キダッチ

読書、自然、美味しい物を食べること。 知的好奇心が旺盛な人、自分を向上させることに意欲…

キダッチ

読書、自然、美味しい物を食べること。 知的好奇心が旺盛な人、自分を向上させることに意欲のある人、自分とは違った価値観や視点を持った人と出会えることが喜び。 仕事の関係で数年前に神奈川県から鳥取県に移住中。鳥取県内の面白いスポットを巡ることも大好き。

マガジン

  • 私の読書遍歴

  • 小さな県のとっておきスイーツ

  • 小さな県から見た世界

    日本で最も人口の少ない鳥取県に住みながら気づいた地方の暮らしや思い。日々つれづれに綴っています。

  • 小さな県のとっておきグルメ

    鳥取県で出会ったおススメしたいお店や食事の情報をご案内します。

  • 問いログ

    日々の生活や仕事の中で気づいた、自分なりの「問い」を集めてみました。

最近の記事

夢の底にあるもの

あまりにもリアルな夢を見てしまった時、それが現実なのか、夢なのか分からなくなる時がある。 夢が人為的に作られるようになった世界では、そんな感覚が日常となるのかもしれない。 夢から覚めたらまた夢だった、なんていうことも起こり得る。 では、夢の夢の夢のさらにその先の夢とは一体どんな世界になるのか。 夢とは、人間の潜在意識化にある記憶が再生されたものである、といった説もあるが、マトリョーショカ人形のように夢の層をめくっていった先に、最後に残るものは、どういった記憶になるのだろう。

    • 人類学的思考で観るということ

      人類学というと、どうも日常や仕事からは遠く、ましてやビジネスとはあまり関係がないものと思っていた。 ジリアン・テッドによる「アンソロ・ビジョン」(アンソロとはアンソロポロジー(人類学)の略)はそんな認識や前提を覆してくれる。 今やマイクロソフトやBPなど、多くのグローバル企業において人類学的思考が取り入れられているとのこと。 これには本書で触れられている点も含めて、大きく3つ理由があると考えられる。 1.顧客の変化 2.働き手の変化 3・社会の変化 1.顧客の変化

      • 行為と環境から変えてみる

        ラベリングという癖部下や仲間、そして家族など、自分の周りにいる人との関わりの中で、時として「何でこの人はこうなんだろう」とか、「もう少し何とかならないのかなぁ」と思うことがある。 いや、しょちゅうそんなことばかりなのかもしれないけれど、往々にして、そうした時、その人の性格や気質のせいにしてしまうことがある。 自分自身に対してもそうかもしれない。 あの人はこういう性格だから、自分はこういうキャラだから、とか、勝手に自分自身や他人をラベリングしてしまう。 でも、性格や気質で

        • 観ることから始まる

          観えているようで実はちゃんと観えていない。 世の中のことも、人の振舞いも、そして自分自身も。 ではそうした観察する力はどのように身に付けることができるのか。そしてそもそも観察するという行為とはどのようなものなのか。 「観察力の鍛え方」(佐渡嶋康平 著)にはそのヒントがたくさん詰まっている。 佐渡嶋氏は、「宇宙兄弟」や「マチネの終わり」などのヒット作を続々と生み出してきたトップクリエイターの一人。 帯に魅かれて衝動買いしてしまったところもあるが、単なるノウハウ本とは一線

        夢の底にあるもの

        マガジン

        • 私の読書遍歴
          70本
        • 小さな県のとっておきスイーツ
          15本
        • 小さな県から見た世界
          27本
        • 小さな県のとっておきグルメ
          17本
        • 問いログ
          15本
        • 小さな詩
          4本

        記事

          図書館が存在する意味とは

          図書館は誰のために何のために存在するのか。 フレデリック・ワイズマン監督による「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」には、そのことについて考えるヒントがたくさん詰まっている。 といったメッセージが映画を通して語られる。 特にニューヨーク公共図書館には、ションバーク黒人文化研究センターという、黒人の歴史に関する専門的な研究を蓄積した施設も有しいることが特徴的だ。 人種の坩堝の象徴ともいえるニューヨーク市において、黒人差別の問題は未だに根深いようだ。 黒人差別の背

          図書館が存在する意味とは

          仮説明思考を磨く読書

          何事も仮説を持った上で行動するか否かが行動の質を左右する。 以前にフォトリーディングの研修を受けた時にも似たようなことを教わった記憶があるのだけれど、編集工学研究所により纏められた「探求型読書」を 読んで改めて「仮説を持った上で読書に臨む」ことの重要性を思った。 本を読み始める前に、 「そもそも何で自分はこの本を選び、読もうとしているのか」 「本を読んだ結果何を得たいと思っているのか」 「著者の考えやスタイルは何で、内容はざっくりとどんな内容か」 といったことを予め考えた上

          仮説明思考を磨く読書

          制約から生まれる果実

          人や資金や時間など、リソースが豊富にあればイノベーションは起こせるか、というと実際そんなことはない。むしろリソースが制約されているからこそイノベーティブな発想が生まれる。 直観的には何となく理解できるこの考え方。でも実際には制約条件がきつ過ぎると、そもそも発想する余裕が生まれなくなるのでは? と思ったりもするが、問いの立て方、視点の立て方を工夫するだけで、今の仕事、ビジネスにちょっとした変化を起こしていくことは可能かもしれない。 このブログ記事では、サウスウェスト航空や

