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DID/VCあれこれ

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Recept社員がDID/VCについてあれこれ書いています
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記事一覧

相互運用可能な学習歴の仕組みについて

こんにちは!Receptの中瀬です。 こんなニュースを見つけました 留学時などで、海外留学生と日本の学生の学習歴データを相互運用可能な形にして運用しようというものです。 DID/VCにおける提供価値の1つはこの、データの相互運用性だと思っていて、そこに対する取り組みがあることは、これらを実装する上でもやりやすくなります。 このような取り組みがないと、0からデータの標準化策定を開始することになります。 1スタートアップがやれる範疇を超えてしまう、少なくとも業界団体の巻

【DID/VCユースケース】年齢確認と省人化

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はDID/VCで取り上げられる、年齢確認というユースケースに関して、事業者へのヒアリングから感じたことや、海外の事例について触れたいと思います。 飲食、小売業界などの年齢確認にまつわる課題感 コンビニとかでは無人レジが導入されていて、皆さん一度は使ったことがあると思います。 実はアルコールやたばこの販売には対応できていなくて、友人レジに並ぶまたは、店員さんが確認しに来るようなオペレーションになっていたりします。 また、飲

大谷翔平で考えるトラストポイント

日本が生んだ大スター、大谷翔平。 日本中の野球少年の憧れの星となり、サラリーマンの酒のひと時に至福の話題を届けています。 さて、そんなオオタニさんがとんでもないトラブルに巻き込まれました。 なんと通訳の水原さんがスポーツ賭博で62億円も負け越し、オオタニさんの口座から24億5千万ものお金を補填目的で抜いていたというのです。 以下のような手口で口座からお金を抜いていた模様。 オオタニさんの口座の連絡先を自身の電話番号に勝手に変更 会計士や代理人には「ショウヘイは口座の

【中瀬のDID/VC探訪】SD-JWTによる選択的開示

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はproovyでも用いられる、VC(Verifiable Credentials)の形式の一つであるSD-JWTについてアウトプットしてみようと思います。 VCとは何ぞやnoteを読んでくれる方が私の友人や出会った人が多いこともあるので一応VCがどのようなもので、何のためのものなのかを整理しておきます。 VCは「検証可能な資格情報」と訳されます。 VCは「第3者がそのデータの真証性」を検証できるように設計されたデータの規格

ID.me企業分析【後編】

こんにちは!Receptで代表をやってます中瀬です。 ID.meについてとても興味が湧いたので調べていると学びが多く、たくさん記事が生まれてしまいました。 ID.meがどうやって大きくなっていったのかID.meは2010年から退役軍人向けのクーポンシステムとして普及していたようです。 かなり前から事業を展開していたのですね。 これが医療従事者や教師、学生などに窓口が広がっていき、公的サービスや薬の購入にも使えるような政府公認のシステムとなったようです。 https:

VCとNFTの類似点・相違点

こんにちは。 Recept 大島です。 私はWeb3業界、特にNFTと深くかかわってきました。 個人で一時期やっていたWeb3アセットの売買もNFTを中心にやっていましたし、銀行でプロジェクトリーダーを務めた施策もNFT関連でした。 そして今、起業して取り組んでいる領域が「DID/VC」という技術です。 DID/VCはWeb3のムーブメントの中心にいる技術ではありませんが(親戚くらいの感覚)、NFTとの共通点も多いと個人的には思っています。 もっと言うと、 私がNFTに

ID.meという海外のIDTech企業について調べてみた【中編】

こんにちは!Receptの代表の中瀬です。 前編に引き続いてID.Meの企業分析を行いたいと思います。 今回は実際にID.Meを使ってみてその仕様や、機能、それに対して思ったことを書いていこうと思います。 ID.meにサインアップしてみるソーシャルログインとかも対応してました。 以下のような流れでアカウントを作成できます。 ブラウザでの体験ID.meはブラウザベースでの利用が可能になっています。 ブラウザでできるということは恐らく、ID.meのデータベースにVC

個人情報をシステムのDBに入れないという新しい考えについて

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 弊社のプロダクトproovyはタイトルのような世界を実現できると思って発信しておこうと思い記事を書いています。 従来のシステム構成「従来」というのも変ですが、一般的にシステムはシステムを動かすためのサーバー(パソコン)があって、それが電源ONになっていて、システムが動いています。 ここで、オンプレミスとクラウドという概念も出てきます。 増加する個人情報流出と対応コスト余談ですが、AWSなどのクラウドの設定は本当にポチポチしたら

DIDリゾルバについて

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はDIDリゾルバについて 一言で言うと DIDリゾルバはDIDメソッドに従って、DIDからDIDドキュメントを取得する関数のことです。 仕様についてはW3Cのウェブサイトを見ると書いてあり、こちらを見ると引数や戻り値が決まった抽象メソッドが定義されているのがわかります。 https://www.w3.org/TR/did-core/#resolution なぜ、DIDリゾルバが必要かというと、DIDメソッドがたくさんある

DIDの基本

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 今日はDIDについて書いてみようと思います。 DIDとはSSIを実現するために新しく提唱された、「グローバルにユニークなID」です。 DIDは以下のような形式をしています。 did:example:123456abcdef… Schemeは、URIで表現される識別子の種類を指すもので、DIDの場合は常にdidとなります。 DID Methodは、レジストリに対する読み書きなどの操作の方式を定めています。 DID Meth

VCの基本

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はVCについて書きます。 VCとは一言でVCとは、第3者が検証可能なデータ規格のことです。 今まで、個人関連情報を第3者が検証しようとすると、それが偽装されたものであるかどうかを確認することが困難でかつ、データの規格がバラバラだったためシステマチックに検証することができませんでした。 VCをどのように利用するのか VCを利用するときは上記のようなステークホルダーが存在します。 保持者にVCを与える発行者、VCを保有する

【中瀬のDID/VC探訪】DID/VCについて

DID/VCを一言で言うと?DID/VCを一言で言うと、SSI(自己主権型アイデンティティ)という概念を社会に実装する新しい仕組みのことです。 SSIとはSSIとは「自らのアイデンティティの情報を自分で管理しましょう」というムーブメントです。 なぜSSIというムーブメントが生じているのでしょうか。 そこには個人情報保護や信用プロセスの厳格化など様々な要因が存在すると考えています。 その1つの要素として、信用プロセスがデジタル化の世界から置いていかれていることがあげられ

マイナ保険証の笑える話(笑ってはいけない)

マイナ保険証について調べてたら面白かったので記事に残す。 マイナ保険証とはマイナ保険証とは 「健康保険証の情報をマイナンバーカードに紐付けし、マイナンバーカードを健康保険証としても利用できるよう一体化する」 取り組み。 要は、健康保険証が果たしてきた役割をマイナンバーカードに持たせようということ。 2021年に本格的な運用が開始され、2023年4月には全ての医療機関・薬局でマイナ保険証を利用するためのシステム導入が義務付けられた。 マイナ保険証のメリット旧来の健康保険

【CEO中瀬の備忘録】コロナワクチン接種証明書アプリについて

コロナワクチン接種証明書アプリ https://www.digital.go.jp/policies/vaccinecert 新型コロナワクチン接種証明書アプリが2024年3月末にサービス終了することを発表された。終了理由として、「国内で接種証明書を必要とする場面はほとんどなく、海外渡航時でも接種証明書が必要な国は極めて少ない状況になった」とのこと。 新型コロナワクチン接種証明書アプリとは ワクチン接種を受けたユーザーがマイナンバーカードの読み取り、パスワードの入力を行