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自由への逃走

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日記から独立して書いた方がいいものの一つ。しばしば消えます。
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記事一覧

統一経済成長理論から批評する「老人切腹」論

統一成長理論とは  これから説明する見方は、著名なダロン・アセモグルらの経済学教科書で採…

統計的差別の深層 - 容認される偏見と逆差別のジレンマ

 「統計的差別という概念は、矛盾している」という話をする。 1.「統計的差別」の概念的矛…

(小ネタ)『「社会正義」はいつも正しい』は、フランクフルト学派陰謀論や、文化的マ…

『「社会正義」はいつも正しい』は、「文化的マルクス主義陰謀論」の書か?  批判者によると…

『「社会正義」はいつも正しい』の掲げた「リベラリズム」の空虚さ

私は、足を大股開きにする男を底の方では信用しない。 ジェームズ・リンゼイと極右問題  『…

国連女性人権担当者「セルフID制度は、暴力的男性が悪用する危険がある」

はじめに  国連の要職に就くリーム・アルサレム Reem Alsalemは、先日スコットランドが進め…

「白井みふ子」氏から謝罪がありました。

謝罪がありました詳細は省きます。 (※追記:経緯等を追記しました) 私は、これで全て終わ…

トイレを性別で分ける防犯上の意味

はじめに  少し前の8月17日に、「性別のない作家」山崎ナオコーラによるツイートがちょっとした物議を醸した。氏の「性別でトイレを分ける必要があるのか」、「私はトイレを性別で分けなくてもいい派でして」と問題提起した下記ツイートがそれだ。 山崎氏のツイートは削除されてしまったが、引用リプライが沢山つき、温度感の高い反応が多かった。「女性の安全を考えて欲しい」、「『LGBT』でトイレ利用をひとくくりにしないで」という旨のツイート等があった。 しかし「トイレを性別で分けなくても

イギリス裁判所「『TERFへの差別』は差別である」、との判決を下す。

はじめに  去る7月27日、イギリスの雇用審判所は、「生物学的性別が重要であると信じる女性…

"成田悠輔「アナーキズムは中学生メンタリティ」暮らしで実践する男性と考える" を考…

https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p3940  面白い番組だから観て。成田悠輔・あおち…

読んでいない本について堂々と「差別本」扱いする方法

元タイトル:『むずかしい女性が変えてきた』 販売停止に賛同する人の、エリート意識がもたら…

ネットの配信文化が承認をめぐる競争を悪化させる危険について

もくじ 1.Vtuberは脱資本主義なのか 2.認知をめぐる競争 3.足るを知ること 1.Vtuberは脱資本…

後悔しています。

詳細は省くが、江永泉さんとひと悶着あった。 約1年前、『反逆の神話』を読んで調子こいてた…

グローバリゼーションは、中間層や労働者を貧しくしてきたか?

はじめに柿埜真吾『自由と成長の経済学』(PHP新書 2021年)を読んだ。 大雑把に言うと、「資本…

「自由への逃走」カテゴリの行方

この「自由への逃走」カテゴリは逆張りで、「規範や権威は大事だ」というモチベーションに導かれた記事を書いてきた。私自身の認識では少数意見として、「カウンターカルチャー」(内容は正反対だが)のつもりでやっていた。 ところがオリンピックで風向きが変わった。いじめや差別問題で有名人が次々炎上した。 一定の問題や加害性のある行為(前科)が、文句なしに敗北した。オリンピックという特異なイベントによって、今のネット世論の支配的規範のポテンシャルが示されたように見える。 ポリコレという