未完成の感性

未完成の感性

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DAY DREAM BEAT

私にとって、いちばん大切な曲の話をします。 何を見ても、何を聞いても、あのころの私には本当に何も響いてこなかった。何のために生きているのかをいつも自分に問いかけて、そして生きている意味なんてないといつも自分で結論づけていた。毎日、朝が来る度に、今日こそ全てを終わらせようと思っていた。私の毎日は、いつだってこんなにも暗い気持ちで始まっていた。本当に、全部が苦しかった。生きるという行為をすればするほど、自分が独りだということを突きつけられた。生きる意味なんてどこにもなかった。探

    • 居場所

      世界で一番好きなバンドが、大阪城ホールを埋めた。私はこの日のことを一生忘れない。 DAY DREAM BEATでハンブレッダーズを知って、好きになった。絶対に私の曲だと思ったし今でも思っている。どこの歌詞を切り取っても、私のことを歌ってくれていると思える。COLORSは、私が人生で初めて買ったCDだった。学校生活のことで毎日苦しかった私は、「下向きでもオッケー オールライト」で始まるこの曲に何度も救われた。COLORSについてきたシリアルで初めてライブに応募した。外れたけど

      • 天国

        ハンブレッダーズの天国という曲が本当に大好きで、歌詞だけで選ぶなら世界でいちばん好きな曲かもしれないな、と聴く度に思っている。この曲に出てくる「僕」は本当に好きな人そのものみたいで、きみがこの曲を聴くときには私のことを思い浮かべてくれたら嬉しいなと思う。 好きな人とは付き合ってもうすぐ1年になる。 気付けば至る所に好きな人の影響を受けていて、そんな自分がたまにすごく嫌になる。きみの好きなバンドは、いつしか私の好きなバンドになった。悔しくて仕方ない。だけど好きなものが増えるこ

        • 呪い

          好きなものを教えてもらうという行為は、ある種の呪いだと思う。私はこれから先、きみが好きだと言ったバンドの曲を聴く度に、きみのことを思い出してしまうんだろうな。私の耳に開いた穴のひとつは、きみが開けたもので、私の体には一生消えないきみのしるしが残ってしまった。 私は今でもずっと、きみとの出会いが果たして正しかったのかを考え込んでしまうよ。私はきみに出会って弱くなった。だけどきっと強くもなれたと思うんだ。結局答えなんて出るわけがなくて、そして私はきみとの出会いを何とか正当化したく

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        DAY DREAM BEAT

          下書き供養

          私は、人は裏切るものだと思っているから、友達だったり家族だったり、恋人のことは信用してない。心のどこかでいつも疑ってるし、いつだって1人になる覚悟はできてる。絶対も永遠もないってこと、しつこいくらいに分からされてきたから。だけど唯一、大好きなバンドのことだけは無条件に信用してる。なんなら私は、彼らになら裏切られても構わないと思ってる。きっと、いや、絶対、そうなっても許せちゃう。盲目?ごめんね。 夜の散歩がたまらなく好きだ。爆音の音楽を耳に閉じこめて、月明かりに照らされながら

          下書き供養

          記録

          生きていると、常に選択を迫られる。出会わないほうがよかったのかと自問自答する夜は、私が望んでいなくても勝手にやってくる。どこにも答えがない問は、この世の中にたくさん存在していて、そんなものに使う時間はないはずなのに、私はそんなものにいちばん時間を使ってしまっている気がする。誰かに無駄だと言われるものが、私にとっては捨てられないものだったりするから。 私はさ、この出会いを後悔したくないんだよ。行き着く先がどんなふうだったとしても、出会えてよかったと思っていたいの。 別れを受け

          記録

          免疫

          私の思いが、私の全てが、いつかの未来で報われますように。 自分自身のことを「人間は」という大きな主語で話し始めるのは逃げなんだろうな、と最近思う。これから話すことは、私自身のことであるけれど、私以外のみんなもきっとそうでしょ?と問いかけたいことだ。 人間は、いつだって自分の選択を正当化することに必死になっている。いつか「あの失敗があったから」と言って成功を語るために、戻れない過去ではなく訪れる未来を見るために、苦しくても辛くても、ただ今を生きるしかない。もう一度言うけれど、

          免疫

          下書き供養

          人と比べずに生きるって、私にはできないから、人と比べても負けないと断言できるものを持っていることが大切なんだと思ってる。確かに私より素敵な言葉を綴る人は沢山いるけど、私にしか表現できないことだってあると思ってるよ。自画自賛って悪いことなの?謙虚なことが美徳だなんて、馬鹿らしいと思っちゃうな。 なんだか気持ちが晴れなくて、そんな私の心に呼応するように最近の空模様は曇りか雨ばっかり。梅雨が明けたってあのニュースは嘘だったの?目的もなく電車に乗って、終点の駅で降りた。「ご乗車お疲

