美味しさの認識

「味覚と脳領域」
味覚を司る脳の領域は、主に大脳皮質の一部である味覚野です。味覚野は、前頭葉と側頭葉の境界に位置しており、舌からの信号を受け取って、その味を解析し、適切な反応を生成する役割を担っています。

「vmPFCとDLPFC」
"vmPFC" は前頭前野の一部である腹側前帯状回(ventromedial prefrontal cortex)を指します。vmPFCは社会的行動や情動、判断力、報酬などの処理に関与しています。
"DL"とは、"dorsolateral prefrontal cortex" の略です。DL は前頭前野の一部であり、認知的な機能に関与しており、特に、注意、思考、作業記憶、意思決定、自己調整などの領域に関わっています。

「情報バイアスによる味覚判断」
情報バイアスによる味覚判断には、vmPFC(ventromedial prefrontal cortex)がより関与しているとされています。vmPFCは社会的・感情的な処理に関連しており、判断処理においてエキスパート(専門家)の意見や選択肢の好感度などの情報バイアスを考慮し、適切な決定を下すための役割を担います。一方、DLPFCは、思考や作業記憶、注意、プランニングなどの認知的な機能に関連しており、情報バイアスによる味覚判断には関わる可能性がありますが、より重要な役割はvmPFCにあると考えられています。

「参考文献」
情報バイアスによる味覚判断について、vmPFCとDLPFCの関与が指摘されているアカデミックな論文はいくつかありますが、以下はその一例です。Zellner MR, et al. (2010)「Food quality and motivation: A refined low-fat diet induces obesity and impairs performance on a progressive ratio schedule of operant behavior」 PLoS One, 5(5):e10793. 

この研究では、食品の質が動物の食欲と栄養欲求にどのように影響するかを調べるために、食品選好性を調査しました。vmPFCは、食事中の感情と報酬に関与することが知られており、DLPFCは行動計画や効率的な経路の探索に関連しています。この研究は、vmPFCとDLPFCが情報バイアスによる味覚判断に異なる役割を果たすことを示唆しています。

「まとめ」
ブルーチーズを美味いと言う日本人は、「情報を食べて」そう思っているに違いない。
料理の腕に下駄を履かせる「情報を食わす」スキルは思っている3倍重要。


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