映画感想『アネット』
この映画は4月に有楽町角川に見に行きました。カラックス本人が舞台挨拶をする回でチケットはネットで一瞬で売り切れたんですがなんとかゲットできた。自分の中で賛否両論という不思議な映画でした
ストーリーはこんな感じ
カラックス監督というとパンク好きだった自分の学生時代にメチャはまっていた。『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』などなど若いころの自分の感性にはドンピシャでしたね。その後こっちも大人になるとこんどはカラックスの映画に興味が無くなってしまった。
でも『ポーラX』『ホーリーモーターズ』など新作は追いかけて劇場でみたけど、学生時代のような興奮はなかったなあ。まあ映画って観る年齢によって受ける影響は違いますね。
還暦を過ぎたカラックス監督は黒い革ジャンを着てパンク少年のままでした。小柄でシャイでうつむき加減にしゃべる姿をみてああこの人は昔のまま変わってないんだなあと妙に安心感。変わったのは自分の方だったのかも。
映画の方は奇妙だとしか言いようのない作品で自分の中で賛否両論。一応ミュージカルをつくろうとしているんだけど当然普通のミュージカルになるわけもなく。
自分自身を学生時代に巻き戻してこの映画を見るモードと、そうはいってもカラックス本人が現代的に作ろうとしている部分をちゃんと評価しようというモードのせめぎあい。『ホーリーモーターズ』のときもそうだけどカラックスって結構ハイテク描写好きだよね。人形はAIとかアンドロイドのような感じで、でも最後人間になる。最後はつくりものの世界じゃなくて人間になったんだと思う。人形は捨てられている。
つくりものの世界が終わるとミュージカルも終わっちゃう、そこには普通の現実が、、、、
正直言えば学生時代のような興奮は得られないんだけどこれは必ずしも映画自体が悪いわけではなく、自分が年とったのと世界側が年とったこともある。という意味ではまさに今作られる映画なんだなあと思う。
冒頭のカラックス本人が登場してアダムドライバー、マリオン・コティヤール、スパークスが歌いだす場面と、エンドロールに重ねて出演者たちが行進する場面は不思議に感動的で感動的な冒頭とエンディングに挟まれた奇妙なミュージカルというのが感想ですね。
本人を見ちゃうと変わってないなあという安心感があるんだけど、本人にしてみたらそんなことはなく俺は変わってるんだと言いそう。たしかに後戻りとか懐古趣味とかは感じない人なんだとおもう。
ではでは
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