いとう らん(Ran Itoh)

外資系企業などでライター&エディターとして勤務した後、出産を機にフリーランスに転向。2…

いとう らん(Ran Itoh)

外資系企業などでライター&エディターとして勤務した後、出産を機にフリーランスに転向。2歳の長男&0歳の長女の母。「和歌ってイイよ!」を広めるべく、noteを活用したいと思っています。育児やLGBTなどに関する話題もときどき。お魚いっぱい飼ってます。

マガジン

記事一覧

子育ての日々に和歌を | #30 | 1/16

納得のいかない仕事をした秋の日に 消え詫びぬいずれの秋も同じこと月にたなびく穂すすきの波 (かんたんになびくすすきのように、流されてしまう自分が情けない。)

子育ての日々に和歌を | #29 | 1/12

ある明け方に。 ぬばたまの夢から覚める有明のうつつを濡らす淡雪の月 (夢から覚めたら、夢よりむなしい現実があった。うっすら積もった淡雪を月が照らしている。)

子育ての日々に和歌を | #28 | 1/10

ある夏に。 春遠く名残とどめぬ夏の川の水面ゆらすな橘の風 (橘の香りは昔を思い出させるというけれど、あの懐かしい春の名残がない今は、そっとしておいてほしい。)

子育ての日々に和歌を | #27 | 1/8

子どもと枯れ葉の上をさくさく歩いていると、昔、飼っていた犬とも同じように枯れ葉の上をお散歩したことを思い出して、 踏みしだく枯れ葉の行方たずねても風はこたえぬ冬…

子育ての日々に和歌を | #26 | 1/5

ペットのお魚をふと思い出した、雨の夕方に うたかたの泡と消えゆく面影は水面を穿つ(うがつ)夕暮れの雨 (大切にしていたつもりでも、その面影を忘れていってしまう。…

子育ての日々に和歌を | #25 | 1/1

元旦、長男と長女、夫と神戸にお出かけ。こんな風にいつまでみんなで遊べるのかなとふとさみしくなって、この一瞬一瞬を大切にしたいと思い、 束の間が絶えず重なる世の中…

子育ての日々に和歌を | #24 | 12/31

娘と病院に行った帰り道。息子と夫が迎えに来てくれたとき、満月が出ていて、 風吹けば冴えざえ響く月の音にまた振り返る冬の宵闇 (風が吹いたら、鉄琴のような音が響く…

子育ての日々でふれたやさしさ #3ヤンチャ小学生にほっこり

コロナ禍で外出が減りましたが、ちょっと近所をふらっとするだけでも、赤ちゃんと一緒だと、優しくしてもらえる率が高いなぁと思いました。 ヤンチャ小学生が赤ちゃんに優…

子育ての日々に和歌を | #23 | 12/30

ベビーカーで娘と買い物に行った帰り道、枯れ葉の匂いがして、 今日もまた焦がれるのみと知りながら 匂ふもみじに黄昏の風 (焦ったりするけれど、外に出ると枯れ葉の匂…

子育ての日々に和歌を | #22 | 12/28

やることが多い日、“子どものせい”で仕事が進まずイライラして自己嫌悪になり、 目覚めれば昨日の月はすでになし 暗きに惑ふ暁の空 (仕事のために、やっつけで育児し…

子育ての日々に和歌を | #21 | 12/27

疲れたときに、 鳥の音も風の声さえ今途絶え月渡る雲が今は恋しき (いそがしくなると、鳥の声にも風の音にも心を動かされなくなる。月が雲に隠れただけで心が動く日もあ…

子育ての日々に和歌を | #20 | 12/26

天国にいる犬の誕生日に、 うす墨の雲げな夜こそ ほかの世とこの世をまどかにつなげ月の輪 (薄墨を流したような夜に、この世と天国の境目のような満月が出ている。天国…

子育ての日々に和歌を | #19 | 12/25

遊んでいる子どもを見守り中に、 幾重にも連なる雲の絶え間よりうつつを覚ます木枯しの声 (ぼんやり木枯しの音を聞いていると、今の現実が現実なのかわからなくなる。)

子育ての日々に和歌を | #18 | 12/23

娘のお宮参りが終わって、 風の間にもみじの時雨ふりにけり錦を添える鈍色(にびいろ)の空 (散りかけたもみじが時雨のように降ってくる。どんよりとした空もきれいに見…

子育ての日々に和歌を | #17 | 12/22

嫌なことがあった夜に、 ひとり寝の月もなき夜を慕ふ日に ただ頼めるは木枯らしの声 (嫌なことがあってうずくまる夜。木枯らしの声が妙に落ち着く。)

子育ての日々に和歌を | #16 | 12/21

日吉大社で、ちょっとだけ娘のお宮参り。 枯れ枝がとどめる紅葉の水の面(おも)に鳥の音おちる日吉(ひえ)のせせらぎ (枯れ枝にひっかかった紅葉でいっぱいのせせらぎ…

子育ての日々に和歌を | #30 | 1/16

納得のいかない仕事をした秋の日に 消え詫びぬいずれの秋も同じこと月にたなびく穂すすきの波 (かんたんになびくすすきのように、流されてしまう自分が情けない。)

