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『幼なじみのオカちゃん』vol.14

休憩したコンビニから
結構走ったと思う。
いつの間にか僕は寝ていた。
うっすらオカちゃん達の話し声が聞こえる

オカちゃんとおじさんの親子水入らずの時間に
娘を狙う馬の骨が起床したら
きっと一生恨まれる
そう思い寝たふりをしていたが
『1回休憩するよー!』
と朝方には相応しくない大声が耳を劈く。

だが 朝一のオカちゃんはいつもより数倍可愛く見えた。
日が出始め
車内も会話で溢れ なんだか楽しかった
幼い頃おじさんとオカちゃんと僕の3人で出かけることなんかよくあったのに。

『車の免許を取ったら おじさんをいろんな所へ連れて行ってくれよなぁ』
その時のおじさんは
楽しそうにも 寂しそうにも見えたし
"日に照らされるおじさんの哀愁はやばい"
そう感じた中1の夏。

「うん、しかもNSXで迎えに行きますよ」
『NSX昔からすきだったよなぁ 完全に親父の影響だな(笑)』
オカちゃんは車の話をすると凄くつまらなそうな顔をする。
いいんだ マシーンは男のロマンだから

そうこうしてる間に
キャンプ場へ到着!
と思ったが スルー
「え、ここでしょ?」
『うん、でもな ここへ来るのは午後 午前中はみんなで観光だ!』

すげーこの、小出しにしてくる感じ、、、
プロだ 人を楽しませるプロだ

『幼なじみのオカちゃん』vol.15終
著者:れい
vol.16へ続く