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ペイパル創業者『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家の野望」』

 こんにちは、リードプロジェクトの藤原です。
 今回はペイパルの共同創業者であり、フェイスブック初の外部投資家としても有名なピーター・ティールのこれまでについて書かれた『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家の野望」』について紹介したいと思います。


注意点

 本に書かれていることはすべてが正しいわけではなく、受け入れがたいものや理解が難しいものもあります。
 それでも1冊の本から役に立つ教訓を1つでも見つけられたなら、読者様の人生にとってプラスになるのではないでしょうか。

挫折からのペイパル創業

 1967年10月11日に西ドイツのフランクフルトで出生したティールは米国、アフリカと移住した後に、9歳の頃にまた米国へと移住します。学校ではいい成績を取ることに集中していたこともあり、大学受験ではハーバード大学を含む出願したすべての大学から合格通知を受け取ります。ハーバード大学での苛烈な競争を嫌ったピーターは両親の家から近いスタンフォード大学を選びました。専攻は哲学でしたが1989年に学部を卒業するとスタンフォード・ロースクールに進学、1992年に法務博士号を取得します。
 1992年から1年間はアトランタにある連邦控訴裁判所で事務官として働いていました。そこで有名な判事から連邦最高裁判所の面接を受けてみないかと誘われます。あらゆる競争に勝ち続けてきたティールは面接で合格を確信しますが、結果は不合格。とんでもないショックが襲い掛かります。1993年には大手法律事務所に移りますが、勤務時間が週80時間と長すぎたため人生の危機を感じ、「7か月と3日」で退職しました。
 ティールはこのときのことを思い出し、学生たちにこう助言しています。

 「完全に打ちのめされるような失敗をしたとしても、それがどうしたと言いたい。もっとやりがいのある道はいつだって見つけられるんですから」

『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家の野望」』

 1993年から1996年までニューヨークの投資銀行クレディ・スイスでデリバティブ・ディーラーとして働いたティールは、ここでも熾烈な競争を味わうことになります。投資銀行を退職後、自らのヘッジファンドを立ち上げるなどしたのち、マックス・レフチン、ケン・ハワリー、ルーク・ノゼックとコンフィニティを創業しました。
 天才的なソフトウェア開発者であるマックス・レフチンはもともとデータ暗号化ソフトの会社を立ち上げたいと考えていました。そのアイデアを聞いたティールは、データの暗号化技術に需要があるのは「送金」だと思いつき、電子決済市場に目をつけます。無料のユーザー登録さえすればウェブサイト上で利用できる送金サイトを作成し、ペイパル以外のユーザーにも送金が可能としました。
 特に画期的だったのはマーケティング戦略です。クレジットカードを登録したユーザーに一律10ドルをキャッシュバックしたうえに、「友達を招待」するだけでも10ドルがプレゼントされました。このマーケティングが功を奏し、1999年10月に「ペイパル」という銘柄で正式にスタートしてからわずか数か月でユーザー数が100万人を突破したのです。

スタートアップを成功に導く10のルール

 ペイパルを有力なオンライン決済サービスにしたティールは、2002年にインターネットオークション大手のeBayによる買収に合意します。金額規模は15億ドルでした。そんなピーター・ティールですが、2015年に行われたインタビューでスタートアップを成功に導くための10のルールについて述べています。

1 きみは自分の人生の起業家である
2 一つのことを、他の人を寄せ付けないほどうまくやろう
3 きみの人生と会社に、自分と結びつきのある人を的確に配置しよう。互いに補い合える相手と組もう
4 独占をめざそう。競争からはさっさと身を引き、他社との競合を避けよう
5 フェイク起業家になるな。
6 ステータスや評判だけを基準に評価するな。ステータスに惑わされて下した決定は長続きせず、価値がない
7 競争は負け犬がするもの。まわりの人間を倒すことに夢中になってしまうと、もっと価値があるものを求める長期的な視野が失われてしまう
8 「トレンド」は過大評価されがちだ。最新ホットトレンドに飛びついてはならない
9 過去に執着するな。なぜ失敗したのかすばやく分析し、あとは前を見て、方向を修正していこう
10 成功に通じる秘密の道を探そう。その他大勢がすることを真似してはいけない

『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家の野望」』

 このルールを読めば一目瞭然ですが、ティールは競争を避けるようにアドバイスしています。レッドオーシャンとは競争が激化していて利益があまり出ない状態のことをいいますが、競争を避けるにはこのレッドオーシャンを避けるか、その市場において特別になる必要があります。競争し続けてきたピーター・ティールだからこそ、競争しないことの重要性を伝えたかったのでしょう。

最後に

 『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家の野望」』では他にも「ペイパル黎明期の起業・経営戦略」など、著名起業家・投資家としてのピーター・ティールを深く知れる内容となっています。気になった方は読んでみてはいかかでしょうか。

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