「アイドル」というビジネスに思うこと。

櫻坂46の3期生がお披露目になりましたね。

愛すべき我が故郷・島根県出身の子はまたしても現れませんでしたが、そこはまぁ、うん、もう、いいです。

そんなことよりとにかく1人ひとりの個性が際立っていて、これは今後どんな風に育っていくのか楽しみだなぁと期待せざるを得ませんでした。


YouTubeには3期生のドキュメンタリー的な動画もアップされましたね。


ただ…まぁ……

僕は見ていないです……


ストレートに言っちゃうと、そういうのは求めていないんですよね、僕は。

っていうところのお話になります。




現代のアイドルって、めちゃくちゃ商品化していると思うんです。


あまり昔のことはわからないですが、日本のアイドル文化は【AKB48前後】で確実に1つ線引きができると思っています。


昔のアイドルはまさに「偶像」、言い換えるならば「テレビの中の人」という印象が強いです。
キラキラしていて、神秘的で、高嶺の花というイメージですね。

僕の母親は50歳を過ぎた今でも明菜ちゃんの大ファンなのですが、それはやはり当時テレビの前で心躍らせた思い出が強く残っているからなのだろうと思います。

女性ファンの母親ですらそうなのですから、男性ファンとなるとさらに熱狂的なものがあるでしょうね。まさに青春。


そんなアイドルのあり方を変えたのがAKB48だったと。

劇場に行けば毎日近くで会える、イベントに行けば(読んで字のごとく)触れ合えるという「身近なアイドル」のあり方は非常に斬新だったのだと思います。

あの当時のAKBブームはすごかったなぁと、当時まだ小学生だったにもかかわらず鮮明に記憶しています。
今でも覚えていますよ、ぷっちょのCM。



その「身近さ」は、いい意味でアイドルという存在を高嶺の花ではない、庶民にも手の届く存在というイメージに変えました。

今やアイドルがファンと直接関われるネット配信やイベントをやるなんていうのは当たり前、むしろそこで人気を勝ち取っていくのだという風潮すらありますからね。


そういった中で、ドキュメンタリーなどを通して今まで隠されていた裏の部分も提供され始めてきました。
これも先駆けはAKB48だったのでしょうか、たかみな具合悪いんだからのやつとかそうじゃないですかね。


まぁ言ってしまえば、これが「商法」なわけですよね。

キラキラしたアイドルの裏側、苦悩やら葛藤やら衝突やら、そういうリアルな部分を見せることで、その姿に共鳴してお金を落としてもらおうじゃないか、という。


これ、めちゃくちゃイヤ~な言い方してるなと自覚していますが、要は情が移っちゃうってことなんだと思います。

若くてかわいらしい子が歯を食いしばってニコニコ頑張っているとなると、そりゃ少しでも自分の力でいい景色を見させてあげたいという気持ちにもなりますよね。


選抜システムなんていうものもそうで、そこに各々のストーリーを作ることによってファン心理を刺激するわけですよね。

「おめでとう!」とか、「次こそ!」とか、場合によっては「おかしいだろ!」とかもあるかもしれませんが、それでまたファンが自分の推しを少しでも輝かせるためにグッズを買ってくれたり、イベントに応募してくれたりするという。

みんな横並びで一等賞…なんてことはありえないわけで、複数人の集まりの中では必ず生まれてしまう「格差」をうまーくお金儲けに利用しているなぁなんて思っちゃいます。



さて、ここまで読んで、


てめえ!

さっきから何をわかったようなことを!

出て来い!


…と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

大丈夫です。僕もお金を落とす方です😄




ただ、個人的には、アイドルって享楽的な存在であってほしいんですよね。

ちょっと前まで普通の女の子だった人が、ある日を境にステージでキラキラ輝ける存在になるわけないんですから。
絶対に裏で血の滲むような努力をしているんです。んなこたぁ誰でもわかってます。


でも、それを事実として、ましてや見世物のように露出されちゃうのはあまり好きじゃないんです、僕は。

それこそ「商法」じゃないですが、なんだか自分がその子やそのグループを推さざるを得ない真っ当な理由を押し付けられているような気がして。


そこは本人の言葉でのみ語られるものであってほしい、あるいは各自が心の中でイメージして補完する余白部分であってほしいというのが僕の理想なんです。

そしてその補完した部分を忘れ直して、バカになってファンを楽しめればいいじゃないかと思うんです。



格差に関しても、敗北の美しさみたいな価値観のもと、

「ね~!残酷でしょう!しかしそれでも彼女たちは歩いていく!」

みたいなのはちょっとモヤっとしちゃいますね。むしろそれを生み出すのがおたくらのやり方でしょうが、っていう。


日々ひたむきに推しメンに対して愛を注いでいる方々をたくさん知っているからこそ、ですかね。


まぁ、運営側も慈善団体ではないので難しいのかもしれませんが。




ただ、それとは別に、最近「メンバー=商品」になりすぎていやしないかという懸念はあります。

熾烈な競争社会に晒されるタフ極まりない仕事とはいえ、もう少し楽しくゆとりを持って活動できるようにはならないものですかねぇ。


肉体的にももちろんですが、特にメンタル的にです。

自分の代わりなんていくらでもいるんだ、と自覚した瞬間にそれが大きなプレッシャーに変わるものですから。
これは取って代わられる者、取って代わるチャンスを逃した者、様々な立場でまた違ったタイプの重さを感じさせる心の枷になるのだと思います。



売り物だからこそ、大切に、丁寧に扱ってあげてくださいよー。



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