地域で小さな経済を回していくために何が必要なのか

地域内消費を増やす、地産地消の重要性は以前から言われているが、国が開発したRESAS(地域経済分析システム)を使ってざっと見る限りでも、域内循環を実現できているところは全国でも非常に限られている。

もう何年もの間、地方は都市部に人も資源も取られる一方、地方交付税という形で再分配を受ける、という大きな構造は変わっていない。

最近では、「ふるさと納税」がそうしたお金の流れに一石を投じる仕組みとして注目が集まっているが、域内循環率を高めていくという意味からすると、効果は限定的だろう。

また、今の税制の仕組みでは、地方は稼げば稼ぐほど交付税を減らされるという構造になっており、自ら稼ぐインセンティブをそがれる形となっている。

こうした構造を設計した人達は一体誰なのか、陰謀論的な話はさておき、このような構造の中で、地域内でいかにしてお金を回していくことができるのか、少し考えてみたい。

よく言われるのは「小さな経済」を回すということ。つまり地域にある資源を使って、加工したり、付加価値をつけるなどして、物として多量にあるわけではないが、一定程度顧客がつ商材を使ってお金を回していこうという取り組みだ。地方にいくとよく革細工のちょっと素敵な物や、地元で採れた物を使ったカフェや料理店などがあげられるだろう。

こうした取り組みは、個々の商店や団体、あるいは個人の想いから始められていることが多く、一つ一つの取り組みはとても素敵で、個人的にはとても共感するものも多いのだが、では地域全体として果たしてどれだけのインパクトが出ているのか、といったことまで捕捉したり、それを仕組み化できている地域はまだ少ないと思う。

日本では、中間支援組織という団体が全国各地の自治体にほぼ1件以上は存在している。主党政権時代に「新しい公共」という施策が打ち出されたタイミングで、こうした組織も一挙に増えたと言われているが、このような中間支援組織がうまく機能していけば、上記のような資金循環を適切に把握し、改善策を打ち出す、つまりPDCAを回すことに繋がっていくのではないか。

実際に、こうした取り組みで注目しているのは、「岡山NPOセンター」や「京都地域創造基金」だ。

行政だけでは困難な、住民目線での地域課題の把握や、それに対応する仕組みづくりなど、活発な取り組みが行われている。

既に欧米ではこうした民間ベースの取り組みがパブリックセクターを補完するような役割を果たしているケースも多いと聞く。

今後地方における資金循環を促進していく装置として、中間支援組織の役割や機能について改めて調べてみたい。

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