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デザイナーを目指す学生へ。自分に合った企業選びのヒント

就職活動をする中で、どの企業に行きたいかを考え、応募する企業を決めることは不可欠なステップです。しかし、どのような基準で企業を選んでいけばよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、実際にデザイナーとして就職した人のエピソードも交えて、デザイナーを目指すにあたっての企業選びのヒントについて書こうと思います。

なぜ企業研究が大事なのか?

そもそも、なぜ企業研究をする必要があるのでしょうか?

あまり企業のことを知らないまま就職活動をすることは、正直なところ可能です。選考に必要な事項だけを調べて、多くの企業を受けていく人もいるでしょう。

しかし、そのようなスタイルをとると、時間とお金をたくさん使ってしまう上、ミスマッチが生じる可能性が高くなります。あまり調べずに選考を受けた企業だと、いざ内定をもらって働き始めても、雰囲気が合わない、自分のやりたいと思っていたことができないといった、自分の期待値とのズレが大きく生じてしまう可能性が高くなります。こうなってしまうと、自身のモチベーションも下がりますし、仕事のパフォーマンスも上がらないかもしれません。そもそも、自分に合っていない企業を無理して受けても、企業側から自社に合っていないと判断され、選考に落ちてしまう可能性も低くはありません。

逆に、様々な側面を見て自分にマッチした企業に行けば、自分に合った環境で、自分のやりたい仕事をすることができます。こうなると、自身のキャリアをより良いものにしていけるのではないでしょうか。

したがって、企業とのミスマッチを防いだり、自分の理想の働き方を実現するためには、世の中の企業について深く調べ、自分に合っている企業を選ぶというプロセスが必須だといえます。

具体的に何を知るべきか?

デザイナーの就職活動において、調べるべきことは大まかに分けて三種類あるといえます。

まずは、基本的な企業概要や業務内容です。その企業がどのようなビジョンを持っているか、どのようなアウトプットをしているか、その企業でどのような仕事ができるのかを知ることは、自身が具体的に働くイメージを持つ上での第一歩になります。デザイナーの場合、どういったデザインに関わることができるか、デザインプロセスのどの工程を任せてもらえるか、またどのような待遇か、どのような作業環境か、などは知っておくべきでしょう。

次に、社員の人柄や社風が挙げられます。やりたいことができて環境が良かったとしても、その企業で働く社員と自分の相性が良いかどうかはわかりません。ギャップを生じさせないためにも、実際に社員と会って、人柄や社風を感じることが必要でしょう。

最後に、企業文化や社内の雰囲気、実際の働き方です。自分が働くイメージを明確に持つためには、社員が実際にどのような働き方をしているのか、オフィスの雰囲気はどのようなものか、企業のカルチャーがどのようなものかを知るべきでしょう。具体的には、デザインプロセスにおけるチームのコミュニケーションの取り方やミーティングのやり方、仕事の進め方などです。

どのように知るのか?

では、具体的にどのようなプロセスで企業研究をすればよいのでしょうか?

目に付く全ての企業に対して、前述したこと全てを知ろうとしてしまうと、莫大な時間がかかってしまいます。また、企業概要からカルチャーまでを一瞬で知ることはできません。

ここで大事なのは、段階を踏んで企業について知っていくということです。

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「企業概要、業務内容」についてはwebサイトの情報でわかるのですが、「社員の人柄、社風」は実際に説明会やOBOG訪問などで社員に会ってみないとわかりません。さらに、「企業文化、社内の雰囲気、実際の働き方」に関しては、実際に企業の方に会うだけでなく、インターンを通してその企業で働く経験をして初めてわかることです。このように、段階に沿って企業を調べていくことで、効率よく自分に合った企業を探すことができるのではないでしょうか。

まず様々な企業の名前を知るところからですが、まずは直感や自分がやりたいことなどを基準に、いくつか気になる企業をピックアップしてみましょう。また、先輩や身近なデザイナーの方から企業を紹介してもらうというのも良い手段でしょう。就職活動を終えてキャリアをスタートしている社会人は企業についての知識量が多いので、学生に合っている企業をうまく紹介できることが多いからです。

次に、気になる企業の説明会に足を運んだり、直接コンタクトをとって社員の方に会ったりしてみましょう。より詳しい業務内容を知ることができるだけでなく、どのような人柄の社員がいるのか、社員が共通してまとっている社風はどのようなものかを感じることができるでしょう。

さらに、ここまでで自分にとって魅力的だと思えた企業をいくつかリストアップして、そこのインターンに応募してみましょう。選考は簡単ではありませんが、もしインターンに参加できたら、実際にどのような仕事をしているのかを体験するだけでなく、社内の雰囲気やカルチャーも体感することができます。また、実際に働いているデザイナーの方と交流することで、自分の将来のキャリアのイメージを具体的に持つこともできるでしょう。

こうして得られた情報から総合的に判断して、自分に合っている企業をいくつか見つけて本選考に臨みましょう。

どのように選ぶか?

選考を経て、最終的には自分が入社する企業を一つに絞る必要があります。ここで、決め手となる基準は本当に人それぞれです。

ここでは、実際にデザイナーとして就職をした3人のエピソードに触れたいと思います。

Aさんの例
大学でまちづくりを専攻しており、そのプロセスからデザインに興味を持つ。企画段階から幅広くデザインに関われることを希望し、デザイナーとして就職活動を行った。複数企業のインターンに行き、いくつかUIデザイナー、UXデザイナーの内定をもらうも、事業内容、ビジョン、カルチャーを重要視して、自分に合っている企業への入社を決めた。
【Bさんの例
大学時代より学生団体でのデザイン活動を行なっていたバックグラウンドから、UIデザイナーとして就職活動を行う。様々なデザイナーに会って企業を紹介してもらうことで、働いている社員が自分に合っている企業、事業がイケている企業を探した。最終的に、成長機会が得られること、幅広いデザインができることを求め、選考を受ける企業、そして入社する企業を選んだ。
【Cさんの例
全くデザインのバックグラウンドがなかった状態で、いくつか総合職の内定を持っていた最中、ふと足を運んだ企業の説明会にてUXデザインに興味を持ち、すぐに選考に臨んだ。会社のビジョンが具体的か、自分がそれに共感できるかを軸として就職活動をしており、最終的にその企業でのUXデザイナーとしてのファーストキャリアを選択。

どのデザイナーもバックグラウンドから企業の選び方まで様々ですが、共通していることは、最終的に企業を選ぶための最も重要な判断材料は何かを明確にしていることです。

ここまでで述べてきたように、企業選びの判断基準は数多くあります。その中で、自分が何を最も重要視するのかを言語化することが、自分に合った企業を最終的に決定するために重要といえるのではないでしょうか。

さいごに

今回は、新卒デザイナーのための企業選びのヒントについてまとめました。

世の中には無数に企業があります。その中から自分に合ったところを探すことは簡単なことではありませんが、新卒という立場でたくさんの企業と出会い、自分と向き合ってキャリアについて考えることは、とても貴重な機会になるのではないでしょうか。

みなさんがデザイナーとしてのキャリアの第一歩を決めるにあたって、この記事が少しでも役に立てば幸いです。