基づきます。
まず彼のゲーム作品4つを研究した結果、その結論を先に書いてしまいます。
1870年代に発明されたと推定されるこれらのゲーム。ズバリ言って、すべて、ゲーム内容がおおらか過ぎます。
ルールの練り込み(ブラッシュアップ)が足りません。このレベルの完成度のゲームは、もし現代(2024年)だったら、企業の企画会議でボツになり、市販に至ることはないです。たぶん。
しかし、そうなってしまう理由は、時代を経るに従ってボードゲーム業界全体が進歩・進化したからです。1870年代当時は、まだボードゲームは黎明期だったことを考えに入れると、この評価は過酷すぎると思われます。
当時はまだ、このレベルのゲームでも十分に進歩的だったし、当時の紳士淑女にとっては、楽しく遊べるレベルのものだったのだと、時代考証されるにふさわしいかと推定します。
それではルイス・キャロル発明のゲーム1本目を紹介します。
Natural Selection(自然淘汰) です。
Natural Selection 2 players
勝利条件:
「椅子取りゲーム」のようにゲームは進行する。
全部で7ラウンドが行われる。1つのラウンドが終了する毎に、1つのコマが脱落する。第7ラウンド終了時に、自分のコマ数がゲーム盤上に多く残っていた人が勝ち。
用具:
ゲーム盤10x10
黒石、赤石 各5個 合計10個
四角い「マーカー」1枚(平たく薄い形状)
*マーカーはゲーム盤の1マスにぴったり収まる大きさ。
準備:
初期配置として下図のようにコマを置く。
遊び方:
●1~7の各ラウンドで目標とするランデブーパターンを以下の図に示す。
注意:7個、6個、3個の「ランデブーパターン」に関しては、90°回転した形状も考えられる。しかし、図に示す通りの「向き」しか許されない。
●詳細ルール ラウンドの詳細説明と、各自のターンでの動き
ゲーム開始時(つまりラウンド1の開始時でもある)には、まず順番を決める。
「後攻」の人が「下図に示す範囲内」の任意のマスに、マーカーを置きなおす。
ゲーム進行中は、交互に任意のコマ1つを動かす。チェスのクイーンの動き。
このゲームでは、相手のコマを取れないし、飛び越えることもできない。
従って、他のコマと衝突しそうな場合は、そのすぐ隣のマスで止まること。
コマとコマ同士は、スタック禁止。
「マーカー」の上には、コマが1個だけ乗ることができる。
上にコマが置かれていないマーカーの上をコマは通過できる。
「ラウンド数が偶数の時(目標とするランデブーパターンのコマ数も偶数)」だけは特別に、ゲーム盤の外周部分にて、「カド」を通過する動きが許される(下図の赤い矢印)。他のコマがない限りは、カドを何回曲がっても構わない。
目標とするランデブーパターンが完成した瞬間に、そのラウンドは終了。
ランデブーパターンに入れなかったコマをゲーム盤から除去する。
コマを除去された人は、次のラウンドで「後攻」を担当する。
「後攻」の人は、マーカーの位置を動かす。このときマーカーが置ける範囲は、図に示す通り。
さきほどまで「マーカー」が置かれていたマスを中心とする「3x3の範囲」には置けない。
以上に記した要領で全7ラウンドを進める。7ラウンドが終了した時に盤面に自分のコマが多く残っていた人が勝ち。
今日はここまで。明日に続きます。
ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。