見出し画像

黒字化間近‼*私の経営~海外ビジネス~

今期、第2クオーターの始まりの5月には早くも今期の予算達成が見えてきた。

これは正直、予想外であった。

年初の予想では、今期は50%位の赤字決算予想だったからだ。それが、黒字化目前まで既に固まってきた。

これだと、今期中の黒字化も可能性はある数字だ。


私がホーチミンに赴任した2018年4月当初は、本当に酷い状態の会社であった。

手ぶらで戦場にぶち込まれたような気分であった。

① 事業を回す金がない。(給料払えない)

② リソースが無い

③ 売るもの(サービス)が何も無い

④ クライアントが全く無い

⑤ サプライヤーとの繋がりも無い

⑥ 前任者の大失態の尻ぬぐいが半端ない

⑦ 東南アジア統括拠点の代表が何もしない

これで一体何をしろって言うんだ。。。撤退すべきだろ

と本気で思ったし、非常に腹立たしかった。


企業が東南アジアに展開する時に、一番多いパターンは製造業で現地生産だろう。そして、IT系企業が上場して上場益で一気に東南アジアに拠点を出す。といった形態だ。

あまり知られていないが、海外展開しているIT企業は大半が赤字である。

いづれにせよ、企業として❝作るのも❞や❝売るもの❞があっての話である。

それが、大根だって良いし、アプリだって良い。売るもんがなきゃ作るまでの時間とコストが出ていくだけなのだ。


たとえば、LINEPAYをベトナム市場に普及させるとしたら

1、サービスローンチまでの法規制を調査

2、競合調査

3、システム開発取り組み

4、プロモーション予算策定

5、ユーザーの獲得推移予想

6、加盟店営業のKPIを策定

という具合に、サービスがあって市場が決まれば事業計画自体は簡単に作れる。

だが、サービスも無ければ事業計画も無い、何もないで海外でビジネスをするのはバカとしか言いようがない。

日系企業の海外展開では、ランニングコストが比較的安い東南アジアにおいて、一度の投資規模が欧米等の先進国に比べて低い為、仮に撤退となっても本社の存続に関わるようなダメージにはならない為、意識的にどうしても甘えが出たり、準備不足や現地調査不足により計画が回らない企業が多く、最終的に3年前後で撤退するパターンが大半である。


この何もないどころか、前任者の尻ぬぐい作業である無茶な売り上げ回収作業や、めちゃくちゃな会計関連作業、やる気のない現地人材1名と他国のバカな統括代表とのやり取りを何とかする作業に半年を要した。

私は赴任初年度であり、会社の2期目は売り上げは諦め、企業としての足場を固める作業から入った。

1、売り上げ無いならコスト削減

まず、案件も何もないのに、ローカルの会計事務所に以上に高い料金を支払っていたので、速攻交渉して$1,100/月→$500/月へ減らした。これだけで年間$6,000のコストカットとなった。

3、ポテンシャル現地企業調査

東南アジア進出が初めての企業は必ずここでコケるポイントだが、現地の日系企業は純粋も金がない。日本で50万円で販売していたホームページは、ローカル企業が5万円で販売できる。100%価格負けするのがオチだ。これを再確認する為に、いくつかの日系メーカーを回って見積もりを出して反応を見た。そして、早々にベトナム市場から売り上げを作る事はしないと決めた。今でも現地での営業活動は全くしていない。

4、サプライヤー確保&クオリティチェック

ベトナムにおいてクオリティは東南アジアの中でもダントツに低いと思っていいだろう。印刷物や施工、開発系、と全てにおいてクオリティが最低限に達していないのがベトナムだ。自分でクライアントに納品できる、最低限クオリティを定めて、重要となるコミュニケーション含めた部分をクリアできるサプライヤーは早々に確保。

5、売り上げは日本の財布から

(ベトナム市場は日本からの進出問い合わせが1番多い国)というのはJETROから聞いていた。そしてタイのように現地に、日系事業者が溢れていない。つまり、日本の最低限のクオリティをベトナムで保ちつつ、スピーディーにコミュニケーションを取れれば、それだけで優位性が生まれると思った。結果的に、これが予想通りに功を奏したのだ。

この部分は重要であり、なかなか出来ない基本の期なので、詳細を言うと...

