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1-1. 化学結合と結晶の種類

こんにちは。おのれーです。今日からまた少しずつ、高校化学の内容をまとめていきたいと思います。

初回は「化学結合と結晶の種類」についてです。

結晶については、"化学基礎"でも扱いましたので、まずは下の記事でざっくり思い出して頂けたらと思います。

では、なぜまた"化学"でこの内容が扱われているのでしょうか?

"化学基礎"では結晶の種類と性質、そして構成している粒子の組み合わせだけを扱っているのですが、"化学"ではもう少し踏み込んで、その結晶がどのような構造をしているのだろうか、というところまで考えていきます。

ということで、今回は改めて結晶について確認していきます。

■固体とはどのような状態か?

結晶の話に入る前に、「固体」について考えてみたいと思います。

物質は、一般に固体、液体、気体のいずれかの状態で存在しています。水H2Oであれば、地球上でも氷、水、水蒸気のように姿を変えて存在していますね。

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気体は空間を自由に飛び回ることができますし、液体も容器の中で形を変えながら動くことができます。しかし固体は、液体や気体とは異なり、一定の形を保っています。水を入れたコップが、放っておいたらいきなり形を変えて、水と混ざり合ってしまった、なんてことはないですよね。

でも、それはなぜでしょうか?

実は固体は、固体をつくっている原子やイオン、分子などの粒子が、粒子同士の間にはたらく引力によって、一定の位置に固定されているのです。

いい例えではないかもしれませんが、固体は決められている座席に座っている授業中の教室、液体は休み時間にグループで固まっている様子、気体は一人ひとりが自由にどこかに遊びに行ってしまっている状態とでもいえるでしょうか。

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■「結晶」とは何か?

ではここで本題に入ります。

そもそも「結晶」とはどのようなものをさすのでしょうか?

教科書的には、次のように書いてあります。

結晶は、それを構成している原子やイオン、分子などの粒子が規則正しく配列してできた固体のこと

例えばダイヤモンドは、炭素原子が規則正しく連なってできている結晶です。

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金属の銅のかたまりであれば、銅原子が規則正しく並んでできている結晶です。

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このように結晶とは、結晶中の粒子同士が、共有結合、金属結合、イオン結合、分子間力などによって結びつき、規則正しく並んでいるものだということができます。


■結晶格子と単位格子

先程、結晶中では、構成している粒子が規則正しく並んでいるのだというお話をしました。

「規則正しく」ということは、「規則(=ルール)」とよばれるものがあるのです。それはいったいどのようなルールなのでしょうか?

残念ながら(?)、その規則は一つではありません。結晶を構成する粒子の種類や組み合わせによっても異なります。しかし原則として、同じ物質であれば同じルールにしたがって、粒子が並んでいます。

このように、結晶を構成する粒子が、どのように配列しているのかというルールを示したものを「結晶格子」といい、その最小の繰り返し単位のことを「単位格子」とよんでいます。単位格子がわかれば、その結晶がどのような構造をしているか、つまり粒子がどのようなルールの下で規則正しく並んでいるかを知ることができます。

例えば、金属の結晶で考えてみましょう。

金属の結晶は、数個の金属原子が集まって単位格子をつくり、その単位格子が前後・左右・上下に、多数連なることでできています。

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しかし先程も書いたように、粒子が集まる時のルールは一つではありません。金属の結晶であっても、ナトリウムと銅では、金属原子が集まる時のルールが異なり、単位格子の構造も異なります。

…ということで、この章では、単位格子に注目をして、粒子が集まる時のルールにはどのようなものがあるのかを考えていきます。

最後にワンポイントチェック

1.固体とはどのような状態か?
2.結晶にはどのような種類があったか?
3.結晶とはどのようなものか?
4.単位格子とは何か?

次回からは、金属結晶、イオン結晶、共有結合の結晶、分子結晶のそれぞれについて、粒子がどのようなルールに基づいて結晶を作っているのかを、もう少し具体的に見ていきたいと思います。お楽しみに!

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