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【ADHDな日常の戦い】ととにわかってもらえない件

<ととの話>

こんばんは。赫 斑点です。
今日は、とと(父)との話をしようと思います。

仕事の仕方や会社の労務状況などについて一方的に、説教じみた講話を始めるのが、土曜日のととです。たまにですが。

ととは人事総務○十年という、筋金入りの管理部人間。私が昨年の転職を機に人事総務の職務をしていることから、この「土曜日のととタイム」が始まりました。

ととの職場は芸大出身やアーティスティックな感性を持つ従業員の皆さんが、その専門知識を活かしているところなのですが、ととはその従業員たちの理解不能な仕事の仕方に日々悪戦苦闘しているそうなんです。

例えば、年配のお客様がもちこんだ渾身の作品を、目の前で酷評してしまったり、お客様が要望された色の商品とは違う色のものを持ってきて「きっとこっちのほうがいい」と押し付けてしまったりするのだそうです。

本人は良心でやっている部分があるので悪気はないため、お客様から怒られても反発してしまい、お客様の怒りがどうしようもなくなってからととのところに案件がやってくるから、ととは精神がはちきれそうになってしまうそうです。

<とともやまい>

ととはやりきれなくなり、昨年には通勤中に体調を悪くすることが多くなり、メンタルクリニックに行きました。

そこで「うつ病」と診断されました。
※ここでの話では関係ないですが、私のアトピーはととからの遺伝です。

うつ病の薬を処方され、飲んでいるうちは気分がおちつくみたいなのですが、薬を飲んでいないと、なんでも否定的に考えるようになり、家族のみならず他人を傷つけやすくなります。

さらにアルコールを摂取すると、気持ちが大きくなる反動で発言も更に過激になり、言われた相手の気持ちを考えられなくなり、非常に暴力的になります。

「ととの職場には斑点みたいなわけわからんやつがたくさんいるんだ。どうしてそんな、ありえない対応するのかわからん奴らが。ととは他にも経営のこととか管理のこととかたくさんやらなきゃいけないことがあるのに、そんなわけわからんやつの対処なんかやってる暇は無いんだ。」

ととは血走った目でそう話しました。

「あいつらだって、ちゃんと教えて、自分が理解する努力や、克服する努力をすればできるようになるはずなんだ。やらないだけなんだ。

斑点だってそうだ。やろうと思えば、苦手な片付けだってできるようになる。人事総務の細かい管理業務だってもっと手際よくできるようになる。頑張らないだけだ。」


「斑点は発達障害なんかじゃない。お前が努力しないだけなんだ。」


「いま会社で、自称発達障害者が訴えようとしてきている。自分が頑張らなくてやらかしたことで迷惑かけているのに、たまったもんじゃない。

斑点はADHDと診断を受けたというが、違うと思うね。医者がとりあえず診断を出しただけだ。」

<同じ病院だけどね>

ととの発言に悲しくなりました。

なぜなら、ととをうつ病を診断した病院は、以前私が、自分でうつ病の疑いを持って門を叩き、「ADHDだね」と診断していろいろ助けてくれたその病院だったからです。

自分のことは受け入れて、娘のことは違うというのか。
(なんと都合のいいととだ(笑))

ととだけは私がADHDであることをわかってくれていると思っていたので、非常にショックでした。

また、ととが理解不能だと言った、会社の従業員の人々。努力が足りないとか、非常識だとか、そう思われるのはしょうがないとは思いますが、私は彼らがなぜそういう行動を取ったのかがなんとなくわかるので、一概に責めないでほしいと思いました。

<理不尽の感覚>

オトナADHDを抱える私達は、日々多くの情報の波で頭がパンクし、様々な正解や価値観をそのままストックしているので、結局どれが一般的には正解なのかの判断ができなかったりします。

だから、例えのスタッフさんたちの話ですが、お客様の作品に批評してしまったスタッフさんだって「フィードバックをして議論することがこのお客様にとっていいことだと思った」のかもしれなくて、一般常識的には「とりあえずどんな駄作に見えたとしても、『素晴らしい作品ですね🌟』と褒めたりしてお客様を良い気持ちにさせてあげる」という対応を知らなかったのかもしれないのです。

違う色を持ってきたスタッフさんも、「私の感覚的ににこっちの色のほうがいいからこれ買ってください」って言うのではなく、例えば両方の色を持ってきて「これは私の個人的な好みかもしれないのですが、ご所望の色よりこちらのほうが、お客様の雰囲気に合っていると思い、作品も引き立つと思うのですが、いかがでしょうか?」と提案の仕方を教えてあげれば、結果は違ったかもしれないんですよね。

