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【2022年4月】みちのく旅行① 仙台・ローカル酒場を彷徨い歩く

はやぶさとチキン弁当で、いざ東北

思いがけず東北に行く機会に恵まれた。
最後に行ったのは去年の7月で、岩手の鉛温泉へ湯治旅(どこも悪くないけど)して以来となる。

コロナの規制やら地震による新幹線の脱線事故などもあって東北は遠い場所になりつつあったが、久々に仙台~盛岡をゆっくりと、たっぷりとめぐることができた。

4月の東北はとても素晴らしかったので、旅日記としてその記憶を綴っておきたい。

4/21(木)のAMに新幹線はやぶさで上野を出発。

やはり鉄道旅の醍醐味は駅弁×ビールだろう。
新幹線に乗り込んで、少しリクライニングを倒して缶ビールを「プシュッ」とやる瞬間。こんなささやかなことに“人生の至福”を感じられる。
そんな私は安っぽい人間なのだろうか。

いつもは崎陽軒のシウマイ弁当か横濱チャーハンをチョイスするところだが、つい先日、野球観戦しに行った際に“横チャー”を食べていたので今回はパス。
自分の中で崎陽軒に次ぐ準定番である東京駅の「チキン弁当」を選んだ。

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新幹線内だと許せるチープな味

この駅弁を知ったのは大昔、泉麻人さんのエッセイを漁読していた頃だ。
“大して旨くもないけど、ボクはこの安っちい駅弁を食べないと旅感がしなくて~”的な書かれ方をしていたと記憶するが、まさにその通りだと思う。
なお、上皇陛下もお好きだったとのことだ。

脱線事故の影響で一部区間が徐行と聞いていたけれど、全然そんな感じはなくスムーズに仙台駅に着いた(でも2時間かかったけど)。

東北なのでそれなりに寒いかと思いきや、この日は温暖で東京と変わらない気候だった。
けれどホームに流れる『青葉城恋唄』のチャイムを耳にして、「あぁ、仙台に来たなぁ」の旅情感あり。

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久しぶりだね杜の都

そうそう、去年は岩手旅行を2度ほどしたけれど、宮城・仙台は完全にスルーだった。
仙台の街に関しては2~3年ぶりになるだろうか。

仙台は東京の「縮小版」都市なのか?

しばし仙台の街を散策してみる。

ぶっちゃけ、個人的に仙台って「数多たる地方都市の1つに過ぎない」印象で、そんなにココロが動かされることがない。
良くも悪くも東京のミニチュアコピー版という感じで、大宮とか下手すると川口とかあの辺と変わんねんじゃね?的な。
もちろん、住む分には何でも揃っていて好ましいことなのだけど、旅行者からすると旅情に乏しいというか‥‥と、言ってて自らの身勝手さを感じてしまうのこの辺に。

「仙台らしいところを!」
ということで、都心から広瀬通を仙台城址を目指してふらふら歩いてみることにした。

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城郭都市らしい川がいいね

途中、西公園という花見のできる公園では昼間から酒を飲んでいる人がちらほら。
屋台も出ていたので一杯飲んでこうかと思ったけど、サクラは終わりかけだったのと、小虫が多かったのでパス。

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西公園 花見やったら楽しそうだ

そして大橋という立派な橋を歩いて広瀬川を渡る。

ん~、これが名曲「青葉城恋唄」の出だしに歌われる広瀬川なのね。

しかし、さとう宗之って、昔はテレビやラジオのクレジットで「東北学院大学卒 さとう宗之」となっていて、学歴も込みで芸名だったような‥‥。
これって私の記憶違いだろうか。。。

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休むよね~

とくにやることもなく時間もあったので、仙台市博物館でも観ようと思ったら‥‥
まさかの『令和3年10月1日~令和6年3月31日まで休館』だって。

長くね? それってもう休館じゃなくて閉館ちゃいますのん。

博物館は諦めて、久々に仙台城址の本丸まで登ってみようかと思ったけど。
こっちはこっちで震災の被害で石垣の崩落危険があるとかで、順路が閉鎖になっていた。

むむむ、せっかくここまで歩いてきたのに、何もできずに踵を返して市内へ戻ることとなった。

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阿Q読んでました、サインください!

まぁ、魯迅さんに挨拶できたのでよしとしておく。
元文学青年としては、こういう碑を見て回れるのは好きだ。

こんど来る時には仙台城址も復興しているかしら。

もつ焼き 丸昌 めっちゃ佳い酒場でした

さぁ、散策を終えて喉も渇いて小腹も減ってきたら、もう飲みだ飲みだ。

結論から申しまして、初日から三軒もハシゴしてしまいまして。
ここからは紀行文というよりか、単なる旅呑み日記になりますかね。

まず一軒目はモツ焼き酒場の「丸昌」でした。

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イミテイションじゃないガチ大衆酒場

ここは過去に出張で何度も仙台に来ていた頃から店の前は何度も通っていて、いつも出張族で賑わっているのを知っていた。
でも、モツ焼き(ヤキトン)なんて東京の至る所にあるし、別に仙台に来てまでねぇ‥‥と敬遠していたのだった。

