見出し画像

スタートすれば不幸がくる(リウマチ日記①)

平成20年に入り、国家試験まっしぐらで毎日勉強に追われていた。ふと、右手の親指の痛みに気づく。
勉強のしすぎかな?くらいに思っていた。
一応念のため整形外科を受診。鼻で笑われた。鉛筆を握っている時間が増えたからじゃない?
それくらいの鈍い痛みであったため、医師に言われた言葉を自分に納得させた。
しかし、やはりどうしても気になる。
かかりつけの内科へ相談。大学病院を紹介された。
大学病院を受診すると、全身性エリテマトーデスの可能性があると医師にいわれた。自分の中では、全身性エリテマトーデスの典型的な症状は見られてないのになぜ?という思いが湧いた。悲しいなどの感情はなかった。なのに涙が溢れ出てくるという不思議な現象。しかし、周りから見ると、ショックで悲しんで泣いていると見えたのだろう。看護師が、大丈夫ですかとテッシュをもってきてくれた。そして背中に手を添えてくれたのを覚えている。冷静に大丈夫ですと答えながらも、涙が止まらない。
なぜ涙が出てきているのか理解できないまま、冷静に医師の話を聞いていた自分を覚えている。
ショックで感情すら感じる心の余裕がなかったのだろうか。こういう経験は、今まで生きてきた中で、このときだけだ。
ただ、頭の中では、私の人生終わった。どうやって子供を育てていこう。悲しみより、未来への不安が頭の中を占めていた。
身体が痛みで動けなくなれば、働けない。お金がなくなり、子供に苦労をかける。シングルになり、資格をとって間もない私は、先の事だけが気に掛かっていた。そして、これからというスタートの時に、こうやって不幸がくるんだと、他人事のように感じている自分がいた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?