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笑顔を測る、ということについて

今朝テレビをつけたら、働く社員の笑顔度をAIが判定して、社員のメンタルヘルス管理などに役立てようというニュースがやっていた。

職場内の活性化にもつながる、ということで比較的ポジティブな報道がされていたのだけれど、これを見ながらちょっと考えてしまった。

作り笑いでも、笑顔を作った方が幸福度は高まるという研究結果もあるらしいので、あながち「笑う」ということの効用を認めた上で、それを社員の健康管理にも役立てようという試みには理解できるところもある。

ただ、それがAIによって自動的に点数化され、点数の低い人には面談も行われるという仕組みになっているとの報道を見て、少しぎょっとしてしまったのだ。

別に不満もなく、健康上も問題ない。だけれど昔から人前で笑顔を作るのは苦手で、といった人は少なからずいるのではないか。

こういう人達が、PCモニターの前に座って、無理やりにでも笑顔を作らなければならないのだとすると、一体何のための健康管理なのか分からなくなってくる。

ここには、これまで人によって何となく行われていた、社員との関わりをAIによって肩代わりさせ、より効率的に生産性を上げていくという企業側の論理も見え隠れする。

勿論、開発者側にはそこまでの意図はなく、あくまで社員の健康管理と社内活性化に役立てばいい、という純粋な思いで作られたのだとは思う。

ただ、本来であれば自然に生まれるはずの「笑顔」が、管理された「笑顔」になってしまうことの気持ち悪さを素直に感じてしまったのだ。

社員の様子を見て、元気がなければ、ちょっと声をかけてあげる。たまには冗談を言って笑かしてみる。そんな昭和な光景が見られなくなってしまう前に、漫才でも見て、少しでも「笑い」のセンスを磨こうかな。

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