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俳句を楽しむための、3つの「へ」

日ごろ、もっともらしいキャッチフレーズには注意しないとと発言していますが、今日は自分でいいこと思いついてしまったので、書いてみますね。

俳句を楽しむための、3つの「へ」です。

「へんくつ」とか「へんたい」とかではありませんよ。それでは俳句が楽しくなくなります。

3つの「へ」とは、
へんてこ
へっぽこ
へたうま
です。

なんだこりゃ、と思われたかもしれませんが、説明してみますね。

◎へんてこ
俳句は個性豊かな表現が可能な文芸です。季語に豊かな情趣をゆだね、景の描写に自分の感情や感性を織り込んでゆく、だからこそ多彩な句が生まれるのですね。表現には自分というものが自然と出てくるものですが、誰一人として同じ人間はいないし、よくよく見れば一人ひとりみんな個性的で、ちょと変なところもあったりして、言ってみれば「へんてこ」なんです。そういうことが句に読み取れたりすると、とても楽しいものです。類想類句も山ほどあるわけですが、あまたの句の中にそうした「へんてこ」を見つけることが、醍醐味と言えるでしょう。

◎へっぽこ
俳句は、えらぶったり自己顕示したり、優越感をもつための表現形式ではありません。誰もが同じ地平に立って、句を作ったり、読んだり、鑑賞したりするのが俳句です。どんなベテランでも、自分は拙い「へっぽこ」であるというところから俳句に取り組むのがキホンです。句会に参加するときには、初心者であっても佳句を詠むことがあり、名人であっても駄句を詠むことがある、その覚悟をもって臨みたいものです。

◎へたうま
この言葉は一時期、イラストレーションのジャンルで流行りましたが、俳句の目指すところとして、使える言葉だと思います。うまい俳句というのはお手本として価値のあるものですが、うまさが目に見えてしまうと、句の鑑賞にはじゃまになります。技巧はさりげなく使う、目立たないように使う、わからないように使う、それこそが究極の技巧です。後世に残る句、人口に膾炙する句と言うのは、そういう句なのではないか、「へたうま」が究極の俳句なのではないか、そう思うのです。

いかがでしょうか。俳句を楽しむための、3つの「へ」。これは句会を楽しむための3つの「へ」、とも言えるでしょう。RCが主宰だったら、句会の始めと終りに、「へんてこ」「へっぽこ」「へたうま」と、みんなで唱和する、なんてことを妄想します。

みなさんにとって、「へんてこ」「へっぽこ」「へたうま」な俳句への取り組みって、どんなイメージでしょう。句会で共有できれば幸いです。

明日も素敵な季語との出会いがありますように。

RC


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