音楽についてすごーくたまーに語ります。

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  • 渋谷系とは何だったのか? 都市と音楽から考える

最近の記事

良かったローラのライブの話

2月6日火曜日、恵比寿リキッドルームで開催されたlaura day romanceのライブに行った。東名阪のまあまあ大きな箱で開催されるツアーの初日だ。 laura day romance(以下ローラ)は2018年結成のバンドで、バンドとしての基幹はポップスなんだけど引き出しが物凄く多くて、初期のフリッパーズギターやシンバルズに影響されたような渋谷系ポップスサウンドから、ペイブメントやfather john misty、neutral milk hotelのようなメロディア

    • sancribというバンドについて

      バタフライエフェクトという言葉がある。別に大きな話をしたい訳でもないのだが、なんだかこの言葉が頭にすぐ浮かんだ。 音楽は人生を豊かにするし、その節目において大きな意味を持つものとなる。ソーシャルな場にとっては音楽を広めることは大変だし、ハードルは高いと思うのだが個人の場合は別だ。一つの楽曲が一つのアーティストが自分自身の人生を変えることもあるし、変えてくれる存在にもなりうる。 sancribというバンドがある。日本のインディーズバンドだ。 現状上記しか情報がない。自分は

      • ずとまよ。の凄さについて

        特に理由はないがアイコンにしているずっと真夜中でいいのに。について簡単に書きたいと思う。 あれは3年前くらい、愛知に転勤だった時今でも衝撃的だったのが、久屋大通公園を散歩中に近所の幼稚園くらいの集団だったと思うが、ずとまよの「正しくなれない」をみんなで合唱していた。 当時まだずっと真夜中でいいのに。が結構出始めの時だったと思うが、z世代よりもずーっと若い世代に知られているのかと、そもそもそんな親しみやすい曲だっけ???と何かと衝撃的だった。 公式のyoutubeにて彼女の

        • 2023年 マイベスト邦楽10曲

          こんばんは。2023年は何も振り返らずにここまで来てしまったーということでマイベスト邦楽10曲紹介。備忘程度でサクッと、趣向の関係上ポップス系インディーズ多め にしても世の中の音楽オタクは凄い。自分なんて日々の仕事で疲れて移動ついでくらいで聴いているスタンスだけど(それでも自分は人より聞いている方だと思ってる)、全然追いつかないレベル。しかも自分は邦楽しかあまり興味がないけど、それにジャンルを横断して世界各国の音楽を聴き、それを具現化する…という作業をやっている人がxやno

        良かったローラのライブの話

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        • 渋谷系とは何だったのか? 都市と音楽から考える
          8本

        記事

          春に音楽を聴く

          2023年も春が来た。ようやくやってきたが直ぐ終わりそう。 春と言えば外に出て音楽が聴きたくなるものだ。  はっぴいえんど/春よ来い 1年の中で冬は一番長いと感じる。人それぞれだと思うが、冬の閉塞感がそう感じさせるのか。とにかく寒いと体感した時点で冬に突入するのだが、暖かいの基準がおかしいのか。 正月の過ごし方をミスった人々に向けて、そんな春を待つ人々をユーモア溢れる歌詞で。 Laura day romance/ 書きたい Laura day romanceが四季盤を

          春に音楽を聴く

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.7

          ・ポストモダン消費とPARCO文化の関係性   part6にて吉見・北田は1970-80年代PARCO文化が高度な消費文化を顕在的に現したものと述べているが、この先行研究が仮に正しいとした場合、このPARCO的という「消費文化」が同時代における「ポストモダン消費文化」と類似していると考えることができる。この節では間々田の著書を参考に「ポストモダン消費」の先行研究を踏まえ、PARCO文化との関係性についても論じる。  1970年、ボートリヤールは「消費社会の神話と構造」を著

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.7

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.6

          7 PARCO文化について前章では渋谷の盛り場としての成り立ちと音楽文化について論じてきたが、この章では渋谷を大きく変貌させた1970年代におけるPARCOを中心とした西武グループの経済的・文化的な戦略について論ずる。 ・PARCOの誕生と歴史  PARCOは1953年「池袋ステーションビル」として誕生。誕生当時はステーションビルの運営であったが、翌年株式会社丸物の資本参加を受け百貨店業へと移り変わる。それ以降「東京丸物」として百貨店を開業し続けていたが、1969年に業績

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.6

          スコット・ジョプリンとラグタイムの隆盛

          1.はじめにスコット・ジョプリン。この方をご存知でしょうか。 画像から見て100年以上前の人だとはわかるが、音楽通であれば知っているとは思うし、ピアノを習っている人であれば一度は目にしたことがあると思う。 先日みのミュージックのリスナーが選ぶアーティストランキングの「少数から熱烈な支持があったアーティスト」を見ていたら、見事?一票を記録しており、みのさんからも渋いとの言葉があった。誰が入れたんだ?と思うくらい渋すぎる。 名前の知名度はそれ程高くないが、この曲はほとんどの