子育ての日々に和歌を | #29 | 1/12

ある明け方に。 ぬばたまの夢から覚める有明のうつつを濡らす淡雪の月 (夢から覚めたら、夢よりむなしい現実があった。うっすら積もった淡雪を月が照らしている。)

子育ての日々に和歌を | #28 | 1/10

ある夏に。 春遠く名残とどめぬ夏の川の水面ゆらすな橘の風 (橘の香りは昔を思い出させるというけれど、あの懐かしい春の名残がない今は、そっとしておいてほしい。)

子育ての日々に和歌を | #27 | 1/8

子どもと枯れ葉の上をさくさく歩いていると、昔、飼っていた犬とも同じように枯れ葉の上をお散歩したことを思い出して、 踏みしだく枯れ葉の行方たずねても風はこたえぬ冬の夕暮れ (わんこと歩いた枯れ葉の道は、すっかり遠くなって、今は思い出のなかだけにある。)

子育ての日々に和歌を | #26 | 1/5

ペットのお魚をふと思い出した、雨の夕方に うたかたの泡と消えゆく面影は水面を穿つ(うがつ)夕暮れの雨 (大切にしていたつもりでも、その面影を忘れていってしまう。激しい雨で乱れる水面のように、自分の薄情さに心が乱れる。)

子育ての日々に和歌を | #25 | 1/1

元旦、長男と長女、夫と神戸にお出かけ。こんな風にいつまでみんなで遊べるのかなとふとさみしくなって、この一瞬一瞬を大切にしたいと思い、 束の間が絶えず重なる世の中で果てなき空を今日見上げつつ (「今しかない今」が続いていく世界には、いつも変わらず大空が広がっている。)

子育ての日々に和歌を | #24 | 12/31

娘と病院に行った帰り道。息子と夫が迎えに来てくれたとき、満月が出ていて、 風吹けば冴えざえ響く月の音にまた振り返る冬の宵闇 (風が吹いたら、鉄琴のような音が響くんじゃないかと思うほど、くっきりとした銀色の月が出ている。)

子育ての日々でふれたやさしさ #3ヤンチャ小学生にほっこり

コロナ禍で外出が減りましたが、ちょっと近所をふらっとするだけでも、赤ちゃんと一緒だと、優しくしてもらえる率が高いなぁと思いました。 ヤンチャ小学生が赤ちゃんに優しくてほっこり近所の公園やマクドナルドに行くと、当然ながら小学生がたくさんいるんですが、皆さま、けっこう赤ちゃんに優しいです。たとえば、こんなことがありました。 2か月の下の子を連れてマクドナルドへ。ベビーカーを置くスペースがあったので、けっこう大き目の音でゲームをしている小学生4人組の横に座りました。 すると、

子育ての日々に和歌を | #23 | 12/30

ベビーカーで娘と買い物に行った帰り道、枯れ葉の匂いがして、 今日もまた焦がれるのみと知りながら 匂ふもみじに黄昏の風 (焦ったりするけれど、外に出ると枯れ葉の匂いがして、ちょっと気分転換になる。)

子育ての日々に和歌を | #22 | 12/28

やることが多い日、“子どものせい”で仕事が進まずイライラして自己嫌悪になり、 目覚めれば昨日の月はすでになし 暗きに惑ふ暁の空 (仕事のために、やっつけで育児してるみたい。子どもともっと楽しく遊びたいのに。とりあえず早起きをして仕事をする。)

子育ての日々に和歌を | #21 | 12/27

疲れたときに、 鳥の音も風の声さえ今途絶え月渡る雲が今は恋しき (いそがしくなると、鳥の声にも風の音にも心を動かされなくなる。月が雲に隠れただけで心が動く日もあったのに。)

子育ての日々に和歌を | #20 | 12/26

天国にいる犬の誕生日に、 うす墨の雲げな夜こそ ほかの世とこの世をまどかにつなげ月の輪 (薄墨を流したような夜に、この世と天国の境目のような満月が出ている。天国までわたしの思いが届いてほしい。)

子育ての日々に和歌を | #19 | 12/25

遊んでいる子どもを見守り中に、 幾重にも連なる雲の絶え間よりうつつを覚ます木枯しの声 (ぼんやり木枯しの音を聞いていると、今の現実が現実なのかわからなくなる。)

子育ての日々に和歌を | #18 | 12/23

娘のお宮参りが終わって、 風の間にもみじの時雨ふりにけり錦を添える鈍色(にびいろ)の空 (散りかけたもみじが時雨のように降ってくる。どんよりとした空もきれいに見える。)

子育ての日々に和歌を | #17 | 12/22

嫌なことがあった夜に、 ひとり寝の月もなき夜を慕ふ日に ただ頼めるは木枯らしの声 (嫌なことがあってうずくまる夜。木枯らしの声が妙に落ち着く。)

子育ての日々に和歌を | #16 | 12/21

日吉大社で、ちょっとだけ娘のお宮参り。 枯れ枝がとどめる紅葉の水の面(おも)に鳥の音おちる日吉(ひえ)のせせらぎ (枯れ枝にひっかかった紅葉でいっぱいのせせらぎを見ていると、木の上から鳥の声が聞こえてきた。)