タケシマヒロユキ

落書き系キャリアコンサルタント(国家資格)、Reboot Your Career代表 …

タケシマヒロユキ

落書き系キャリアコンサルタント(国家資格)、Reboot Your Career代表 長年国内海外で新規事業開発を手がけ来た経験と、趣味であるカルチャーを融合して キャリア形成を支援いたします htakeshima77@gmail.com

最近の記事

映画レビュー「デューン砂の惑星 part2」

ヴィルヌーヴ監督の『デューン砂の惑星 Part2』、待ってましたよ〜 全体的に映像のクオリティが最高でした!砂漠の広大さ、砂嵐の恐怖、敵方の採掘船とのバトルの迫力、シャラメ、ゼンデイヤは美しかった。それにしてもゼンデイヤ、フローレンス・ピュー、レア・セドゥ、アニャ・テイラー=ジョイという人気若手女優が一度に出る映画ってよく考えるとすごいな、、、、 以下ネタバレあり、多少文句ありですがよろしくお願いします 『デューン』というとやはり、登場人物とかメカの造形が魅力のかなりの部

    • 映画レビュー『ファンタスティック・プラネット』

      久しぶりに配信で観ました、 「ファンタスティック・プラネット」、原題は「La Planète sauvage」英語タイトルが、「Fantastic Planet」なので日本では英語タイトル通りで知られている。原作は1957年に書かれたSF小説「オム族がいっぱい」(Oms en série) なんでタイトルのことにこだわるかというと、レヴィ・ストロースの「野生の思考」原題「La Pensée sauvage」に映画のフランス語のタイトルが似てるなと思ったから。ルネ・ラルーの

      • キャリコン的映画レビュー『落下の解剖学』

        サスペンス感満載な冒頭、しかもスタイリッシュな映像でテンポも良くグッと引き込まれる。「暗くなるまで待って」みたいな感じなのかな〜と思いきや、、、、 サスペンスものから、法廷劇になり、それもスッキリするというよりは、審議が進むにつれて事態は混沌としてゆく、不受理にすら感じられる世界。夫婦の感情のぶつけ合いも本音なのか、フェイクなのか、あるいは罠なのか。「マリッジストーリー」とか「ブルー・バレンタイン」の影響も感じさせるがあちらの方は本音vs本音という形なので、強烈にお互いやな

        • キャリコン映画レビュー『ボーはおそれている』

          「ヘレディタリー」「ミッドサマー」と立て続けに良作を撮ってきたアリ・アスター監督。本作「ボーはおそれている」ではグッと内面寄りの作風にシフトしたように思う、それは主人公の内面でもありアリ・アスター本人のことかもしれない。 本作は主人公のボーが精神科医のカウンセリングを受ける場面から始まる。住んでいるのはヤク中が徘徊するような街にあるボロアパート。家に帰ると奇妙なことが次々に起きる。離れて暮らす母の死が伝えられる、幻覚か現実か曖昧な出来事にパニックになったボー、通りに飛び出し

        映画レビュー「デューン砂の惑星 part2」

          キャリコン的映画レビュー「夜明けのすべて」

          す、、素晴らしい、、、前作『ケイコ、、』も超絶傑作でしたがあちらはクール系、本作「夜明けのすべて」はウエットな感動系でした。 藤沢さん(上白石萌音)は仕事が続かない。PMS(月経前症候群)で月一回イライラを爆発させてしまう。転職した会社で山添くん(松村北斗)というやる気のない社員に出会う、彼はパニック障害を持っていた、、、、 栗田(光石研)の会社はメンタルに病気を持つ人の雇用を積極的に行っているのかな、藤沢さんの爆発も、山添くんのパニックも同僚が落ち着いて優しく受け止める

          キャリコン的映画レビュー「夜明けのすべて」

          私的アカデミー賞予想

          いよいよ3月11日はアカデミー賞の発表ですね、映画ファンは祭りです 作品賞について、ネットなどの情報では13部門でノミネートされている『オッペンハイマー』が最も有力視されています。 ここ数年の作品賞は2020年『パラサイト 半地下の家族』、2021年『ノマドランド』、2022年『コーダ 愛のうた』、2023年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』です 傾向として、アジア系の監督や出演者、インディーズ系映画、かつ社会的なテーマの作品の流れが見て取れます。多様性

          私的アカデミー賞予想

          キャリコン的映画レビュー『哀れなるものたち』

          ヨルゴス・ランティモス監督『哀れなるものたち』のレビューです ストーリーとしては、風変わりな医師が自殺した若い女性ベラの脳に別の脳を移植する。初めは女性は幼児並みの知能であったが次第に成長し自我に目覚める、、、 ざっくりいうとマッドサイエンティストものですね、舞台は産業革命期のイギリスです。エマ・ストーンが相当大胆な演技をしていることも話題になっています。もともと異様な世界を耽美的に描くヨルゴス・ランティモス監督なので、本作もやはり普通の映画ではなかったですね ストーリ

          キャリコン的映画レビュー『哀れなるものたち』

          読書レビュー『東京都同情塔』

          先日発表された第170回の芥川賞の受賞作は九段理恵さんの「東京都同情塔」でした。 文章の5%ほどをAIで書いたというのが話題です。早速読んでみました 世の中にアンテナ張ることについて芥川賞や直木賞の受賞作を読むのもいいと思います〜 読後感としては、めちゃめちゃ面白かった。スピーディーな 文体がかっこいいです。ディストピア小説のようでもありSF好きな方はいいかも。 影響関係はわかりませんが、伊藤計劃『ハーモニー』っぽさを感じました。あとAI時代のヴァージニア・ウルフという感じ

