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空き家リノベの5ステップ

昨日は、鳥取市内で空き店舗をリノベーションを手掛けられた方のお話を聞いた。ゲストは”まるにわ”という団体代表の齋藤さん、設計士の谷口さんのお二人。

”まるにわ”では、つい最近マーチングビルという形で市内にあった旧松木ビルをリノベーションされていて、今回は、そのリノベーションに至るまでのストーリーを伺った。私なりにその話を整理してみたい。

1.ゆるい関わりを持つ

今回対象となった物件は5階建てで、物件の規模としてはそれなりに結構大きい。いきなり設計を始めるのではなく、まずはその物件がどういう環境の中にあるのか、その中に使えそうな資源は何かといったことを探ってみる。そのために、まだ何もない空間の中で飲み会をやってみたり、仏壇の残っている居間で寝てみたり、といったことをやって、場に馴染む、場を使う、場を触り始めるということをやられていたようだ。

2.チームをつくる

今回リノベーションを手掛けられたのは、銀行マン、NPO代表者、設計士、デザイナー、塗装屋の5人。業種業態の異なるメンバーが、それぞれ本業の傍ら関わって実現させたプロジェクトだ。

私もこのメンバーにお会いしてお話をしたことがあるが、お互いにとっても仲が良さそうに見える。きっと裏では意見対立など、いろいろなプロセスもあったのだと思うが、業種が異なるメンバーの、それぞれの持ち味が発揮された良い座組を作っていたのだろう。このチーム編成が結構鍵となりそうだ。

3.勉強会、イベントを開く

空き店舗を単にリノベしてお仕舞、というのではなく、その建物の周辺にある人の理解、協力を得るために、様々な勉強会やイベントを開催する。その建物の通りは、民芸館通りと呼ばれていて、民芸に因む建物や料理屋さんが立地している。このことから、「民芸」について学ぶ会を開いてみたり、建物でビアパブをやってみたりと、周辺情報に纏わる関わりを増やしていった。

4.事業計画作成、資金調達

当初、その建物をリノベするには、約8,000万円もの経費がかかると試算されたそうだ。当初彼らが立てていた予算は1,500万。「全然足らへんやんかー」というわけで、削りに削って、最終的には約3,000万くらいまでに落としていったそうだが、このプロセスも非常に大変だったようだ。今回、商業ビルとして活用されていた松木ビルを、シェアハウス等ができる建物に改修が行われたのだが、用途変更という手続きが必要になり、この辺りも難所だったそうだ。最終的には、銀行等からの融資を受け、資金調達をされた。

5.設計・施工

今回、設計の部分でメンバーに設計士がいたことは大きかったようだが、施工はプロの手を借りて施工が行われた。ただ、できるところは自分達の手でやろうということで、メンバーや関係する人達の協力を得て、出来上がっていったそうだ。

まとめ

私の中で印象に残ったのは、最初の3ステップ。普通は4と5しかやらないのだろうけど、やはり前半のステップがあることで、場所としての継続性にも繋がってくるのだろう。この辺り、再現性をどう作っていくかが今後の課題となりそうだが、だからこそ今後の取り組みが楽しみだ。

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