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アスリートの世界からアスパラ農家へ挑戦

箱根駅伝への出場経験もあり陸上競技の世界でアスリートとしてキャリアを積み、出身地である球磨郡錦町でアスパラ農家へと転身した元村大地さんに農家になった理由や経緯、農業の魅力などについてお話を伺いました。(2023年11月)



元村大地さんプロフィール

陸上競技の世界から農家へ

高校や大学などで陸上をやっている時には農家になることは考えていませんでした。基本的に両親からはやりたいことをやりなさいと言う考え方で育ててもらったため、農家になるレールを敷かれていたわけではありません。年齢を重ね、地元に帰る度に近隣含め農家が高齢化していく中で担い手不足に課題を感じていました。元々農家に興味があったこと、また、自分自身、家業である農家・農業の収入のお陰で高校・大学と出てアスリートの世界が開けたので恩返しの意味も込めて就農を決めました。

そして、アスパラへの挑戦

就農当初は稼業の作物の手伝いから始めましたが、父からの誘いがきっかけで、阿蘇へアスパラ農家の見学へ行ったところ面白いと感じたことと、また、錦町にはアスパラ農家がないので、ゼロから流行らせたいと思いアスパラに挑戦することを決めました。ただ、地域にノウハウがなく、JAも詳しくなかったのでJAの方と一緒に他地域へ勉強に行ったり自身で調べたりなど試行錯誤の連続でした。

アスパラ自体は価格が変動しにくく、経費もしっかり計算し適切な収穫量が出せれば収益性を確保できる作物と考えていますが、初期投資は相応な金額がかかります。また、収穫まで3年かかりその間無収入となってしまうため、借り入れの必要があります。借りたことがない金額を借入するためリスクは感じましたが、一方で、借入の過程も通じて自分の中でしっかりしたものを作っていこうと改めてのマインドセットの機会にもなりました

アスパラを安定させたら、また新たな作物にも挑戦していきたいと考えていますし、栽培面積も増やし規模を大きくし、法人化もしていきたいと考えています。

農家のワークライフバランス

農作業には忙しい時期とゆっくりできる時期があり、ずっと一年中忙しいのではなく、メリハリがあります。栽培している作物の性質から、忙しい時期は年に1~2か月程度、早朝5時起きで夕方まで作業しているような時期もありますが、反対にそれ以外はゆっくりできており、同じ作物を作る仲間とゴルフや飲み会へ行ったりもできています。また、会社勤務の時と違い、自分で時間や予定のコントロールをすることができるので、子育てや子供とのふれあいの時間も十分に持てています。農業をしっかりとやっていれば、自由でワークライフバランスの取れた働き方ができると思います。

美味しいと喜んでもらえることが農家の喜び

育てたアスパラを家族でのBBQで初めて食べたのですが格別の美味しさでした。獲れたアスパラを知人に配ったりもしていますが、美味しいと言われることにとても喜びを感じます。また、農家同士はお互い農業機械の貸し借りをしたり、繁忙期にお手伝いをしあったりと地域で繋がりを持てることも魅力だと感じます。

農業に興味がある方へ

作物を作ることの面白さはさることながら、家族の時間を大切にできる点も魅力だと感じています。作物が適切に育つよう農業作業さえしっかりやっていれば、農家なので出勤することもなく生活の自由度が高く、ワークライフバランスを保つことができます。また、自分たちで好きな作物を作って食べ簡単に自給自足ができます。野菜等食材が高騰していますが、自分たちで作っていれば価格の影響も受けにくいです。

新しい作物への挑戦やワークライフバランスと言う農家の魅力を再発見できた取材でした。人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみください!


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