【エッセイ】日常

日常は無意識のうちにいつの間にか流れ去ってしまう。
日常にはたくさんの情景がある。
何でもないことがほとんどで、取り立てて面白いことや珍しいこと、気を引くようなことはほとんど起こらない。
しかしその何もない日常が私を作っている。

仕事で疲れた日。
お酒をたくさん飲んだ日。
映画を見た日。
風邪を引いた日。
カレーライスを食べた日。
洗濯をした日。
くしゃみをした日。

何でもいい。何気ない生活の一コマ一コマが私の日常を作っている。

気が付けば忘れている出来事も多いだろう。
もう思い出せない出来事もたくさんあるだろう。
一生振り返ることのない日常の一コマがただひたすらに続いていく。

昨日は何をした日か。
一週間前は何を思っていただろう。
先月はどこに行ったっけ?去年は?10年前は?
15年前の今日に出会った人は元気だろうか。

覚えていない日常が増えていくのはさみしい。
明日になったら忘れてしまう。
消えていく前に残しておこう。

誰にも見つからないかもしれないけど。とっておこう。
ちょっとだけ宝物が混じっているかもしれない。

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