でも、地元民からもけっこう愛されてる店と知って入っているみると、これがもう「灯台下暗し」というか「お見逸れしました」というか、めちゃイイ店だった。

昼から営業はしているらしいのだけど、串物は夕方からと聞いていたので、17時頃に訪問。
とにかく、やっすい。

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おでんと~

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赤ウイン~

だけど串焼きも旨いし、オデンなどは100円切る割に済んだオダシで普通に良い。

で、なんといっても地酒が安い。
けっこう名だたる宮城を中心とした東北の銘酒が「え、こんな値段で?」という価格で飲める。ちゃんとラベルを見せてくれる一升瓶でモッキリに注がれるので、ウソじゃない。

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串と地酒でサクッと!

ここは再訪アリやで。

※後に聞いたけど今回はコロナ後で人が少なくユックリ飲めたけど、平時は行列ができるほどの大繁盛店らしい。

旅人気分味わえるブンヨコ源氏の非日常

駅前の丸昌でほろ酔いになった後は、通称:ブンヨコと呼ばれる文化横丁へ。

今回は仙台の飲み屋事情に明るい“案内人”がいて、なんでも女将の切り盛りするシッポリ系の店があるということで訪れてみた。
むむぅ、ヨソ者の一人ではなかなか立ち入れない佇まいの店やな。これは

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独り初訪は勇気いるかも

妙にいかめしい戸口の扉をオソルオソル開けると、店内は18時ちょい前なのに満席。

「こりゃダメか」と思ったところ、コの字カウンターに若干のスキマがあり、着物を着た女将の差配でそこへ滑り込む。
よかった。

ここはルールが少し変わっていて、客は4杯までしか飲ませてくれない。
ビールもたしか千円くらいして、一杯ずつがやけにお高いのだけど、一杯ごとに肴が一品つくというシステムだった。

この日は浦霞と高清水の二杯を呑んだ。
一杯目はツブ貝と前菜、二杯目には冷や奴が付いた。
そこでお会計。

三杯目には刺身、四杯目にはオデンが付くと伝えられて、それはそれで気になったが、雰囲気的にも満足してしまい辿り着けなかった。
余談だけど後半の方に良い肴が出てくるとは、、、なかなか良いビジネスだと思った。

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ミチっとした豆腐でボリューミィ冷や奴

いやぁ、しかし時が昔でとまったような空間。
あまり土地勘のない旅先という事も手伝って、非日常な雰囲気が愉しかった。

仙台の地理に明るくはないが、この辺はおそらく官公庁が多いのだろう。
客層はみな良く、髭をたくわえ白フチ眼鏡かけてるような小金持ってそうなオッサン率が高かった。

我々が席を立つ少し前、おそらく異世界と電波通信しているであろう少し変わった女性客が登場して、周囲の客を恐々とさせた瞬間があった。
だが、女将はその手の客の扱いも慣れたものか不動心で店をさばいていた。
たくましいわ。

遅ればせながら仙台の魅力発見できました

おとなしくホテルに帰えりゃあ良いものを、まだ酒を求めて徘徊してしまった。

「源氏に行ったから、次は平氏だな。うぃー」
とか、くだらんオヤジギャグを言っていた記憶があるので、私もそこそこ酔っていたのだろう。

ホテルの近くだと思うけれど、「氏ノ木」という瀟洒な店に入った。
ほぼ満席で客は若い子が多かったので、お安めな店かなと思いきや、ここもけっこう強気な価格設定だ。
張り込む若者の勝負店なのだろうか。

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いろいろ吞んだけど地酒うまかった

一軒目の丸昌と違い、ずいぶん高級路線に迷い込んでしまったような気もするが、まぁ旅だし。。。

でも酒も肴もめっちゃうまかった。

山和、あたごのまつ、乾坤一‥‥と、地酒をいろいろ飲んだけど、宮城の酒というのはどれも洗練されて旨いなと思った。
同じ東北でも岩手や秋田などは地元向けの田舎臭いTHE・酒という印象のものが多いが(それはそれでよい)、宮城のそれはラベルや名称からしても垢ぬけた印象がある。
東京を向いて作っている節があるんだろうな。きっと。

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タコを柔らかく煮るとは‥‥この店できるな

肴でとりわけ旨かったのが地ダコ。
スッと歯で嚙み切れる食感がたいへんよく、タコの味もしっかりしていた。
タコLOVEにはたまらない。
三陸のタコなのだろうか、訊きゃよかったな‥‥。

ところで冒頭に「数多たる地方都市の1つに過ぎない」と書いたけれど、訂正します。
一見するとたしかに東京のミニチュア版ではあるのだけれど、探せばローカルな空間はしっかりあって、旅情も味わえました。
仙台、再発見というわけだ。

というわけで、みちのく初日。
これにておしまい!

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