マガジンのカバー画像

せっかくだから住環境を考える

29
誰にとっても家で過ごす時間が増加した転換期である2020年。長く過ごす空間であれば、出来るだけ居心地良い空間にしたい。せっかくのチャンスだから住環境を考える記事を書いてみました。
運営しているクリエイター

記事一覧

せっかくだから住環境を考える~暮らし方の選択肢、いくつ知ってる?~

「道路や橋などのインフラの老朽化が止まらない」これらのインフラの寿命は建設後50年だそうだ。 国土交通省によると、2033年に50年の寿命を迎える全国の道路橋の割合は、全体の63%、水門などの河川管理施設が62%、トンネルは42%。 日本は、人間も道路も橋も、高齢化まっしぐら、どこもかしこも予算が足りない話ばかりだ。 こんな記事を新聞で読んでいたら、「携帯電波の届かない、圏外のド田舎で、今この地区に住んでいるのは私だけですけど、Wi-Fi環境は整っているんですよ」と話し

せっかくだから住環境を考える~不用品回収処分にかかるお金について思う事~

「多分買い取ってくれないだろうなぁ」と思いながら、本の買取業者を手配して回収に来てもらった。 買い取ってくれないだろうなぁと思ったその本は、父が亡くなる前に出版社から買わされたであろう大量の○○全集的な本達。 父が亡くなってもう12年経った。倉庫代わりの部屋の中に12年もほったらかしにしてた訳だ。 本だけじゃない、なんとなく想いが乗っかって、処分捨てきれずにいた物モノを12年間ほったらかしにしていた。想いが乗ってるなんて、この物モノ達が聞いたら「ほったらかしといて何言っ

せっかくだから住環境を考える~空間との相性ってある~

レンタルスペースを運営していてヒシヒシと感じることがあるのですよね。相性って「空間」と「人」との間にもあるのだなと。 レンタルスペースの見学に来られた方の中で、初めて訪ねて来た場所に対して「ここ、なんかいいですよね」とか「ここ、なんか落ち着きますよね」と言って、結構話し込んじゃったりって方がおられます。 もちろん、その逆もありで、パパっと見てササっと立ち去られる方もおられます。 リピートして利用してくださる方もおられれば、1回きりのご利用の方もおられます。レンタルスペー

せっかくだから住環境を考える~省エネ住宅に住んで変化した生活5つの事~

建替えた実家に住み始めて約1年ちょっと経過した。 新築された家は「長期優良住宅」の認定を受けている。春夏秋冬全ての季節を一回り経験して「生活がずいぶん変化したなぁ」と感じるトップ5を振り返ってみた。 1 寝具の種類が減った「今日は熱帯夜になります」お天気キャスターが言ってたな。 以前は、家の中の温度=外の温度という環境で過ごしていたから、夏は決まって寝不足だった。暑くて熟睡できない! 夏は、冷感敷きパッドとかヒンヤリシート、枕には冷たいジェルパッドとか氷枕とか、掛け布

せっかくだから住環境を考える~土石流被害は火災保険でカバーされる?~

7月7日の新聞記事「やりくり一家のマネーダイニング」で火災保険の水災補償について取り上げられていました。 大雨による土砂崩れの被害が相次いでいます。ニュースを見るといたたまれません。熱海市には災害救助法が適用されました。被災者再建支援法も適用する意向と報道されていました。被害にあわれた方が生活再建に向けて支援を滞りなく受けられることを願っています。 自分でできる防災としては、火災保険を見直すことです。 大雨などが原因で起こった土砂崩れは、火災保険の「水災」の補償対象にな

せっかくだから住環境を考える~火災保険、払うだけになってない?~

「妹の家の2階キッチンが水漏れして、1階にある母の部屋までずぶ濡れ」 「えらいこっちゃ」 「1階がずぶ濡れってことは、天井裏もずぶ濡れってことだよね」 「そうなるね」 「梅雨の季節だというのにカビが生えないか心配やわ」 「水漏れって、火災保険で何か申請できるん?以前なんか言うてたよな?」 最近こんな相談を友人から受けました。 そう、「水漏れは火災保険の補償対象の一つ」なんです。

有料
1,000

ゴミ箱の数は少なくしたい、でも机周りにはゴミ箱欲しいを解消できた

私、ゴミ箱の数は少ない方が好き派です。 何故って、ゴミ箱の置き場って、案外迷う。どんなに見た目がカッコいいゴミ箱でもゴミ箱はゴミ箱。だからついつい部屋の隅に置く。 ゴミ箱の数が少ない最大のメリットは、ゴミ捨ての時。ゴミを集める手間がなくなって楽チン。 でも、手元にもゴミ箱欲しい派です。 ちょこっとしたゴミ、インクの無くなった替芯とか、テーブルの上にはらりと落ちてきた抜け毛とか、クシャっとなった付箋とか、こんなものが発生するたびに部屋の隅のゴミ箱まで出かけるのは面倒くさ