例えば、日本の企業から現地に関する問い合わせがあったとしよう、

1、現地の日本人は現場事情が分からずスタッフ等に指示を出すが、ベトナム人は理解力が低く、すぐに忘れるので、適当な返答が帰ってくる。

2、再度、細かく説明してまた調べさせるが、問い合わせ先の企業も適当なので電話口の担当によって言っている事が異なる。

3、この無駄な繰り返しで、日本への返答がどんどん遅くなり、正確な情報すら伝えられない。

これは東南アジアに赴任している日本人なら誰しもが経験しているだろう。

私は自分のビジネスが広告代理店ではあるが、現地の雑誌やWEB媒体、飲食店、流通、税関、EC、賄賂、学校、企業データ、旅行市場、税務関連とあらゆる事を、問い合わせがある前から事前に情報収集している。

これを常にスタッフに依頼していると、スタッフも私が要求するレベルが理解してきて、適当な事を言っているローカル企業を、先を見越して詰めてくれるのだ。

これを1年繰り返していると、私はベトナムにおいて広告代理店と営むには十分な情報が備わり、急な依頼もある程度は対応できる体制が出来上がる。

となると、日本側の企業も次第に「GENに問い合わせれば、すぐ見積もり出してくれる」「GENならちゃんとしてるし早いよ」という口コミが広がって、紹介案件も増えてくる。

これで、自然と日本からの信頼を元に、日本の予算での商売が出来るのだ。

私の会社は、自分1人とローカルスタッフ1名の2名体制で運営している。たまに、日本から来たクライアント等には驚かれるが、私の理想はこの2名生である。スタッフが辞めた時にリスクがあるが、その時に一時的に助けてくれるベトナム人が居たり、1人でも困らないくらいの知見は既にある。

この体制を作るまでに私の場合は1年。これが速いか遅いと思うかは貴方の判断だ。大半の人は2年以上はかかると思うが。

私は自分で、WEB開発やWEBデザイン等以外は基本的に全てをこなせる為に、現地語の書類作成と社内家計を担当するスタッフとで現状事足りる。

この最小限の人数で会社を運営して軌道に乗せる事が、私の1つの目標であった為に、現在それが出来ている事に満足はしているが、売り上げはこの体制であと3倍までは伸ばせると思っている。


以前、フィリピン時代に出会った、山田さんという非常に腰の低い素晴らしいお人柄の社長が当時学生であった私を食事に誘ってくれた時に行ってくれた言葉が今も心に残っている。

【僕は大企業の社長とか、従業員が多い企業の社長が凄いとか偉いとかは思わないんですよね。1人で会社回してガツガツ稼いでいる人が私の周りにも数名いてね、そういう人が私は凄いと思うんですよ。よく1人で回せるなってね。】

私が悩みを相談した時も

【GENさんね、会社の上司とか年上の人のいう事を聞かなきゃならない時はあると思いますが、年上だから言っている事が正しい訳ではないんですよ。年上の私が言ってることが正しいとも限らない。だから日本の縦社会とかの理不尽な年上の言葉とか、気にしなくていいんですよ。知らずに適当な事ばっかり言っている人多いですから。自分が間違ってると思えば反省して改善して、間違って無いと思うならそのまま突き進んだ方が良い。】

約6年前のフィリピンでの、この何気ないアドバイスに今も勇気づけられる事がたまにあります。



#海外ビジネス #黒字化 #東南アジア #ベトナム #アドバイス #体験 #ホーチミン  #世界 #グローバル #海外進出 #フィリピン #仕事 #海外生活 #note  







サポートが大きな励みになります。