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Courier Aladdin社のゲーム(7)

画像はすべてBGGから引用しています。

Aladdin社紹介シリーズは、これで終了です。その理由は、エポック社はこの第7作を最後にAladdinシリーズの日本発売を取りやめたと推定されるためです。
*なお、Aladdin社自身も、この後2作品くらい発表の後、事業を閉鎖したみたいです。

Courierは、マニュアルがちょっと変です。
各項目の書式がバラバラで統一感がないのです。ずばり言って、とても読みにくいマニュアルです。
以前書いた私の記事を参照頂きたいレベルにひどいです!
結局、自分のターンでできることは何?が分かりにくい書き方になっています。

それだけでなく、「ちょっと見には気づかないけど、まれに発生しちゃう、特異な場面」になった時、どう解決するのかが、まったくの白紙です。
解決方法の説明がありません。
そのような「あまり生じないけど、たまたまこうなった時はどう解決するの?」という点が説明していない、つまり細やかな配慮が欠損したマニュアルになっています。
本当にいただけません。ムカっときます。

たぶん、エポック社の日本語訳版もこれに準拠して、そのまんま、市販されたのかな?と思います。もしそうだったら、買った人はかわいそうだったです。
従いまして、このたびの記事化にあたって、私はルールをclarify「はっきり明文化」してしまいました。
ラジくまる式書式に書き方を変更しただけでなく、一番最後に「重要な注意事項」として、英語原文では、本来書かれていなかった内容を突っ込みました。
ラジくまるが、これがきっと正しいはずだ(自信度80%)と信じる、原文ルールブックに書いていない内容を「太字で追加」しています。

*ここでいう正しいとは、ゲーム発明者の気持ちを推定すると、きっとこうだったに違いない、という意味での正しさです。1976年という時代考証もちゃんと考慮に入れています。

Courier  2 players  (和名:リングチェス ;エポック社、1976頃)

勝利条件:
勝ち方が2通りある。「リング」をゲーム盤の反対側まで運ぶか、あるいは相手のリングを取ったら勝ち。
用具:
8x8のゲーム盤
12個の青コマ、と12個の赤コマ
1個の青リング、1個の赤リング
*リングは、英語版ルールでは「courier」
準備:
写真の通りにコマを並べる。リングは自分から見ていちばん手前の列にある4つのコマうち、任意のコマにかぶせる。

初期配置の例

遊び方:
自分のターンにできることは、ABの2通りある。どちらか一方を行う。
A コマを1マス動かす。
B 「リング」を単独で動かす。
C 相手のコマをジャンプして取る。
以下、ABCの詳細説明。

A コマを1マス動かす場合
コマは前方3方向(左前、前、右前)に1マス動く。横や後ろ方向には動けない。
動かしたコマが「リング」つきだった場合、リングも一緒に動く。
*1つのマスにはコマは1つしか入れない。

B リングを単独で動かす場合
リングはコマと独立で、単独でも動ける。後ろ方向や横にも動ける。
動かせる範囲は、8方向に1マスの距離。
リングは必ず「コマ」の存在するマスに動くこと。
*コマなしの「リング」だけという状態は禁止。
*「リング」は、対戦相手のコマに「くっつける」こともできる。

C コマがジャンプする場合
コマは前方3方向に限り、「対戦相手のコマ」をジャンプ(飛び越し)できる。チェッカーと同様で、飛び越された対戦相手のコマは取られる。ゲーム盤から取り除く。
チェッカーのルールで有名な「いわゆる連続ジャンプ」は可能。1手で複数のコマを取れる可能性がある。
*自分のコマはジャンプできない。

重要な注意:
自分のリングが対戦相手のコマと同じマスにある場合、そのリングは「取られることがない」。なぜなら、対戦相手のコマは対戦相手のコマをジャンプできないルールだから。ただし、自分のリングがくっついている対戦相手のコマを、自分のコマでジャンプしたら、あなたの負けになる。

「対戦相手のリング」がくっついてしまったコマは、自分では動かせなくなる。対戦相手がリングをどかしてくれない限り動かせない。

勝利条件の詳細説明:
対戦相手のコマを飛び越した時に、そのコマが対戦相手のリングつきのコマだった場合は、あなたの勝ちとなる。
自分の「リング」がゲーム盤の最も遠い列に到着した場合でも、あなたの勝ち。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。