          読書レビュー『東京都同情塔』

          キャリコン映画レビュー『枯れ葉』

          引退宣言からひょっこり復活した映画界の二人の巨匠、アキ・カウリスマキと宮崎駿は偶然なのか、復帰作は生きることをテーマにしました。それだけこの世の中の理不尽さに我慢ならなかったのでしょうね。理不尽な世だけど生きるのだというメッセージ、さて本作はどんな映画でしょうか 本作はまず二人の俳優が素晴らしい、監督の意図しない意図を完全に理解し、作品世界に溶け込んでいた。現代において小津の影響を受ける監督は多いけども、技法としてここまで小津調を再現し成功している監督も貴重です。カウリスマ

          キャリコン映画レビュー『枯れ葉』

          映画『PERFECT DAYS 』のモノクロシーン

          お疲れ様ですキャリアコンサルタントのタケシマです 『PERFECT DAYS』は素晴らしい映画でした、そのレビューは以前書きましたが。今回は劇中で時々挿入されるモノクロシーンの話です この映画には時々モノクロシーンが挿入されます、これは主人公平山(役所広司)の静謐な内面世界のようにも思えるし悪夢のようなフラッシュバックのようでもある。また木漏れ日を感受する平山の視覚を平山視点で表現しているようでもあります 光のあるところには影があり影のあるところには光がある、映画の中で

          映画『PERFECT DAYS 』のモノクロシーン

          キャリコン的映画レビュー『Perfect days』

          お疲れ様です、本日仕事始めの方も多いでしょうか 能登半島地震で被害を受けられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます 昨年に2023年映画ベストの記事をアップしまして、年末に見た『Perfect days』が非常に良い映画で2位といたしました。 本作の主演、役所広司さんはカンヌ映画祭で日本人としては19年ぶりの男優賞を見事受賞!それも納得の素晴らしい演技でした 本作の監督はドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダース、個人的には学生時代に最初に見た彼の作品が『ベルリン天使の詩』でした、これ

          キャリコン的映画レビュー『Perfect days』

          2023年映画ベスト

          お疲れ様です、キャリアコンサルタントのタケシマです 映画好きキャリコンとして来年は色々な活動をやっていきたいと思います。さて今年は仕事の方でも大きな転機がありましたが、とりあえず映画で振り返ります! 2023年私的ベスト10です 1.ファースト・カウ(ケリー・ライカート) 2.PERFECT DAYS (ヴィム・ヴェンダース) 3.ゴジラ-1.0 (山崎貴) 4.水入らずの星 (越川道夫) 5.オッペンハイマー (クリストファー・ノーラン) 6.CLOSE/クロース (

          2023年映画ベスト

          キャリコン的読書レビュー『ナッジ』

          お疲れ様ですキャリアコンサルタントのタケシマです 今回ご紹介する本は『ナッジ』です、副題に「自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム」とあります、、、どんな本でしょうか ところで、キャリア相談においてはキャリコン側の押し付けではなくあくまでも相談者の 主体的な意思決定 を尊重します。それはカウンセリング理論の基礎であるロジャースの人間観からきています。ロジャースによれば人はより良く生きようという力を内在しているので、その力を出していただけるようなサポートをするこ

          キャリコン的読書レビュー『ナッジ』

          ロールズの『正義論』に学ぶ

          お疲れ様です、キャリアコンサルタントのタケシマです 『正義論』で知られるアメリカの哲学者のロールズ、リベラリズムを基礎付ける理論を提唱しました。彼の『正義論』の中から「無知のヴェール」という考え方についてお話ししたいと思います。 その前に、ちょっと寄り道してキャリアコンサルタントの相談過程の話をします キャリアコンサルタントの相談においては自分は相手のことを何も知らないんだ、、という構え方が必要になります。例えば相談者が54歳男性、30年間同じ会社に勤務していたとして、

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          『正欲』レビュー(続き)、キャリコン映画レビュー

          一度下記でレビューした『正欲』ですが、別角度で続きとしてレビューいたします。 擬似家族というキーワードで考えてみました 最近では擬似家族ものというと『万引き家族』がそうですね、擬似家族として暮らしながら万引きを繰り返す”一家”の話でした。先日レビューを書いた川上未映子『黄色い家』もそうでした、家族に捨てられた人々が黄色い家に居場所を見出すのです。あと今週終わったドラマの『いちばんすきな花』は、ゆるい繋がりで一軒の家によって繋がりを保っていました。 他にもあるかもしれませ

          『正欲』レビュー(続き)、キャリコン映画レビュー

          『黄色い家』:キャリコン的ブックレビュー

          お疲れ様です、キャリアコンサルタントのタケシマです 小説や映画はある環境に置かれた人の気持ちや行動、人生の課題、転機、運命などについて考えるネタの宝庫です。映画好き、小説好きキャリコンとして時々レビューいたします。今回は 川上未映子『黄色い家』 時代は90年代後半。主人公の伊藤花。母親は水商売をしており花のことはネグレクト気味、貧困、間男、学校でのいじめ、、、悲惨な高校時代の花を救ったのは母の友達の黄美子だった。花は黄美子が開業したスナック「れもん」を手伝う中で居場所を

          『黄色い家』:キャリコン的ブックレビュー