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【北京大学留学日誌】ぶらりひとり旅〜福州編〜

 始めて早々に更新が滞ってしまってしまいました...課題とか諸々あってサボってしまいました(泣) 
 さて、北京大学では1月上旬に試験があって今は冬休みに突入しています。成績も続々と返ってきて、周り留学生ゼロの授業は単位落としてしまったり大変なことになっています。レポートまあまあ苦しんで出したのに。悲しいですね。内容がカステラ並みにスカスカだったのでしょうがないです。
 来学期はちゃんとお勉強しよう...

 こんなかんじの近況ですが、冬休みに入ってせっかく時間あるので色んなところ見に行かないとな〜って思って旅行に出ています。滞在日数は長くないのでそんなに詳細はお伝えできないですが、できる範囲で各地を紹介していきたいなと思います。で、ただの旅行日記にしても面白くないのでできるだけ僕の興味関心がある政治、歴史、社会に関わることをお伝えできればと思います。行き先はまだヒミツで笑

ひとつめの目的地へ:北京〜福州 

 最初の行き先は福州。北京からは高鉄(中国の新幹線)で8時間ぐらい。下の地図の東側に九州が見えますが、そこと比べてみるとどんだけ長いか想像付くかと思います。

 南へ南へと向かうわけですが、車窓から外の様子を眺めてみるとなかなか面白くてどんどん緑が増えていきます。それに伴って人家も増えていくし田畑も増えていきます。福建省に近くなってくると山が増えてちゃんと木が生い茂っていました。過ごしやすさの差がまさに一目瞭然ってかんじでした。そりゃみんな南に向かって攻めていくし北部の人や遊牧民のほうが強くなりそうだなって気もします。(中国の歴史を顧みると基本的に敵は北からやってくるし基本的に南側は劣勢。元、清とか)

福州とは

 福州市は福建省の省都で、人口約750万人の都市です。福建省全体としては、いま台湾に住む人の多くや東南アジア華僑の多くが福建省からの移民の家系です(広東省も多い)。改革開放以降、福州市は厦門市と並んで福建省の経済発展の中心となっていて、台湾との交易が盛んです。ただ、街中に台湾料理屋などは全然ありませんでした。けっこうあるのかなと思ったんですが...観光地としては厦門市のほうが有名です。歴史的な貿易港としては泉州のほうが有名だと思いますが、福州もアヘン戦争後に開港し、貿易の中心となっていました。これはまた後ほど。
 習近平も長く福州市で政治家としてのキャリアを積んでいます。ちなみに習近平は河北省→福建省→浙江省→上海市→中央という経歴です。省政府は下の写真の木の向こう。

 中覗いたらけっこう大きくて、黒いアウディがポンポン出入りしていました。門には兵隊さんがいてもちろん一般人は入れない。写真撮ったら0.5秒後に兵隊さんにおいこらって言われて削除させられました。反応速度早すぎ(笑)

福州の街中

 街中は大きなデパートがボコボコ建っていて、高層ビルもまあまあ建っていました。歩道沿いには小さなお店が並んでいて、市民の人たちが入っていました。飲食店が多くて、北京とは全然違うなという印象でした。他に多かったのがお茶のお店。福建はお茶の産地としても有名で、お店の中ではお店の人とお茶している人もいました。いろいろ歩き回ったのですが、僕が行った市内はどこに行っても人は多くて、一国の首都みたいなかんじでした。
 地下鉄は福州市の2つのターミナル駅を結ぶのが1本あって、2号線を建設中でした。移動の足はバスか電動バイクか車のようです。郊外に行くとさすがに車が多くなりますが、デパートやショッピングモールがあるような場所は電動バイクが車より多かったです。電動バイク用の通路もちゃんと整備されていて、歩道橋も電動バイク用になっていたりします。自転車は少なかったです。
 市民社会の暮らしを維持しつつ、整備されていってどんどん住みよい街になっていっているかんじがしました。あとやはり不動産はどんどん高くなっているようで、電動バイクタクシー(?)の運転手さんに聞いたら市内に家は買えないって言ってました。子供を育てるのにとんでもないお金がかかるんだとか。

 人も優しかったなぁというかんじがしました。あと商売上手なかんじもしました。お店入るとおすすめなんですかって聞くまでもなくいい塩梅でこういうのどう?って言ってきてくれたり、僕がいろいろ聞くと割と快く答えてくれたり。北京の人とはやっぱり違うなという印象です。

 それと政治の色が割と濃かったかなという印象も受けました。地下鉄の広告に社会主義核心価値観って書いてあったり街中でもそういったのをよく見かけました。興奮しますね(笑)

これは地下鉄の広告のところ。

これも地下鉄の駅の通路にあったもの(この駅だけでしたが)

電柱の赤いやつもよく見てみると(笑)