四角いテーブルよりも丸いテーブルの方が会話がはずむ効果を感じる

食卓テーブルが四角いテーブルから丸いテーブルに変わって1年経った。 たかがテーブルの形状なのだけれど、丸いテーブルの方が居心地良いと感じる。以前は6人掛け用長方形のテーブルを使っていた。その頃は長方形だから居心地が良いだの悪いだの考えた事はなかった。 丸いテーブルに変わったのは、引っ越しをきっかけに6人掛け用長方形のテーブルを置くスペースが確保できなかったためなのだ。 実際に使い出してみると「丸いテーブルの方がいい感じなんじゃない?」と思う事がある。この丸いテーブル、4

せっかくだから住環境を考える~2050年家は必要なくなる?~

「ムーンショット目標1  2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」 ムーンショット目標、これ知ってますか?私は最近この言葉を聞いて、内閣府のホームページを見て、びっくり仰天。こんな世界を国が考えているとは、しかも約30年後の世界、ワタシ、まだ生きてる可能性大。 「ムーンショット」という言葉は、第35代アメリカ大統領のジョン・F・ケネディが行ったアポロ計画に関するスピーチに端を発した、「月へ向かってロケットを打ち上げる」ことを意味するそうだ

せっかくだから住環境を考える~87歳の母が楽しく馴染んでいる、実家建替えてよかった~

「高齢の親は住む環境が変わるとボケるかもしれんから気を付けたほうがいいよぉ」実家を建て替える前に色んな人からよく言われたし、情報としてもよく見聞きした。 建替える前の実家は、築70年ほどの純日本家屋。新しい家は住みやすさを重視した現代の省エネ住宅。住む場所は同じでも、住む空間は全くの別世界。 だから正直言って、若干心配していた。「せっかく新しい家になっても、そのせいでボケちゃったら、何してる事か分からん」 そんな心配をよそに、現在楽しく暮らしている母を見ると建替えをして

せっかくだから住環境を考える~日本人は物に感情をのせてしまうから片付かないんだ~

「植物や物を擬人化して愛でる文化を持っているのは日本人だけ」こんな話を聞きました。 私、それやっちゃってるわー、今日「トナーの交換時期が近づいています」と表示するプリンターに向かって声をかけてました。 「今日は頑張ろうねー、明日には新しいトナーが届くから。今日は大丈夫、頑張れば印刷できるよー」って。(でもこれ、結構効果あると感じる時もあるのですが・・・) 愛車、車をわざわざ「愛」をつけて呼ぶとか外国ではないそうです。車は移動の手段でしかない、だからぶつけても平気、多少汚

せっかくだから住環境を考える~注文住宅と建売(賃貸)住宅の大きな違い~

先日の住宅計画相談での話です。 「先日ショールームで見た○○○○の洗面化粧台は、鏡の裏に物を入れることが出来るし洗面台の下にも引き出しが沢山あって、必要なものを全て収納できそうなんです。どう思いますか?」 住宅計画をしていると、必ず思い出すことがあるんです。 大学生の頃アメリカへ行った時に経験したことです。 行ってみたかったサンドイッチの店「SUBWAY」で注文した時の話です。 私:「サンドイッチください」 お店の人:「何サンドイッチにしますか?」 私:「ハムサンドイッ

せっかくだから住環境を考える〜暖かい家で暮らしている人はよく動く〜

昨日今日と朝から夕方まで姪の引越しを手伝っていた。冬の引越しは寒くて肩が凝る。身体もかたくてスムーズに動かないし、使用済み段ボールをつぶしてまとめて紐をかけるだけでも上手くできない。 「そーいえば、建て替え前の家での生活は、こんな感じだったんだな」ふと以前の暮らしを思い出した。建て替え前の家はスキマ風の吹く古民家。室内にいても外気温とさほど変わらない、室内でもダウンを着て過ごしていた。 これが当たり前、寒ければ洋服を着ればいい、家全体が暖かい家なんて贅沢、こう思ってた。

いい工務店さんの見つけ方~家を建てる・探す前にするべきこと~

「いい工務店さんってどうやって探したらいいの?」「どこかいい工務店さん紹介して」「素人だからどこに頼んだらいいのか分からない」 よく質問される項目です。 建築士だからっていい工務店さんを知っている訳とは限りません。(知っている工務店さんとは、お付き合いのある工務店さん) そもそも「いい」の基準は人によって違います。なぜならば、いくらお金がかかってもいいから腕のいい職人さんに納得のいくように創って欲しい人、予算内で工夫してそれなりに創って欲しい人など、人によって希望が違う