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私的アカデミー賞予想

いよいよ3月11日はアカデミー賞の発表ですね、映画ファンは祭りです

作品賞について、ネットなどの情報では13部門でノミネートされている『オッペンハイマー』が最も有力視されています。
ここ数年の作品賞は2020年『パラサイト 半地下の家族』、2021年『ノマドランド』、2022年『コーダ 愛のうた』、2023年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』です
傾向として、アジア系の監督や出演者、インディーズ系映画、かつ社会的なテーマの作品の流れが見て取れます。多様性やマイノリティへの配慮などの世の中の動向を反映していると言えるでしょう。一方でアメリカ的な大作が受賞していない傾向があります。さて今年ですがアカデミー賞の前哨戦、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞を見ると『オッペンハイマー』が受賞しており、その流れからも有力視されています。もし同作が取ると数年ぶりにアメリカ映画の大作が取ることになりますね。

さて、私的なアカデミー賞の予想をしてみましょう!
作品賞のノミネート作を簡単にレビューします

『オッペンハイマー』
日本公開は3月末ですが、僕は昨年夏にアジア某国で観ました。原爆の父であるオッペンハイマー博士の伝記的な映画です。ここ数年のアカデミー賞は戦争映画のような政治・社会・軍事状況を描いた作品は受賞しておらず、家族の物語が多いですね、本作は舞台は第二次世界大戦末期ですが戦争状況を俯瞰的に描くというよりは、オッペンハイマー博士の家族との関係性や内面的に彼が原爆をどのように捉えていたのかを描くものになります。彼の深い絶望をあたかもオッペンハイマー博士の脳内に入ったかのような映像で見せてくれます。キューブリックの『博士の異常な愛情』の真面目版のような印象でした。テーマの深さ的にはアカデミー賞有力候補というのも分かります。
やはり個人的にもこの『オッペンハイマー』が作品賞を取るのではないかと考えています。

『ホールド・オーバーズ』
これは、日本公開が6月なのでまだ観ていないですが、僕も好きなアレキサンダー・ペイン監督ということでほっこりするユーモアと捻ったストーリーが期待できそう。アカデミー賞の観点では、敢えての逆張り系で選ばれるかも知れません

『哀れなるものたち』
エログロシュールな本作、斬新な映像感覚、エマストーンの体当たり演技がすごかったです。女性が自己を確立してゆくストーリーです。個人的には好きですが、強烈すぎて賛否両論はありそう、アカデミー賞っぽくはないかな

『バービー』
これ、今年の候補だっけ?というくらい観てから時間が経ったなあ、男性優位社会をぶっ壊す、そして返す刀でフェミニズムもぐさっと刺すみたいな全方位攻撃型映画。面白かったけど毒が強くアカデミー賞というほどではないか

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
スコセッシの新作、ちょうど上映時期が公私共に忙しくって見逃しました、、、巨匠の作品の割には話題になっていなかったかな〜
配信になったら遅ればせながら観ます、賞の候補にはなってないように思います。

『マエストロ その音楽と愛と』
ブラッドリー・クーパーは『アリー/スター誕生』で監督兼主演をつとめ絶賛でした。いい映画でしたね、本作でも同様才能あふれる人です。監督兼主演ということでいうとイーストウッドの後継者か!
巨匠指揮者のバーンスタインの伝記的映画である本作、全体的に音楽愛、家族愛に溢れるいい映画でしたが、特に前半のミュージカル風なところが本当によくって逆に後半失速感がある。全編ミュージカル風でも良かったのではないかなあ。配信系作品なので受賞は難しいかな、、ただ過去には配信系で『コーダ』は受賞しましたが

『アメリカン・フィクション』
黒人らしさというステレオタイプな押し付けに悩む小説家のお話、人種問題をコミカルに描くので深刻さはなく普通に面白いです。日本では上映なし配信のみでした
過去のアカデミー作では『グリーン・ブック』がイメージ近いかな

『パストアライブ』
これは日本で4月公開なので未見です、予告を見る限りはとても良さそうな映画でした。ミドル、シニア層にはぐさっと刺さるのではないでしょうか

『落下の解剖学』
カンヌでパルムドールを取った本作、流石に良い作品でした。ミステリ的な導入ですが、家族とは何か、真実とは何か、さらに作家の宿命とは何かの、、というような複数の観点で見ることができる良作でしょう。作家というものは家族の悲劇すらネタにするというある意味怖い映画でした

『関心領域』
日本では5月に公開なので未見です。アウシュビッツ収容所の隣に住む、看守一家の平凡な日常という設定からしてただならぬものを感じます。監督は『アンダー・ザ・スキン種の捕食』のジョナサン・グレイザー。『アンダー・ザ・スキン』も相当変わったSF映画だったのでどんな風にアウシュビッツを描くのか気になります。評論家の評価は高いですが、アカデミー賞的にいうとパレスチナ情勢が混沌とする中でユダヤ人問題がテーマの本作は立場はどうあれ炎上リスクがあり選びにくいか。

以上作品賞の予想でした。主演男優賞、女優賞などは割愛しますが一点だけ。視覚効果賞で『ゴジラ−1.0』がノミネートの快挙、日本映画が視覚効果賞ノミネートは史上初です!!
自称ゴジラ系キャリコンとしてはなんとしても取って欲しい、映画自体も素晴らしかったですし特撮も良かった。ハリウッドに比べ予算はないですがセンスと知恵と情熱でここまでできるんだと、、、感慨深いです。頑張れゴジラ!!

ではでは




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