さてさてこれからは食べ物編。観光地編が続きます!
 福建といえば小吃(xiaochi)と呼ばれるちょっとした食べ物(?)が美味しいですね。小さなお店に食べに行くとこんなのが食べれます。あと途中の屋台っぽいところで買って食べてみたり、すごく美味しかったです。日本人好みの味だと思います。ぜひ食べに来てください〜

林則徐記念館

 林則徐といえば、科挙官僚として出世し、道光帝のときに広東でイギリス商人からアヘンを没収してアヘン戦争のきっかけを作った人物ですね。彼は福州の出身で、市内中心に記念館があります。愛国の志士みたいなかんじで展示が続いていて、見るのに1時間ぐらいかかりました。中国の英雄のようなかんじです。

過去の最高指導者の言葉も。

どれが誰か分かるでしょうか?実はこの中にひとりアヘン戦争のちょっと後の時代のドイツ人が紛れ込んでいます。
 展示ではアヘン戦争に関してはイギリス人の私利私欲にまみれた商人が〜ってかんじで書かれていました。

五一広場

 福州の天安門広場と言いますか、市の中心です。例のごとく毛主席がにこやかに手を振ってくださっています。後ろに見えるのが于山。越の勾践が宴会を開いたとか歴史書にちょくちょく出てくるみたいです。自然いっぱいで良かったです。

西湖公園

 地元の市民がいっぱいいました。まさに公園ってかんじでゆっくりしていったら癒されそうですね。中には福建博物館、美術館。デカかったです。で、その前には林則徐像が!

馬尾造船所・船政文化博物館・馬江海戦記念館

 今回すごく行きたかったところ、それは馬尾という郊外でした。ここは中国で初めて造船所が造られた場所で、洋務運動の中でも中心的な役割を担ったところです。海軍力増強のために学堂も造られました。博物館ではアヘン戦争に負けて力の差を見せつけられた清末エリートが中国のために試行錯誤した痕を垣間見ることができます。
 馬江海戦は清仏戦争です。戦死者を弔うお墓があったりしました。

市内から地下鉄とバスを使って1時間半ほど。車もいっぱい通っていて、高層マンションも建っていてもう完全に大都会の郊外って様相でした。発展スピードすごいですね。

こちらが造船所っぽいところ。ここで中国の近代化が始まったのかと思うと興奮してきますね。
 10分ほど歩くと博物館です。人は全然いませんでしたが、貴重な資料がたくさん展示されていました。

こちらは展示されていた中国初の造船所の様子。

 左宗棠像。清末に李鴻章らと並んで洋務運動に尽力した偉人です。船政学堂の設立を提言しました。沈葆祯という人が実際に船政学堂を創ったみたいです。有名らしいですが僕は知らなかった...この学堂では積極的に海外留学を推し進めていたり、外国人講師を雇っていたりしたみたいです。当時の教師名簿を見てみるとフランス人が最も多くて、イギリス人もいたというふうになっていました。そして専門分野によって英語とフランス語で学ぶものが分かれていました。面白いですね〜

sinとかcosとか書いてある!で、中国語ではなく、英語!

学生のノートだそうです。英語上手すぎです。
 啓蒙思想家として有名な厳復もここの出身だそうで、街中の公園に銅像が建っていました。

 こちらは英国総領事館別館。福州はアヘン戦争で開港させられたため、各国の領事館があります。地図で見てみると全て山にあるのですが、イギリスが最も高い(=見晴らしが良い)ところに領事館を置いていたようです。なので、当然協会もあるわけで、建物はこんなかんじ。

近くには砲台もありました。清朝のです。

ここから見る景色。綺麗です。そりゃここに領事館や大砲置きたくなるよなって思います。

三坊七巷

 明清の時代の様子が復元されたところで、福州で1番の観光スポットです。当時の官僚の屋敷があったりします。平日の夜にも関わらずすごい人が多かったです。活気がありました。大通りでは路上ライブやっている人がいて多くの人が聴いていました。

これが大通り入り口。カップルも多かった。リア充ですな。

影が映ってることに今更気付いた。

 これは何でしょうか?そう、スタバです。雰囲気にとけ込むような色合いにされています。マックやケンタッキーもありましたが、こんなかんじの色合いでした。

というわけで以上、福州ぶらり旅でした。もうちょっとぶらりしたかった...読んでいただいてありがとうございました。なんか上手く文章を綴れなくてもやもやしていますが、こんなかんじだったよって雰囲気でもお伝えできていればいいなと思います。

では、次は福州から電車で1時間のところにある都市です。お楽しみに〜

参考
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/kanan/pdf/overview_fujian_201709.pdf
https://baike.baidu.com/item/马尾船政学堂/6135293
https://baike.baidu.com/item/马江海战纪念馆



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