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またグリドる日まで。

今回は「再会」について。

先日、家族で「朝マック」の話になった。奥さんと子供がポテトフライを買いに、マクドナルドに行ったところ、まだ朝早い時間帯だったので、朝マックしか販売していなくて買えなかったらしい。そう言えば、確かに朝の時間帯は、昼夜とメニューが違うようだ。一般的なポテトフライと言えば、細切りタイプだけど、「朝マック」では「ハッシュポテト」という丸長い形に揚げられたやつになる。別物であると言われたら確かにそうだと思うが、あれはあれで美味いとは思う僕は、どちらかと言えば「ハッシュポテト」派だ。

というか、それより何より、朝マックといえば、やはり「マックグリドル」だろう。知る人ぞ知る、あの逸品。甘いパンケーキのような生地で、ソーセージやベーコンなどのしょっぱい具をはさんでいるやつ。甘いのか、しょっぱいのか、よく分からない味で、それが発売された当時も、多分今でも、賛否両論ありそうなやつ。そういえば、すっかり忘れていたけど、僕はそのマックグリドルが大好きだった。

どうやら、あの甘い&しょっぱいのハーモニーについては好き嫌い分かれるようだけど、僕は単純に甘党なので、「甘いハンバーガー」というだけでもう好き。メープルシロップをかけたパンケーキももちろん好きだけど、どちらか選ぶなら、マックグリドルを選ぶ。あの、パンの甘さも、具のしょっぱさも愛せる。そこにはもう、理屈なんてないのだ。

そんなに好きだったのに、つい最近までその存在を忘れていた。その昔、社会人になって間もない頃の、サラリーマン時代。まだ独身で自宅から仕事に通っていた頃は、朝ご飯を食べずに出かけることもたまにあり、そんな時によく「朝マック」で「マックグリドル」を食べていた。そういう意味では思い出の味。

やがて結婚・引越を機に環境が変わり、たぶんその頃から“「朝マック」チャンス”が少なくなっていったんだろう。さらに転職・引越で再び実家に戻ってからは、なおのこと「朝一人でファーストフード店に行く」機会は無くなって、あんなに好きだった「マックグリドル」とはすっかり疎遠になっていた(最近はマキタスポーツさんのラジオの影響からか、すっかり「モス派」になっていたことも原因かと思われる)。

そんな僕に「マックグリドル」の存在を思い出させてくれたのは、これまたラジオ。ハライチの岩井さんが「こないだマックグリドルを一人で3個食べた」という話を少し前にしていた。これを聞いてようやく思い出すことができた。梨畑で剪定しながら聞いていた僕は、真冬の梨畑の真ん中で一人、つい叫んでしまった。

「そうだ!俺もマックグリドル好きだった!」と。

そんなタイミングで、家族からの「朝マックポテト事件」の報告。ここで大事だったのは、「朝10時半までは普通のフライドポテトは買えない」という教訓ではなく、「朝10時半までなら、近所のマックでもあのマックグリドルを買うことができる!」という僕が見落としていた事実への気付きだったのだ。

そこからしばらくは、虎視眈々と「グリドルチャンス」をうかがう日々。仕事は地味に忙しいし、朝ご飯は毎日いつもの時間に普通に食べちゃうしで、正々堂々と朝10時半までにマックへ行くのはなかなか難しかった。

そんな中、チャンスは訪れた。平日の午前中、下の子の子守りと買い物を担当することになった。「ここしかない!」と、子供と二人でマックへと駆け込んだ。まだ9時台だったので、狙い通りお客さんもまだまばらだし、メニューはちゃんと「朝マック」のラインナップだ。早速、念願の「マックグリドル」!併せて、子供の分としてナゲットとジュースも一緒にオーダー。そして、いよいよ、マックグリドルとの再会!一口かじる…最早いつ以来かはわからないくらいだったけど、あいつは何も変わっていなかった。甘いパン、しょっぱいソーセージ。絶妙なハーモニーを堪能…しようとは思ったが、小さい子が一緒だとなかなかそうもいかない。手を拭いたり、封を開けたり、食べさせたり、飲ませたり、ウロチョロしないように捕まえていたり…と、いろいろ世話をして、気付いたときにはもう遅かった。

「あ、食べ終わっちゃった…」

味わう間も、思い出に浸る間も、もちろん写真を撮る間もなく、子供の世話に気を向けているうちに、もうすでに全部食べてしまっていた。そこにあったのは、マックグリドルの包み紙と、これでもかとバーベキューソースまみれになった食べかけのチキンナゲットだけ…。やっぱりマックグリドル楽しむためには、一気に3個くらい食べるってのが実は好手だったかもしれない…さすがだぜ岩井さん!と胸に刻んだ。結局、最終的に後味として残ったのは、子供が残したチキンナゲットに絡んだたっぷりのバーベキューソース味だったので、大好きなグリドルをまたゆっくり楽しめるようになるのは、子供が大きくなるまでのまだ数年先になりそうだ。それまで、グリドルのアンチに屈することなく、看板に名を連ね続けてほしい。その日まで、どうかお元気で…!

ひとまず今回はこの辺で。またそのうちに。

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