そして、スタッフの方たちは、自分たちが生きてきたなかで出してきた答えをそのまま仕事で活かしただけで、頭ごなしに怒られてしまっても、それは理不尽なことだとしか感じないでしょうし、逆に怒りを覚える人も出てくると思います。

<一般的なジョーシキの考え方。説明して。>

私自身、トップクラスのホテルで一昨年まで働いて、自分としては理不尽だと思う怒られ方を何度も経験しました。

でもそれは私がその「一般的な考え方を知らなかったから」。

※だから、やらかしたスタッフさんがどういう思考回路でその行動をされたのかが、想像できるのです。

また、そのあと挫折せずに社会人として仕事を続けてられているのは、一般常識的ではない回答を出した私に、逐次、一般常識の回答を何時間もかけて説明して理解させてくれた、アツい上司がいたからなのです。

長い時間、自分の仕事の手を止めて、私がわかるまで「どうしてその回答が良くなかったのか。斑点はいつも真剣でいい子だけど、ちょっとズレてる。ズレてることをしっかり理解して、斑点の持ち前のセンスを加えてあげればもっとお客様に喜んでもらえるようになるよ。」と諦めずに何度も何度も説明をしてくれた上司に恵まれたからなのです。

<頭ごなしに否定しないで。努力してないなんて言わないで。>

これは、私がアツい上司のもとで仕事をしていた頃の会社のデスクです。

これが片付けられない女子の机か?!と驚かれたかもしれませんが、これは私の学びと試行錯誤の結果です。

ある日アツい上司が、とある本を持ってきました。

この本です。

この本には、トヨタで実践された、仕事効率を良くする裏技がぎっしり詰まっていました。

いつも使うものを取りやすい位置に。
あまり使わないものは上か下に。

そして、「いつも使うモノの住所を決めてあげる」。
そんなのいちいち書かなくたってしまえるでしょ?!と思われるかもしれませんが、ブレインフォッグ状態の私達はそれも厳しかったりします。いろんな情報を処理するのに、片付けるために思考する頭のメモリが残ってないことが多い、または片付ける意識すらぶっ飛んでることが多いのです。

そこで、トヨタ式にかかれていた「モノの住所」。
私はそれにアレンジを加え、誰もが同じ場所に確実に戻せるように、大きな字で「モノの表札」を書くことにしたのです。

これは結構好調で、考える暇が無いときのカンニングでは無いですが、このおかげで、勤めていた2年間は机が汚くなることはほとんどなく、常に片付いていました。

また、別の部屋で仕事をしていた先輩もやってくれました。
しかも、机だけでなく、商品在庫管理のためのブースでも実践してくださったのです!
「この仕切りのところまで在庫がなくなったら発注する」表札を作ってくれて、大きく書いておいてくれたのです!
このおかげで先輩が休みのときでも私が在庫発注できるようになり、「斑点さんが気が付かないで注文してなかったから商品が足りなくなる」というミスがほとんどなくなりました。

これは私の経験の話でしたが、ADHDの人(ADHDっぽい人)にどんなヒントをあげれば、不得意が克服できるように考えてくれるのかな、っていうのを周りの方がサポートしてくれるだけで、いろんな問題が解決すると思うのです。

どうしてそんなこともわからないんだ!と頭ごなしに言うのはかんたんです。小学生の学級委員でもそんなことはできます。
努力が足りないだけだろ?言い訳をするな!と攻めるのは中学生のクラス委員でもできます。

我々だって、頑張らないとは言ってないんです。
むしろ頑張って、めちゃくちゃ空回りしているんです。

頑張るというフィールドで、霧の中走りさまよい、ぐるぐるしているのです。

だから、努力の案内板を立ててほしいのです。
霧の中でも、見えるように案内板を立ててくれれば、少しづつですが、次のフィールドへ進むための方向へ転換することができます。

レールをひいてくださいとまでは言いません。
逆にレールはひかないでほしいです。

自らの力で進んで、大なり小なり、結果を出すことがADHDの自己肯定感に、活力になります。

それで間違ったとしても、アツい上司のようにまた案内板を出してくださればよいのです。

それを受け止められないほど、受け入れられないほど、我々はまだ壊れていません。

どうにもならないやつ、わけのわからないやつ、などど言わないで、歩み寄ってください。

と、思った日曜日でした。

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