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「陰」-in-

僕の作品はとても「陰」の要素を纏っています

僕が言うと圧倒的に厨二病感が出てしまいますがそう言うわけではなく笑(いや、厨二病なのは間違いないけども)

説明していきますと、僕のコンセプトには日本文化的な要素を含ませて描いているところがあり、まさにそれがタイトルの通り「陰」と言う事である

皆さんは陰影礼讃という谷崎潤一郎の著書をご存知だろうか

活字が苦手な僕でも3回は読んだであろうか

きっかけは大学4回生の頃、ちょうど卒業制作に向けて作品を躍起になって描いていた頃合いである

暇つぶしと気分転換を兼ねて少し今までと趣向を変えた作品を馬鹿デカい作品の隅っこでコソコソと描いていた時に、ゼミの川村先生が歩み寄ってきたのだ。

緊張した

だって卒制進めてないし、なんか違う作品描いてるし

その作品を目にしたえっちゃん(川村先生の愛称)は何故か嬉々として楽しそうにアドバイスをしてくださった そして谷崎潤一郎の陰影礼讃という本をよかったら読んでみなさいと… この本には日本形式の暮らしの中の光と闇を丁寧に描写していてこの作品を描くなら読んでみて欲しいと勧められたのである

それから、日本という風土は湿気があり、基本的に西洋に比べて光が暗く曇りがちで、それ故の生活における光と空間の捉え方が他の国に比べて異質である事をその本を読んで知った

それからは(※それ以前からもそうであったが)より一層、空間と光の関係や作品と空間、作品と光(すなわち陰)に付いて着目するようになった気がする

そのせいかな、僕の作品は陰を纏っている(また厨二くさい事をいうなコイツ)

陰が強くなるにつれ(日の光が、弱く室内の明かりが増す事)て、僕の作品は生き生きとしているように感じるようになった

光と陰の移ろいと虚ろいの対比のアンニュイな、その曖昧な時間こそが、逆に僕の作品の真価かもしれない

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