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ルイス・キャロルの人物像に迫る!ー彼のボドゲ製作の手法からー(2)

画像は、すべてこの書籍から引用しました。使用している画像は、私の記事とは直接には関係ないです。
The Universe in a Handkerchief by Martin Gardner(邦題:ルイス・キャロル 遊びの宇宙)

このLanrickゲームの1987~1988年版、どうして「マーカー」をサイコロ任せにしたのか、ひっかかります。
だって、サイコロで「かなりいい目」が出てしまった場合は、それだけでラウンドの勝利者はどっちになるのか、ほぼ決まってしまいますよ?そういうのって、ラウンドの開始前からもう、やる気を削がれちゃうんですけど。

この事実は、ルイス・キャロルにとって、ボードゲームというのは、「友人とのコミュニケーションツールでしかない」。そんな事実を語りかけて来る、証拠品だと思っています。
ボードゲームの完成度を、極限まで高めたいとか、「後世まで残る傑作ゲームを作ってやるゼ」なんて意思は、まるっきり持っていないよ。と。

方向性としては、友人らとテストプレイするたびに、
ダイスを使って不確定要素を増やしたほうが、面白くなるんじゃないかな?」とか
「ランデブーが完成した後の処理では、コマを8方向にパーッと「散らす」のって、花火みたいでキレイだよね?」とか、
友人たちの単なる軽い思いつきを盛り込んで改変し、再び、友人とテストプレイに興じる・・・・。そんな「作りの軽さ」を、これらの4本の原稿から私は感じ取りました。

Lanrick 2 players
(March1879:第一改訂)
勝利条件:
5個ある対戦相手のコマを2個まで減らしたら勝ち。
用具:
白5 黒5 合計10個のコマ。
コイン1枚(マーカー)
サイコロ1個と、サイコロを振るためのダスカップ
チェスボード 1台
*外周部分の28マスを「ボーダー」と呼び、それ以外の36マス部分を「フィールド」と呼ぶ。
*コインを中心とする3x3のエリア(全部で9マス)を「ランデブー」エリアと呼ぶ。
準備:
互いにサイコロを振り、大きな数を出したものが先手。
(第一ラウンド開始の前)
まず、先手プレーヤーが自分のコマ5個を任意の「ボーダー」に置く。
後手も続いて同様に5個のコマを置く。
今度はダイスを2回振る。なお4~6が出るまで、何度でも振り直す。(1~3の目は無効)
ダイスの目に従い1回目をタテの数字、2回目をヨコの数字と考えるとともに、たとえばチェスボード左上カドを(1,1)のマスなどと定め、ダイスの目が示す座標位置にマーカーを置く。
予備知識:
コマを動かす制限の説明:

コマの動きは基本的には「チェスのクイーン」と同様の動き方をする。
しかし動ける距離は制限がある。
その時点で、ゲームボード上にある自分の色のコマの「個数ぶんの距離」しか動けない。
ラウンドに関する制限の説明:
このゲームは、ラウンドを何回か繰り返しながら勝利条件をめざす。
遊び方:
普通に交互にコマを動かす。以下の通り。
自分のターンでは、任意の、自分の色のコマを動かす。
コマの「移動力」は盤面に見えている自分のコマの個数で決まる。「移動力」すべてを1つのコマで使っても良いし、複数のコマに振り分けて使っても良い。
*注意:1ターンの中では、コマはまっすぐ直線状にしか動けない。

ラウンドでの勝利と、ラウンド勝利で得られるご褒美:
ランデブーエリアに、自分の色のコマ全てが入ったら、今回のラウンドの勝利者。勝利者には以下のご褒美が与えられる。
1:ランデブー内にいない、任意の相手のコマ1つを除去できる。
2:もし、そのほかにまだランデブー内にいない相手のコマがあったならば、そのコマをランデブー内の任意の位置に置きなおす。
次のラウンド開始のための準備:
ランデブーエリアにあるコマ、ただしコインの上にあるもの以外の8個は、コインを中心とした8方向(クイーンの動きの線に沿って)に放射状に動き、ボーダーへと移動する。
その次に、コインの上のコマは、もし8方向に空きがある場合はその方向に動き、8方向全てに空きがない場合は、任意のボーダーのマスに移動して良い。

ダイスを2回振って、さきほど説明した要領で、コインを置きなおす(ダイスの目によっては動かないこともある)
直前回のラウンドの勝者が、次のラウンドでの先手になる。
ルイスキャロルからの勧告。
先手と後手を入れ替えてもういちど行う。このように先手と後手を入れ替えて2回、4回と、複数回ゲームを行う事。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。