「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.0

初めましてゆうすけと言います。

簡単に自己紹介すると1995年東京生まれ、高校あたりから手当たり次第バンドを聴くようになり、音楽について深い造詣を持ちたいなと思うようになりました。

リアルタイムでよく聞いていたのはいわゆる「10年代シティポップ」と呼ばれるものであり、この音楽は周囲の人間も挙って好んでいました。

それともう一つ興味があったのが今回話す「渋谷系」です。

インターネットサイトやカルチャー誌などで2010年以降大きく取り上げられるようになり、CeroやSuchmosといった2010年代シティーポップと同時に「オシャレでポップな音楽」として評価がされていきました。

また渋谷系音楽の代表格としてフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイブと呼ばれたアーティストが有名であるが、彼らの音楽性は私がリアルタイムで聞いているアーティストとは違ったバックグラウンドが存在しており、そうしたバックグラウンドをもとに作られた、今聞いても遜色のないサウンドは私にとって新鮮であり革命的であった。

その「渋谷系」について今回は、東京における都市論から、音楽史までに広げながら考察していきたいと思います。ただ私は当時リアルタイムで体験したわけではありません。参考文献等は記載しますが、ぼんやりとした概論として目を通していただければと思います。

1. そもそも「渋谷系」とは?

まず「渋谷系」と呼ばれる言葉がもてはやされたのは1993年からだとされている。セゾングループが隔週で発行していたタウン誌「APO」の1993年11月9日号にて渋谷系という言葉が登場する。(2014若杉実著「渋谷系」より引用)

「センター街あたりじゃあたりまえ “渋谷系” ミュージックって、なに?」

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原稿を書いていたのはインディー雑誌「バッフアウト!」の発行人・山崎二郎であった。記事の内容としては渋谷系と呼ばれる音楽の概要からその震源地とされるCDショップHMV/WAVE両渋谷店の邦楽レコードコーナーの紹介、さらに新作レビューまで幅広く構成されている。選ばれた作品はピチカート・ファイブ、小沢健二・コーネリアス(元フリッパーズ・ギター)、オリジナル・ラブといった定番があるほか、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーションなど主流から外れたものやイギリスのアシッドジャズ系まで記載されている。
上記のアーティスト、特に邦楽の作品は全国的なオリコン・アルバムチャートには入っていないが、渋谷のタワーレコード・HMVのアルバムチャートのみ上位にランクインしているアーティストである。

こうした渋谷にある外資系の大型レコードショップのアルバムチャートだけ上位にランクインしているアーティストのことを総称して「渋谷系」と呼ばれるようになった。具体的なアーティストとしてはフリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイブなどが挙げられ、1990年代における音楽シーンの大変革を「渋谷系」と呼ばれたアーティストたちは巻き起こした。(2014若杉実著「渋谷系」より引用)

上記、リンク上にて1993年12月の渋谷HMV・オリコンチャートが確認出来る。全国的に入っていないカヒミカリィ・オリジナルラブ・ラブタンバリンズ等が渋谷点のみ上位でランクインしているのがわかる。

なぜこうした渋谷のみ、オリジナルのランキングが出来上がったのか。次回からは渋谷といった土地に注目しながら考察していく。

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