メガネ・ストーリー2

去年買ったメガネが行方不明だ。

彼は私のメガネ人生の中でも2代目の相棒である。初代相棒と人生を共にして1年、彼の力では私のことを支えられなくなってしまい、涙ながらに別れたことを覚えている。しかし、人生に別れあれば出会いあり、地元のJINSでたまたま目についた黒縁のシルエット、それこそが2代目との出会いであり彼との生活の始まりであった。

1代目は大人しい子であった。必要な時に私の視界を明るく照らしてくれ、着用していない時にも主人の帰りを大人しく待ってくれるいいパートナーであった。しかし2代目は勝手が違うらしい。余程の旅好きか知らないが、気がつくとどこかに消えてしまっている。3ヶ月前に出会ったばかりなのに、今回の脱走で3回目である。そんなに冴えない主人が嫌なのか?もっとスマートな人に選ばれたい、そんなエリート思考の持ち主だったのか?今となっては知る由もない。しかしここまで脱走されると、もはや彼は自分がメガネである事を知らず、自由きままに空でも飛び回っているのではないかと思う。自分がおもちゃである事を知らず、銀河を目指して飛び回るバズ・ライトイヤーのように。

彼を失った私から言えることはただ一つである。私が悪かったです。戻ってきてください。私にはあなたが必要なんです。アンディにとってのウッディのように。


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