          下書き供養

          未定

          両想いじゃないと成立しないの、恋人だけじゃなくて友達もだよね。誰かの1番になりたいと思いつつ、誰のことも1番だと思えない。そりゃあ私はナンバーワンにもオンリーワンにもなれないわけだ。でも不思議とその事実を悲観的に捉えていない自分がいる。「一番」にも「唯一」にもこだわらなくなったのはいつからだっけ。これが良いことなのか悪いことなのかも分からないや。 「今」しか見えないから仕方ないけど、みんな今で判断しすぎだし区別しすぎ。誰にだって過去はあるからね。って言いつつ私も、他人の過去を

          未定

          下書き供養

          夏、全然好きじゃないけど、夏の曲は好きなのばっか。だからなんか悔しいけど、夏の気配がするとウキウキしちゃう。夏曲のプレイリストなんか組んじゃって、私しっかり浮かれてる。だけど夏のことなんて好きじゃないからね、ほんとだよ。暑いし汗ダラダラになるし、彼を想って気合を入れたメイクだって台無し。でもそんな時だってイヤホンから大好きな曲たちが流れたら自然と口角上がっちゃうんだもんね。そりゃあ「ほんとは夏好きなんでしょ?」って疑われても仕方ないか。 みーんなキラキラしたストーリーばっか

          下書き供養

          無糖

          バイト先の喫茶店で初めて飲んだブラックコーヒーは苦くて、とてもじゃないけど美味しいなんて思えなくて。自分がまだ子供であることを突きつけられた気がした。 愛すべきド田舎を離れてもう2ヶ月が過ぎた。知らない土地に降り立った2ヶ月前、私の中には不安しかなかった。初めての大学生活も、初めてのバイトも、初めての一人暮らしも、全部全部不安で怖くて、でもその不安は目には見えなくて。形のない、可視化できない不安はどんどん私を臆病にさせた。だけど今、毎日が楽しくて仕方ないと思っている私がいる

          無糖

          卒業

          卒業した。卒業できた。私、生きてた。死ぬ気で勉強して入った憧れの高校は、蓋を開けてみればこれっぽっちも輝いてなかった。寝る間も惜しんで勉強してたあの頃の私にこの事実を告げたら、あの頃の私はどうするんだろう。きっと信じないんだろうな。自分に都合が悪いことなんて信じずに、キラキラした毎日を夢見て勉強するんだろうな。 ゴミみたいな高校生活、苦しくて辛くて、何度も逃げようとしたし、実際逃げたこともあった。それでも私、辞めはしなかったんだよ。学校も、生きることも。そんなの当たり前だって

          卒業

          『colors』

          僕には言葉が見えない。 僕が生まれた時には、人が放つ言葉が目に見えるようになっていた。細かく言うと、言葉が色彩として目に入ってくるのだ。十人十色と言うように、同じ言葉を発しても人によってその言葉につく色は微妙に違う。しかも、自分の感情もちゃんと色になって現れてしまうから、例えば皮肉を言ったり、同情をしたりしても分かってしまうわけだ。隠し事がしにくいのは、便利であり不便でもある。どの色がどんな意味を持つのかは科学者やら研究者やらがすぐにリストアップしてまとめあげたらしい。尤も

          『colors』

          ラブレター

          私、今が楽しくて仕方ない。1年前の自分に言っても、きっと信じないんだろうな。たった1年で、たった数ヶ月で、私の人生がこんなに変わるなんて思ってなかった。死にたいと生きたいの狭間をずっとさまよってたあの頃、生きてるのに死んでたあの頃。今もしも、あの頃の私に会えたら「生きててよかったよ」って伝えるんだ。もう、私の進む道は暗くないよ。私の光になってくれた大好きなバンドへ、等身大の愛の言葉を送ります。 忘れもしない、私が初めて、ライブハウスで夜を過ごした日。逃げてきた私を受け入れて

          ラブレター

          必然

          気付いたらもう18歳。高校3年生になった。高校生というのは、不安定で不透明で、何も綺麗なものではなかった。中学の頃夢見ていた高校生に、私はなれているのだろうか。 私の中学校生活は本当に狭いコミュニティの中で形成されていたことを知ったのは高校生になってからだった。一気に広がった世界が、私は怖かった。歯車が狂い始めたのはいつだっただろう。友達Aと友達B、両方を失いたくなくて試行錯誤した私は、いつの間にか独りになっていた。ひとりでいることは平気だったけど、ひとりでいる自分を見られる

          必然

          古傷

          部屋の掃除をしてたら、見ないようにしてたものを見つけてしまった。私をあの頃の感情に引き戻すものたち。大切で忘れたくないけど、忘れないといけない記憶。だけどどうせ見てしまったんだからもういいか、と思ってここに記すことを決めました。綺麗に飾った言葉で、大好きだった人へのnoteを公開したのは今年の四月だった。あの人との日々を余所行きの文章で終わらせておきたくなくて、汚くて拙いとは思うけど、ちゃんと私のための言葉で書いておこうと思った。あの頃の私の行動が正しいなんて思ってない。だけ

          古傷