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若手農家30名と「岡原豪農’Sフェスタ」を開催!あさぎり町岡原地区の若手農家リーダーの挑戦と素顔

地元の南稜高校を卒業し、熊本県立大学校からオーストラリアへ農業研修、現地での内定オファーを断り出身地であるあさぎり町で就農した桑原大樹さんに就農の経緯やライフスタイル、農家としての挑戦についてお話を伺いました。(2023年12月)


桑原大樹さんプロフィール

1991年生まれ。熊本県立南稜高校、熊本県立農業大学校を経て、出身であるあさぎり町岡原地区にて就農。唐芋、ミシマサイコ、スイートコーン、蕎麦、米、飼料稲などを栽培。農家歴12年。球磨からいも生産組合副組合長

研修先のオーストラリアでの内定・オファーを断り就農

岡原地区では地区外に出て寮生活や1人暮らしで高校や大学などに通う人も多いです。高校こそ地元の南稜高校へ通いましたが、その後は、合志市の熊本県立農業大学校へ進学しました。同校でオーストラリアへ農業研修に行き、現地でラフティングのインストラクターとして就業しないかと言うオファーを頂きました。しかし、元々農業大学を出たこともあり両親からの説得を受け、オファーを断り帰国、実家の農園の4代目として就農しました。

趣味のスノーボードで奥さんと出逢う

人吉球磨地域もラフティングが盛んだったことから高校時代から始め、今でも球磨川でラフティングのインストラクターを続けており、農業だけでは出会えない人との出会いに繋がっています。

独身時代は農家としての余暇を楽しんでいました。農家仲間とスノーボードやサーフィンに行ったり、実は妻とはスノーボードで出逢いました。今では未就学児の子供が三人いるので、週末は家族と過ごしたいと考えています。子連れでもできるキャンプも楽しんでいますね。

先輩が繋いでくれた「人との縁」を後輩にも繋ぎたい

農業を始めて13年目になりますが、地元への想いが強くなりました。特に人と人をつなぐことが好きです。先輩たちがいろいろな人に繋いでくれたおかげで今があるので、後輩たちにもそれを繋いでいきたいと思っています。

今年は自分でも初めてのチャレンジとなる「岡原豪農’Sフェスタ」というお祭りを開催しました。元々はコロナの影響で地域のお祭りや行事がなくなってしまったので、いくつかの店を出店してイベントをやってみようと言う程度で始まったのですが、結果的に20-30代の若手農家30名程度で運営し、3,000人もの方々が来てくれました。次回は、出店数を増やしたり、子どもの遊ぶ場所やイベントを増やすなどの工夫をした上で開催したいと考えています。他の地区にはないものを岡原地区で作って行くことが面白いですね。

勿論農家として農作業など大変なことはあるものの、地域内で仲間が多く、遊びも皆でするし、大変な時はお互いに手伝いを出す助け合いの文化もあります。特に岡原地区に関して言えば、人吉球磨地域の中でも、一番若手農家が多い地区です。

農園4代目としてこれまでの新たな挑戦

4代目として自分が新たに始めたものとしては唐芋とスイートコーンの栽培があります。それぞれ既存の販売ルートとは異なるルートを開拓し、Instagramでの告知による直販もしています。スイートコーンは数が限られることもありあっという間に完売してしまいます。直販にあたり「桑原農園」のロゴも友人に制作してもらいました。

人吉球磨の地域おこしの一つとして、お神輿の団体の一つである一心會に所属する若手農家で、ブランド米である一心米の首都圏でのPRを行ったりもしました。一心米は国宝である青井阿蘇神社への奉納米でもあり、人吉市のふるさと納税の返礼品にも選ばれているブランドです。

また、他の地域と同様に人手不足は課題です。あさぎり町の農業支援センターやシルバー人材センターなども積極的に活用していますが、地域での人材ニーズは高まってきており、予約しても確保できない状況となることもあり、ドローンなど先端の機器も活用し作業の効率化を図っています。

これからの挑戦

今ある作物以外の新しい作物に挑戦していきたいと考えています。作ってみたいものはいろいろとありますが、やみくもに手を広げるのではなく、面積当たりの収益性やどの程度手がかかるかなど経営的な視点を持ちながら挑戦する作物の候補を選定したいと思います。

直近では、新たな作物として焼酎用や青果用の唐芋の生産に力を入れており、球磨からいも生産組合が1年程前に立ち上がり私も副組合長として関わっています。まだまだ人吉球磨地域に唐芋と言う印象がないので生産量を増やしブランディングしていくことも課題ですが、その前に、良いものを作らなければいけませんので、品質など生産技術の向上にも熱量を入れています。

新しいことへの挑戦や岡原地区での農家の魅力を再発見できた取材でした。人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみください!


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