天国

ハンブレッダーズの天国という曲が本当に大好きで、歌詞だけで選ぶなら世界でいちばん好きな曲かもしれないな、と聴く度に思っている。この曲に出てくる「僕」は本当に好きな人そのものみたいで、きみがこの曲を聴くときには私のことを思い浮かべてくれたら嬉しいなと思う。

好きな人とは付き合ってもうすぐ1年になる。
気付けば至る所に好きな人の影響を受けていて、そんな自分がたまにすごく嫌になる。きみの好きなバンドは、いつしか私の好きなバンドになった。悔しくて仕方ない。だけど好きなものが増えることは決して悪いことではなくて、間違いなく私の人生は豊かになっている。

長く一緒にいれば、悪いところも見えてくるもので、私はきみが優しいだけではないことを知ったし、現実がどれだけ厳しいかも知った。好きな気持ちだけではどうにもならないことにぶつかったりもしたけど、私たちはまだ同じ気持ちでいることができている。

恋愛に限った話ではないけれど、生きていくというのは本当に選択の連続だと思い知らされる。私の選択は、他人には間違っていると思われるかもしれないし、私自身も不安になることがある。だけど、自分で選んだことには責任を持ちたいし、胸を張っていたいと思う。どうしようもなくなって勝手に涙が出てくるときもあるけど、それでもいつか涙は止まるし、私はひとりでも立ち直ることができる。きっとひとりでも生きていけるんだろうし、ひとりでいたらこんなに泣くこともないんだと思うよ。それでもきみと過ごす日々を知ってしまったから、私はきみとの日々を選んだわけで、この選択は私にとって正しいものだったと心の底から思ってる。

銀色夏生さんの言葉に「私たち二人の関係が私たち二人にしかわからない理由でずっと続いていきますように」というものがあって、私はこの言葉に出会ったときに衝撃を受けたし、救われた気がした。私ときみが一緒にいる理由なんて、本当にさ、私ときみだけがわかってればいいんだなって思うよ。もう別に、誰にも分かってもらえなくてもいいから。
あのね、例えばきみのことを、神様が許さなかったとしても、私は許したいって思ったんだよ。その理由も、私ときみだけが知ってたらいいと思うんだ。

運命なんてないと思ってるけど、あの日あの場所でスターフィッシュが流れたこと、運命以外なんて表現したらいいんだろうね。会えないと思ってたのに、きみの誕生日が終わるギリギリ1分前に会えたことだって、これって運命って言ってもいいんじゃないかな、って思うこともあるよ。「偶然」の一言で片付けられることだけど、それだけで終わらせてしまうのは何だか寂しく感じてしまうときもあってさ。そんな日には一緒に、きっと運命だね、って笑ってね。

ねえ、変わっていくものだらけだけどさ、変わらないものも確かにあるってこと、私はきみに証明してみせるから、きみも私に証明してみせてよ。

そしていつか、「一生なんてくだらない夜の連続だったね」って、きみの隣で言えますように。

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