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人間のからだ~1~

もう3月も終わりです。4月から新生活が始まる方もいらっしゃるでしょう。一人暮らしをするので、何やかやと買いそろえておられる方もおいででしょうか。不安がありつつも、わくわくする時間かもしれません。

お盆をこの機会に購入される方もあるかもしれませんが、ここ数年、載せているものが滑らないトレーというのがちょっと人気らしいです。表面が塗装加工されているため、滑ることでお盆が傾き、コップや皿の中身がこぼれる事態を防げるのだとか。

選択は人それぞれでしょうが、初めてこの商品のことを知った時に、自分なら絶対に小さい子には使わせない、と思いました。ある程度成長した大人ならともかく、様々な機能が成長過程にある子供にこういうトレーを使わせると、持っているものを水平に保とうとする感覚の発達を妨げるのではないか、と考えたからです。皿が片側に偏っていたら、重い方にぐっと力を入れないと盆を水平に持てない、そもそも盆上に満遍なく皿を配置した方が両手で持ちやすい、といったことをぐらぐらさせたり、時にこぼしたりしながら学び、やがて問題無く持てるようになっていくのではないかと。

お茶のお稽古をしていると、ぐらぐら、で言うと柄杓を伏せた建水の運び出しの際に水平に持つという感覚が試されています。もう少し言うと、体の脇に持ったものの場合、どの程度の持ち方で水平が保たれているか、の感覚。自分の正面で持つお茶碗の、縁にわたした茶杓を落とす方は少ないです。茶碗の傾きが目に入り、気付いて傾きを修正できるので。けれど、体の脇の建水の傾きは見えませんし、柄杓が滑り始めても(周りは気付いてくれても)自分では見えないので修正できない。これを準備の工夫と、動きの微修正を重ねて、不手際無く持ち出せるようになっていくわけです。小さな失敗と工夫を頭と体があちこちで覚え、その積み重ねがきれいなお点前につながっていくのですね。お稽古の時には、色々失敗しておくのがよいです。

とはいえ、↑のトレー、将来的に病気で手がぶるぶる震えるようになったりしたら、わたしも使う日が来るかもしれません。成長する年齢は過ぎ、歩くのがしんどくて、トレーにまとめるおかげで短い距離を何度も往復しないで済むのが楽だと感じる時が来たら、滑り落としにくくしてくれる道具は自分の人生では使い時かな、と想像したり。ずっと使わないで過ごせるならありがたいですが・・・。

今日の菓銘は「花の舞」。
手前の方に焼き印で蝶が飛んでおります。

4月からの生活を気にするより、年度末で仕上げないといけない仕事のために週末出勤だ~という方もいらっしゃるかもしれません。皆さま、穏やかな春を迎えられますように。


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