見出し画像

企業の制服廃止をプラスにするには?

2022年から加速する仕事服の自由化。
昨年には高島屋や三越伊勢丹、地方銀行などの接客サービスを行う大企業の制服が廃止されています。

背景には時代の流れが大きく作用していますよね。
ジェンダーレスや多様性から、自由な働き方を推進する企業も増えているからでしょう。
弊社にも制服廃止によるオフィスカジュアルのご相談をよく頂きます。

制服廃止には企業側の大きな経費削減になる他、職場の雰囲気が明るくなる、コミュニケーションのきかっけになる、などのメリットがあると報道では伝えられています。

その一方、洋服代がかかる、コーディネートを考えるのが大変、といったデメリットを感じる従業員も少なくないようですね。
あと、服装の範囲が広くなることで一部の社員に乱れが出て、企業によってはイメージに相応しくないという課題も出てくるでしょう。

経営者や総務部などにとっては、少し頭の痛い課題。
ファッションの専門家として、違う視点の考え方をご紹介させて頂きます。
 
 

制服廃止をよいきっかけに


制服廃止から私服に移行することを、無難にやり過ごすのではなく、このせっかくの機会、企業のイメージを変えるとともに社員の意識改革のきっかけにすることも考えてみてはいかがでしょう?

なぜなら、服装は着装行動によって意識を変え、他人ごとではなく自分ごとに仕事を考えるためのきっかけになるからです。

制服だと、与えられた洋服を『着る』だけでOKですよね。
でも、私服を仕事服として着るには、時間とお金がかかる作業があります。

  1. 洋服を選んで買う。

  2. 毎日、靴までコーディネートを考える

これを自分のプライベートな時間で行うことになると、オシャレが好きな人でない限り、面倒だったりおっくうになってしまうものです。

そんな時に意識を変えるのに大切なのが
仕事服を考えて着る⇒セルフプロデュースする
といった考え方を社員にもってもらうということです。

また、そのセルフプロデュースは、仕事で自分が向上する可能性を高めるだけでなく、人としても磨かれることに繋がることなります。
これを本人が実感すると、仕事服が自分ごとにもなるのですね。
 

最近感じた、意識変革の事例

私がスタイリストとして、顧客さまと三越伊勢丹の外商ご担当の方と3名でイセタンメンズでショッピング同行していた時のことです。
外商ご担当者さんは女性なのですが、以前は黒のパンツスーツの制服を着てらっしゃいました。それが昨年に制服廃止になってから、ジャケットにパンツスタイルの私服になっています。

先日も私が着ていた服にとても興味を示されて、どこのブランドのものか?など質問攻めに(笑)
その場でネット検索をされて、ブランドをチェックして、とてもお気に召したご様子でした。

この私のファッションに対しての質問は2回目で、もう何年もおつきあいしておりますが制服が無くなってから増えてきたように思います。
以前ご紹介したブランドもチェックされ、購入されたとおっしゃっていました。
 


こんな風にファッションのアンテナが高ったり、情報収集するのも、毎日着る仕事服への意識が変わったからだと思います。
休日服であれば、自分の好きなものを着ていればよいけど、仕事服で選ぶとなるとそうはいかなくなりますものね。
(カジュアルという言葉の印象から、私服と同じように考える方もいらっしゃり、それも課題になることもあるかと思いますが…)

 
ただ着るだけの制服ではなく、
自分を磨くためのセルフプロデュースとして仕事服を考える。

こういった意識を持てるようにすることが制服廃止をプラスにするきっかけになります。
ぜひ、企業として指導方法や情報発信の工夫をしてみてくださいね。

 
ビジネスカジュアルファッション研修のご相談はこちらから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?