          スコット・ジョプリンとラグタイムの隆盛

          魔法的な「our hope」

          羊文学のデビュー後2作目の「our hope」は2022年4月20日にリリースされた訳だが、ビルボードでのランキング5位と(4月18日週)好調な滑り出しを見せ、SNS等でのネット上の評価も非常に高い。 羊文学は2012年結成の、ジャパニーズオルタナティブバンド。スリーピースのコンパクトなバンドながらも、vo塩塚モエカの幻想的な歌詞と音作りに特徴があり都会的な一面も感じさせる、オルタナティブでドリームポップ的なサウンドのバンドである。 1.今回のアルバムコンセプトについて 

          魔法的な「our hope」

          私的邦楽名盤 2021

          こんにちは、ゆうすけと言います。 音楽好きのnoteでは定番となりました、今年一年を振り返る企画ですが、 10枚の邦楽を選ばせてもらいました。本当に迷った! KID FRESINO 「20, stop it」 YOASOBI 「THE BOOK」 折坂悠太 「心理」 PK shampoo 「PK shampoo.wav」 WANG GUNG BAND 「WANG GUNG BAND」 JINTANA&EMERALDS 「Emerald City Guide」 安

          私的邦楽名盤 2021

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.5

          6 渋谷を取り巻く音楽文化 〜1970年代渋谷〜 1960年代の新宿から1970年代の渋谷へ。文化的・音楽的な視点から見てもその変化が現れており、本章では牧村憲一・藤井丈司・柴那典著の「渋谷音楽図鑑」を参考に進めていく。 まず1969年寺山修司が天井桟敷の拠点を渋谷に作ったことが挙げられる。また1969年、後の公園通りに小劇場「渋谷ジァン・ジァン」がオープンし、小室等や吉田拓郎などのフォークシンガーが出演して満員の客を集めるようになっていった。また西武流通グループの仕掛けに

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.5

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.4

          5 PARCOを中心とした文化的革命 ~1970年代渋谷~ 前章では1960年代の新宿について記載したが、1973年のオイルショックあたりを機に、新宿にいた若者のエネルギーは急速に落ち始める。その頃新宿の西口では巨大なオフィスビルを抱えた「新都心」としての開発が行われており、東口ではアングラ文化の拠点となった凮月堂も閉店している。そうした中、1970年代において東京の盛り場が新宿から渋谷に移行したと吉見は著書「都市のドラマトゥルギー」で論じている。ようやく渋谷系のスタート地

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.4

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.3

          4「アングラ文化」を中心とした若者たちの集いの場 ~1960年代新宿~ ここまで吉見(1987)の盛り場論を元に戦前における盛り場の変遷と、東京においての音楽文化の誕生について述べてきたが、この節では1960年代の新宿に焦点をあて盛り場と音楽文化を同時並行的に論じていく。 新宿は元禄11年に甲州街道の宿駅が設けられて以降、江戸4宿の一つとして江戸時代から発展をしてきた。戦後になると、新宿駅前付近の三光町付近(現在のゴールデン街)あたりにはたくさんの娼家が多く立ち並ぶように

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.3

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.2

          3. 東京における戦後の音楽ルーツとエルビスプレスリーによる「毒」が与えた影響 前節では戦前の東京における盛り場に焦点を当てて論じたが、本節では東京における音楽文化のルーツについて述べていきたい。 まずポピュラー音楽の定義を2010年増淵 敏之「欲望の音楽「趣味」の産業化プロセス」のなかで著者はこう述べている。 「①大規模な、社会文化的に同質的な場合が多い聴衆集団に大量に分配されるものとして表され、②記譜されない形で保存され、配給され、③その配給はその音楽を商品にする。④

          「渋谷系」とは何だったのか? 〜都市論と現代POPS史から読み解く〜 part.2

          Yogee New Wavesのルーツミュージックと1970年代ブラックミュージック入門

          ミュージシャンとは物語そのものであり、個人的な生い立ちから外部環境至るまで、その音楽性に影響することは言うまでもない。その中で大きな鍵を握るのがバックグラウンドにある「ルーツミュージック」である。これを知ることによってアーティストの見方を大きく変えることもできるし、より深く知ることもできる。今回はYogee New Wavesに焦点を絞って、そのルーツミュージックと良さについて述べていく。 Yogee New Waves というバンドについて。2013年に角舘健悟(Vo,

          Yogee New Wavesのルーツミュージックと1970年代ブラックミュージック入門

          Fishmans In Space Shower TV Episode.1 | LIVE 1992.02.24 フィツシュマンズの初期ライブ。出だしの未音源曲が良すぎるなぁ https://www.youtube.com/watch?v=de_viMSVRHg

          Fishmans In Space Shower TV Episode.1 | LIVE 1992.02.24 フィツシュマンズの初期ライブ。出だしの未音源曲が良すぎるなぁ https://www.youtube.com/watch?v=de_viMSVRHg