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7月の#キクキキ

 みなさんこんにちは!record 1.5スタッフです。
 本noteは7月の#キクキキをまとめたダイジェスト記事です!#キクキキの概要は以下noteをお読みください。

 暑い日がつづくこの頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。record 1.5は暑さと戦いながら、ドキュメンタリーの上映会など精力的に活動しています。本企画#キクキキも、1月にスタートしてからはや半年が経ちました。

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◆7月のPodcast配信「危機は気候か、環境か、...か?」◆

 7月12日公開、偶数月担当のやまだい回では「気候危機の現在地」を捉えるため、気候危機に関する様々な情報や議論を共有し、共に考えるきっかけづくりをしていきます。


 ◇コーナー①そのニュースちょっとまった!◇

 最初のコーナー「そのニュースちょっとまった!」では、最近の気候危機関連のニュースの中から、ちょっとまった!と言いたくなるものをピックアップして、ご紹介していく企画です。気候危機にオタク級の熱量で挑むやまだいによる、踏み込んだニュースのご紹介です。

 7月回でピックアップしたニュースは「7月4日の世界気温、過去12万年で最高に 2日連続で記録更新」です。

 多くの人が「今年は暑い」と肌で感じていらっしゃることと思いますが、実際に気温を測ってみると、やっぱり暑かったというニュース。7月4日には世界の平均気温が17.18℃となり、これは1979年に統計を取り始めて以来最も高い値だということです。
 Podcast本編では、やまだいが「なぜこれほど暑くなるのか」について解説を加えつつ、収録当時の九州地方の豪雨災害を振り返りながら《危機感》を表明しています。


 ◇コーナー②気になる数字やデータの話◇

 気候危機に関する様々な数字やデータを専門家の方にピックアップしていただき、そのポイントを紹介していくコーナーです。

 7月回でゲストにお越しくださったのは、国際環境NGO 350.org リードボランティア/350 New ENEration オーガナイザーの山崎鮎美さん。山崎さんは、気候変動に関するボランティアや、アクションの企画・運営などの活動をしていらっしゃいます。

 山崎さんには「気候変動におけるダイベストメントと損害保険」をテーマにお話しいただきました。気候変動の影響によって自然災害が多発するようになると、損害保険会社の支払う保険金が増えるため、私たちが支払う保険料も増えてしまいます。このような危機を止めるためには、気候変動を加速させるような事業から資金を引き揚げること(=ダイベストメント)が重要となります。
 山崎さんには、アメリカの一部地域で損害保険が機能しなくなっている事例や、「気候変動の影響を受けた国ランキング」といった資料をお示しいただきながら、保険を機能不全に陥らせるまでに増大した気候変動の影響と、それが日本にとってももはや他人事ではない事態になっているという《危機感》をお話しいただきました。

 Podcast本編では、概要欄に掲載した参考資料とともに、山崎さんの詳しい解説を聴くことができます。ぜひPodcast本編をお聴きください。


◆7月のYouTube配信「あなたの危機感を教えてください」◆

 7月25日のYouTube配信ではやまだいがパーソナリティを務めました。
私たちrecord 1.5が現地に赴いたCOP27から8ヶ月ほどが経過し、11月末からは次のCOP、COP28が開催されようとしています。そんななか、6月5日~15日にかけてドイツ・ボンで気候変動枠組条約第58回補助機関会合(SB58)が行われました。この会合は、COP28へ向けた極めて重要な国際交渉の場です。
今回は、ゲストにグリーンピース・ジャパンから小池宏隆さんをお迎えして、現地でSB58に参加された小池さんの視点から、気候危機に関する危機感や、より広く社会全体に関する危機感を伺いました。


 ◇SB58の議題と成果◇

 配信の前半では、小池さんから、「SB58では何が話されたのか」「SB58で期待されたこと」などについて、歴史的な流れを振り返りながら、重要なポイントに絞って解説をしていただきました。

 小池さんは、SB58のなかで重要な議題の一つは、グローバル・ストックテイク(GST)についての交渉だとおっしゃいます。GSTは、パリ協定に基づき各国が定めている温室効果ガスの国別削減目標(NDC)の実施状況・達成状況を国際的に評価する仕組みであり、「世界は1.5℃目標の達成にどのくらい近づいたのか」を評価するうえで説明責任を果たす唯一の仕組みであることから、大きな意味をもちます。
 COP28では、第一回GST、つまり歴史上はじめてのGSTが行われる予定ですが、気候危機の切迫した状況を考えると、「一回目なのに失敗できない、非常に重要なGST」だと小池さんはおっしゃいます。


今年のCOP28では「はじめてなのに失敗できないGST」が行われる

 他にも、公正な移行にむけた議論や、化石燃料関連のロビイストの問題、プラスチックについての議論などについてご説明いただいたほか、やまだいの質問にも明確に答えてくださいました。

 本編は、SB58の交渉の内容についてわかりやすく理解できるだけでなく、交渉の空気感についても、実際にその場にいた小池さんの言葉で聴くことができる貴重な資料となっています。


 ◇ゲストに聞く「あなたの危機感を教えてください」◇

 小池さんの抱く《危機感》は、「無気力感と自己責任論」、またそれに対応するキーワードとして、「社会制度を変える動き」という言葉を挙げてくださいました。
 小池さんは、ご自身の経験を振り返って「人々の意識も重要だが、結局制度なんです」とおっしゃいます。やまだいも、気候危機についてのアクションでよく耳にする「システムチェンジ」という言葉を引き合いに出しながら、自己責任論に着地するのではなく、制度的な不平等・不均衡を変えることの重要性について語っています。

 また配信の終盤では、やまだいから小池さんの内面にも踏み込んだ質問をさせていただきました。気候危機に関する国際交渉の最前線で活動し続ける小池さんの決意に満ちた言葉を聴くことができます。ぜひYouTube配信のアーカイブをご覧ください。

(Text、編集:後藤隼)

◆更新状況◆
2023/8/12:公開しました。


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