          制約から生まれる果実

          セルフマネジメントを見える化する

          何事も「中庸」が大事とは昔から言われるが、この考えは古代ギリシャの哲学者、アリストテレスが唱えたものらしい。 「ニコマコス倫理学」という本にその考えが纏められているのだけれど、その本の中で「中庸」に関する考えは、9つの徳として整理されている。 その徳とは、 勇敢、節制、寛厚、豪華、矜持、穏和、真実、親愛、機知 そしてこれに「正義・応報」を加えて10徳となるらしい。 例えば、「勇敢」という項目について見ると、それが行き過ぎた場合、「無謀」となる。逆に少なすぎる場合には

          セルフマネジメントを見える化する

          知の進化を俯瞰するギリシャ・ローマ史

          アメリカのコロンビア大学で学ばれた中村聡一さんという方が書かれた「教養としてのギリシャ・ローマ」(東洋経済新報社)を読んだ。 ヨーロッパ文明がギリシャのクレタ島で起こったのが紀元前2000年頃。 そこからローマに至るまでの歴史を、ホメロスやヘロドトス、トゥキディデスといった叙述家、歴史家達の著書や、プラトン、アリストレスといった哲人達の主要な古典を元に紐解いていく。 各古典を読む際の歴史的背景や要点がクリアに整理されていて、なぜこの時代にこういう思想が生まれてきたのか、

          知の進化を俯瞰するギリシャ・ローマ史

          パフェの魔力

          夏といえばパフェ、そしてそれをスマホで撮る女子達、という構図が思い浮かんでしまうのはステレオタイプでしょうか。 それを横目で見ながら、年甲斐もなく羨ましく思ってしまう。 学生時代の時に通っていたお店で、特大パフェなるものがあって、みんなでよく食べていたことがあったけど、社会人になってからはついぞ遠ざかっていた。 そして先日入ったお店で目に飛び込んできたメニュー。 「季節限定 梨のパフェ」 今自分の住んでいる鳥取は20世紀梨で知られる梨の産地。 これは食べないわけに

          パフェの魔力

          笑いながらリアリストであること

          テルマエ・ロマエの作者、ヤマザキ・マリさんのエッセー「たちどまって考える」を読んだ。 この人の文体と、生活に根差した考え方が好きで、前から新聞に寄稿されていてたエッセーなどは読んでいたのだけれど、纏まった形で読んだのは初めてだ。 何となくブレディ・ミカコさんにも近いものを感じてしまうのは、二人とも海外と日本を相対的に見ていて、あくまでも生活者目線で社会のことを捉えているからかもしれない。 本書は、イタリアと日本におけるコロナ対策の違いや、それを通してみる文化的、思想的背

          笑いながらリアリストであること

          住民参加とは何なのか?

          行政が考える施策の中で、”住民参加”というフレーズをよく聞く。 これは、特に「ハコモノ」を建てたりする場合、大きな税金を投入して行われる公共事業について、特に使われることが多いと思う。 これは少し穿った見方をすると、「行政が勝手に建てた」と住民から言われないためのエクスキューズともとれる。 これまで行政がこしらえてきた「ハコモノ」には、地方創生関連で建てられたものも含めて、「何でこんなもの建ててるの?」と首をかしげたくなるものもあるので、住民からそういう声が出るのも分か

          住民参加とは何なのか?

          NPOの活動成果を可視化する

          The Chronicle of Philanthropyという、米国の非営利セクター業界の活動を取材、調査レポート等を発表しているウェブサイトで、興味深い記事を見つけた。"Most Nonprofits Are Highly Effective. Check the Data."(”多くのNPOは高い成果を上げている。”)というもの。 NPOの活動は、基本的に社会のために良いことを行っている団体として、日本でも徐々に認知され始めてきていると思う。 ただ、情報公開が十分に

          NPOの活動成果を可視化する

          分かり方を変えて、伝え方を変える

          人はどうやって物事を分かるのか、人が「分かる」といえるためにはどういう要件が必要となるのか、「分かりにくい」ものを「分かりやすく伝えるにはどうすればいいのか」 神経科学や高次機能障害を研究されている山鳥重教授による「わかる」とはどういうことか(ちくま新書)を読みながら、そんなことを考えた。 本書によれば、人の心の働きというものは「感情」と「思考」の大きく二つに分かれるが、この「思考」というものは「心象」というものを相手にしている。この「心象」というものを上手に捉えられるか

          分かり方を変えて、伝え方を変える

          わらしべ長者的に仕事をつくる

          以前にNHKでやっていた番組で、スタンフォードのD-schoolの人が教えるデザインシンキングの授業が特集されているのを見た。 番組の中では、確か1本のクリップを”元手”にして、そのクリップを他の物と交換していくという仕立てになっていたと思う。 この中で参加者は、クリップという誰しもが手にするような簡易でありふれた物から、価値を転換させたり、意味づけを行ったりすることで、より価値の大きなものに代えたり、物そのものを増やしていくといったことを経験する。つまり「わらしべ長者的

          わらしべ長者的に仕事をつくる

          弦楽のための3楽章「トリプティーク」

          週末に行ったある市民オーケストラによるコンサートで、芥川也寸志が作曲した、弦楽のための3楽章「トリプティーク」を初めて聴いた。 お祭りを想起させるようなリズムをはじめ、日本特有の空気感を持っているような音楽だ。そのせいか、何か自分の中に眠っている懐かしい気持ちを呼び起こしてくれるような感じがした。 芥川也寸志は、作家、芥川龍之介の三男として生まれ、父が遺してくれたレストラビンスキーのレコードをよく聴いていたそうだ。 曲調はいかにも現代音楽的であり、確かにストラビンスキー

          弦楽のための3楽章「トリプティーク」