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「描きたい作品」と「売れる作品」は感情の上で二律背反に位置する。

こんにちは、画家のアキラです。今回も宜しくお願いします。興味があったら是非お付き合いください。

さて今回は何を書こうかなと思って、先日、大学から付き合いのある画家仲間の展示を見に行ったときに共通の葛藤として話題に上がったので、個人的に少し深掘りして行きたいなと思ったので書いて行きます。

早速ですが、今回はお金というかビジネス的な要素を含みますので 苦手な人は気をつけてください。

まず大前提として、作品は売れたらどんなものでも基本嬉しいし、大変ありがたいです。コレはどんな人でも共通した気持ちだと思います。

では、葛藤とはどういう事かというと、例えば  "展覧会等の作品を見せるシーンにおいて、表現として見てほしい空間 ないしは作品群の中に露骨に売りやすい、売れると予想がつく作品を側に置きたくない"  という事です。もっというと、「コレは売るようの作品」と言えるものをせっかく自分の考えた空間には置きたくないんです。

だって、ダサいし…。

そんな事すると、自分が見せたい空間にならない。

コンセプトとズレる

この空間に小さいサイズは違うんだよなぁ…

この展示に必要か?


などなど


この感覚は画家にとってめっちゃ大事だと思っていて、やはり画家としてはしっかりと表現したかったものを並べて、それをお客様がご覧になって気に入り、購入に至る という流れが作家からしたら最も望ましい形だと思いますし、それがあるから研鑽と考察を重ねてより良い美術作品を作っていけるんじゃ無いかと思うわけです。 だからこそ、売れることを前提にしたものを露骨に展示空間に参列させるのは見てもらいたい空間をくもらし兼ねないという懸念を生みます。展示空間に拘れば拘るほど見てもらいたいと思えば思うほどその懸念も強くなる。けっこう不安が付き纏うんです。展示に自信を持って挑みたい気持ちと同時に売れるのか不安でもある。

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