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【理学療法士】やる気が無い人の取り扱いの難しさ

大学院で学んだ公衆衛生学疫学の知見を元に、健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。

普段は、回復期リハビリテーション病院に勤務しています。


さて、今日は今年度最後の子供の参観日でした。


1年間の学習の成果発表ということで、休みをとって参加してきました。
そこまでは良かったのですが、、、、、。

参観日(小学校低学年)の後に学年懇談があって、親同士で意見交換をしました。

議論が白熱して、当初30分の予定が、90分近くになりました。

親A:最近、このクラスの子供の落ち着きがない。授業中の私語が多く、立ち歩く子供もいる。
私の子供は、しっかり勉強をしに学校に行っているのに、先生が態度の悪い子供を注意してばかりで、授業が止まる事もある。そもそも勉強したくない子達に構っていたらうちの子供が勉強できない。どうにかして欲しい。

親B:おそらく、うちの子供の事を言っているのだと思いますが、家では手が掛からないいい子なんです。
でも、集団に入るとダメで、喋ってしまう。家庭でも、何度も他の人に迷惑をかけないように指導しています。スクールカウンセラーにも相談しました。対応はしているんです。どうすれば良いのか、、、。私自身も分かりません。申し訳ありません(涙)

親C:小学校は、勉強だけを学ぶところではありませんから。様々な子供がいる中で、一つのクラスなので一体的にまとまって欲しい。今、問題を放っておくと、高学年になると余計に修正が効きにくくなるのだから、時間をかけてでも、できない子に注力した方が良いと思います。

同じ学年、同じクラスの親と言っても、立場・価値観で考え方は様々で、とても勉強になりました。



リハビリ病院内にもいるんですよね。やる気のない患者さんが。

・自分で決めて選んで入院しても、思うような治療成果が出ず、モチベーションがダウンすること。

・対人関係や環境が合わずに辛い。

・回復の過程での気持ちの移り変わりで、気分が沈むこと。

・そもそも、自分の気持ちと反して家族が勝手に決めて入院したため、やる気がない。

↑って、先程の小学校の生徒にも当てはまる気がして。

勉強につまずいた。
クラスや先生が嫌い。
勉強はしたくないけど、親が学校に行けというものだから、、、。

様々な原因で、当初やる気に満ち溢れていたとしても、やる気が無くなってしまうことがあります。


‖  やる気がないクライエントにどう対応する?


やる気がわかない人に無理矢理させても、本人だけでなく対応する方も陰性感情を引きずるので、双方が辛いばかりです。

リハビリの現場では、病院内の人的リソースも限られていますので、やる気が無い人は放っておいて、やる気がある人に注力してリハビリすれば、より効果が高まるでしょう。

しかし、私個人としては、やる気がなく、授業妨害するような数人を排除して、他の多数のみんながハッピーに勉強できるようになるといった功利主義的な考え方は苦手なんですよね。できない人を取り残す社会も、優生思想っぽくて嫌いです。

教育もリハビリも、やるからには最大の効果が出た方が良いに決まっています。平等を意識して、せっかく頑張ろうと思っている人の足を引っ張ってもダメですし。

永遠に答えは出ないような問題ですが、このような問題は、これから病院で働いていく中でも、子供の教育現場でも、職場の同僚でも、他の仕事に転職したとしても、ずーーーっと付いて回ると思います。


私は、このような問題が出た時には、本人だけでなく、本人に近い人、他職種の人を含めて、しっかり話し合いをしていく姿勢を大切にしたいと思います。

また、自分を様々な立場に置き換えて、俯瞰的に考えることができるようにトレーニングを継続したいと思います。

↓↓倫理的な対立が起こった時の対処法(過去記事)

実際に、今回の学年懇談も、90分間相互に話をしてみて「子供がやる事」、「親がやる事」、「担任がやる事」、「学校がやる事」がそれぞれ明確になり、相互の意見を聞くことで、懇談開始時に生じていた親同士の対決姿勢は、終了時には緩和していたように思います。

子育てを通じても、日々勉強ですね。

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