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「アメリカにだってサービスのいい店はある」の巻

 冒頭の写真(2003年12月5日撮影)は、ある店先でみかけた、リサイクル用のボックスである。
 一番左はハンガー、二番目は古着、三番目はポリ袋。そう、クリーニング屋の店先である。まぁ、ハンガーの回収ぐらいは、日本のクリーニング屋でもやってるだろうけど、古着やポリ袋まで常時回収するのは、珍しいのではないだろうか。もっとも、筆者は仕事柄クリーニング屋にお世話になることはあまりないので、認識不足なだけかもしれないが。
 また右端の箱を見てもらいたい。サンタクロースの絵が書かれているが、これはおもちゃの寄付用の箱である。恵まれない子供たちのために、というわけだ。こちらではこういう運動は盛んで、例えばクリスマス当日は、消防士が、消防署で寄付を集めたプレゼントを配るところなんかがある。
 それだけではない。このクリーニング店は、兎に角サービスが売り物だ。先ず店に入ると、受付があり、そこでカウンター(7~8はある)を指示される。受付嬢がマイクで、来客を知らせ、店員が応対する。クリーニングを頼んで、例えば、ボタンのほつれがあるとか、穴が開いているとかを店側が見つけたら、勝手に修繕してくれる。$10分までは無料である。だが聞くところによると、そうしてもらった客の90%は喜んで金を払って帰るそうである。靴の修理の受付もしている。身に着けるものは、すべてOK ということだ。
 驚くのは未だ早い。

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 上の写真の小柄な女店員が何をしているかわかるだろうか? ポップコーンを作っているのだ。売り物ではない。無料である。お持ち帰りも自由なのだ。奥の棚には、ファミレスのドリンクバーみたいに、お茶だけで10種類。コーヒーも沸いている。まさかのドーナツもある。みーんなタダである。
 感心していると、客の爺さんが「わしゃ、ここで毎朝朝飯を食っとるんじゃ」とドーナツ片手に自慢してきたのだが、本当に至れり尽くせりである。カウンターがたくさんあるので、待たせることはめったにないと思うのだが、それでも、短時間でも待っている間、くつろいでください、というわけだ。
 アメリカの店はサービスが悪いと決め付けてはいけない。こういう店も存在するのだ。言っておくがここはクリーニング屋である。筆者が勘違いしているわけではない。

拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「ここまでやるか」(2005年07月09日 13:26付)に加筆修正した。

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