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折々のチェスのレシピ(350)中盤戦

チェスのレシピ」からずっと読んできた人であれば、中盤までは白であれば
やや優勢、黒であってもほぼ互角な展開に持ち込めているはずなので、そうした局面の例を選んでいます。下の局面もそうです。

第1図

黒は手に悩むところかと思います。黒の悩みとしてはどちらのビショップもいまひとつ働いていないということかもしれません。ということで、

動かしていないビショップをa6にして白のルーク取りにしました。白はルークをe1に逃すでしょう。それから先、この黒のビショップの働きはすごく悪いです。

では、

もうひとつのビショップをビショップ取りに当ててみました。すると白からはナイト取りが掛かるでしょう。これではせっかく出ていったナイトが逃げ回るだけになってしまいます。

もしかしたらビショップを交換してくるかもしれません。そうなるとせっかく出ていったナイトで取り返さないと形が悪くなります。

では、第1図ではどんな手がよかったでしょうか。

第1図で黒からはこれといった攻めの手はありませんでした。そうであれば、ここは守りを堅めるべき手番です。上のようにポーンをひとつ出しておけば、ナイトがg5に進出するのを阻止できると同時に、キング方面を狙っているビショップの効きも遮断していることになります。

ここからは相手次第になりますが、ひとつ記憶しておいていいことは、活用が遅れているように見える黒のビショップですが、ビショップは相手陣から離れていても効きが通る駒ですので、ナイトほど活用を急がなくても、後で有効な駒にすることが可能です。

それよりも、白のナイトがまだ眠っていることに注目してください。白がナイトを有効な戦力とするまでに最低でも二手掛かるでしょう。よって第1図で黒はそんなに焦る必要がありません。守りを堅めるにはうってつけの局面です。


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