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SNSやデザインを活用!こだわりメロンの販売戦略と挑戦

今回は、球磨郡錦町で主にメロンやズッキーニを栽培されている木野竜也さんに情報発信や今後の挑戦などを伺いました。(2024年2月)


木野竜也さんプロフィール

八代工業高校を卒業後、兵庫県の大手メーカーで6年間勤務。
結婚を機に地元に戻り、夫婦で就農。球磨郡錦町で、メロンやズッキーニ、米など(計8町7反)を栽培。高校時代は、柔道で全国大会(インターハイ)への出場経験
メロン農家、リーゼント農家として発信中
X(旧Twitter):https://twitter.com/kinoko0214 
TikTok:https://www.tiktok.com/@mushrooms253 

 柔道との出会いと就農の経緯

小学校6年生の時に柔道を始めました。特段柔道に強い思い入れはありませんでしたが、一回始めたら続けていく性格で、練習に打ち込んでいくうちに、高校生の時には全国大会の熊本県代表に選ばれるまでになりました。高校卒業後、柔道の縁もあり、兵庫県のメーカーに就職し製品の品質管理の仕事をしました。就職先に柔道部もありましたが、非常に高いレベルで実績ある柔道部でしたので、そこには入りませんでした。

6年間そこで働いたのですが、結婚を機に地元に戻り、夫婦で就農しました。父が農家を継がなかったこともあってか、小さい頃から、祖父に農家を継いでほしいと言われていたので、就職する以前からいつかは地元に戻って農業をしたいと考えていました。私の場合は、夫婦一緒に働くことができ、日々の作業を共に分かち合えるのは農家の魅力の一つと感じています。農業は決して楽な仕事ではありませんが、0から自分で計画を立て、実行していく過程はとてもやりがいがあり、他では味わえない経験だと思います。

祖父がやらなかったことを0から計画・実行

まだまだ祖父の元で修行中ではあるものの、中長期的に考えて販路の開拓や農家としての情報発信に力を入れています。

販路の開拓では、これまで祖父は道の駅へ作物を出すことは無かったのですが、私の方でトライしてみました。メロンを出して、県内の他地域の道の駅での価格を調査し価格を調整したり、包装や売り場のデザインを工夫したりとマーケティングを意識することで売上が増えて行きました。また、祖父の代では、古くから北九州の市場にメロンを出荷していましたが、私の方で他の地域の市場への出荷もトライする予定です。

また、X(旧Twitter)やtiktokなどSNSを通じた情報発信に力を入れており、農家の日常を伝えています。

農業においては、視野を広く持ち、さまざまな情報に触れることが大切だと日々感じています。SNSでは、田舎に住んでいると得ることができない意見やリアクションを得ることができます。テレビやラジオだけでなく、さまざま情報源からも積極的に知識を吸収し、取捨選択しながら、自分の農業に活かしています。

メロン栽培やブランディングへのこだわりと工夫

メロン栽培に温泉の水を使用しています。冬場は水道や井戸からの水だと何かと不便な時もありますが、地域に温泉水を買える施設が意外と多く、比較的錦町では昔からメロン栽培に温泉水を使っていると聞いています。温泉の成分には塩分が入っており、本来は作物に良くないと思いますが、少しであれば良い刺激となっているのかもしれません。現在は「肥後グリーン」という品種のメロンを中心に栽培しているのですが、SNS上で「木野」が作っていると言うことで「キノグリーン」として呼ばれるようになり、自分でもその呼称を使うようになりました。肥後グリーン自体が全国的にあまり有名なメロンの品種ではないようなので発信の工夫が必要だと思います。また絵を描くことが昔から好きで、販売するメロンやメロンの箱に貼るステッカーを自分でデザインしています。

今後の挑戦

まずはメロンの生産量を拡大していきたいと考えています。近隣の農家さんからやめてしまう田畑の農地活用の依頼もしばしば来るので、それも活用し規模拡大をしていきます。またメロンの生産量拡大とともに、スイカの栽培にも挑戦しています。スイカは品種が多く、それぞれに異なる特徴があるため、育てるのがとても楽しいです。今は、農法のノウハウが少なく、悪戦苦闘していますが、質の高いスイカを生産することが今の目標です。

どんな出来事も”プラス”に前向きに変換する木野さん特有の思考や今後の販売戦略・メロンのこだわりなどが聞けた面白い取材でした。
人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみに!


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