さっきまでクソ真面目な記事書いてたから寝る前に推しのドラマCDにまつわる話を書いて寝る。

　私の推しがミルトンの『失楽園』をモデルにしたボイスドラマに出ている（所謂劇中劇）んだけど、役割は熾天使ウリエルで。ウリエルは堕天使説もあるけど一応四大天使で厳しいし昔から好きな役だから推しに合っててよかった。滅茶苦茶コミュ障なとことろとかウリエルのテンプレっぽくてよかったよ。

　で、推しの所属してるグループが元々ファンのことをエンジェルって呼ぶんだけど、（使用例「この歌をエンジェルたちに捧げる！」今日日V系でも言わんぞ）私はやっぱり何だろう、何度聞いても読んでも自分が「埒外」の存在だと思ってしまう。

　それは自分の体格のせいでもあるし、人格が他人を妬み嫉み遠ざける邪悪な人間だから推しに相応しくないと思うのもあるし、見目が醜いというのもあるし、そもそも私はエンジェルなんて歳じゃないし……きっと例えば握手会とかあったとして（二次元だからないのだけど）推しは私と目も合わさないし「エンジェル」何て呼ばないね。

　何となく客層がわかる自分がいる。地雷系の白いタイプの子たち。とか、V系の現場に来るタイプ達。ロリータ、白ロリ、白地雷、量産系。エンジェル呼びに相応しい小柄でふわふわしたオンナノコたち。私と推しが向かい合ってもそれこそ熾天使ウリエルと悪魔だなって思うとなんか笑って泣けてきた。

　聖書なんだっけ。ヨブ記？リヴァイアサンっていう大きな海竜がいる。最初はただのメスの巨大な龍だったんだけど、途中から後付けで堕天使設定がついて悪魔になった。七つの大罪の嫉妬を司って、蛇担当。地獄の海軍大提督。そして、女に憑りつく。元々は熾天使だった。

　元々は熾天使だった。ウリエルとの関係なんて知らないけど。

　時々想像する。エンジェルたちが溢れる現場で、私だけが青色のごついV系の現場服着てるの。鱗柄のタンクトップに蛇が上半身絡みついたタトゥーシールがっつり貼り付けて。親が気絶するような。何なら顔まで貼りつけたりして、頭に青色のエクステして。目元のアイシャドウも真っ青で。口紅もダークブルーで。
　パンツは昔やってたみたいな、ミリタリーの黒を編み上げにインするやつ。それで、メリケンサックみたいな指輪じゃらじゃら付ける。イヤリングも牙みたいなトゲトゲのを、ね。

　で、量産系エンジェルに某ユーチューバーみたいに「道を開けろ！！」つってイキるでもなしに、ただ人が引くままにしておく。そういう人って、自ずと人が勝手に引くって知ってるから。それで、ぽっかり空いたドーナツの真ん中で、どんな顔をするだろう、彼も特性在りそうだからわからないけど、推しの金色の目をぎらっと上目遣いで見上げてやるんだ。私の目、上目遣いだとゴジラに似てるんだって。
　海から来るものだよ。海から来たんだよ。ウリエル。殺してみなさいな。エンジェルじゃない。一度もエンジェルじゃない。醜い海竜を退治して見なさいな。

　別に嫌い推しとかじゃないし、普通に可愛い服で参戦したいけど、素直になれない。私はエンジェルって呼ばれたくない。私はエンジェルに値しない。私はリヴァイアサンだと思った。それだけのお話。
　でもお渡し会とか握手会でも応じてくれそうなのが推しなんだよなぁあいつ意味わからないから。