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20代は農家としての基礎固めを。サッカー少年から就農した城本さんに聞く、スポーツと農業の共通点とは

今回は、球磨郡あさぎり町岡原地区で主にメロンや唐芋を栽培されている若手農家・城本勇希さんに就農の経緯や地域の魅力について伺いました。


城本勇希さんプロフィール

1996年生まれ。サッカー推薦で鹿児島県の出水中央高校へ進学。その後、熊本県立農業大学校を卒業後、あさぎり町岡原地区で就農し6年目。メロン、からいも、米、スイートコーンなどを栽培。

サッカー推薦で高校へ進学、農業大学校をへて就農

「農業をやってほしい、農家を継いでほしい」ということを言う父親ではありませんでした。兄や姉は就職し、私は就農したので、むしろ「勇希が農業を継ぐことになったからまた色々とやらないといけないことが増えた」と父親から冗談混じりに言われたほどです。

サッカー推薦で鹿児島県の出水中央高校へ進学し、その後、熊本県立農業大学校へ行き、卒業して就農しました。兄や姉が農業を継がなかったこともありますが、岡原地区には知り合いの同世代が先んじて就農していたので心理的ハードルも低く、また、実家の家業である農家農業を絶やしたくないと言う思いもあり就農しました。

スポーツと農業の親和性

最初は、慣れないことも多く、自分は農業に向いていないかもしれないなと思う時もありましたが、慣れていくとサッカーをやっていたこともあり、元々体を動かすことは好きだったので、そういった点で今は、農業は自分に合っている仕事だなと実感しています。

周りのスポーツ経験がある人を見ると、負けず嫌いな人が多く、農業でも周りに負けたくないと競争心を燃やしている人が多い印象ですね。スポーツをされていた方はプロ意識が高いので、そのマインドは農業に役立っていると思います。

自分はどちらかというと人に勝つなどの対抗心は少ないタイプですが、自分の立てた目標に向かってやっていくところがスポーツと通じるところがあると考えています

農家としてのやりがい

私の農園は、味にこだわっているので、ブランド価値を感じて買ってもらえたら嬉しいですね。主には農協さんを通じて販売していますが、一部飲食店や卸業者さんの元へも販売しており、良い作物が出来たときや高い収量を出せた時も勿論嬉しいですが、自分で模索して新たな販路や売り先が開拓できた時にも楽しさや遣り甲斐を感じます。

岡原地区の良さ

岡原地区の良い所は、先輩後輩の隔たりが少なく、年齢に関わらずフラットに話せるところです。地域の農家の先輩方が、年下の農家に対しても優しく面倒を見てくれるような雰囲気を作ってくれるお陰でできた関係性だと思うのでとても感謝しています。もちろん人吉球磨自体も農業がやりやすい地域ではありますが、岡原地区は特にその傾向が強いと感じます。また岡原地区は、活発な若手農家が多く、地域全体で協力し合う文化が根付いています。誰かが「これをやろうぜ」と企画し声をかければ、みんなで積極的に協力するところも大きな特徴です。

20代は基礎固めのとき

今は、父親が主体で農園を営んでいますが、今後は自分が引き継いでいきたいという思いがあるので、そのためにも20代のうちに、農法の技術や基礎を仕上げたいです。サッカーでも同じで、基礎練は、地味で大変なことも多いですが、後々中長期的に効果を発揮すると思うので、まずは基礎固めの時期だととらえています。それと並行して収益性が高い販路を見つけ、販路拡大もやっていきたいと思います

スポーツと農業の共通点や岡原地区での農家の魅力を再発見できた取材でした。人吉球磨・農業未来プロジェクトでは引き続き地域の若手農家さんの取材を続けていきます。次回の取材記事もお楽しみください!

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