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ウェールズのスノードニア国立公園

「スノードニア国立公園」

日本にいたときには、聞いたこともない場所。
ウェールズ語では、「エラリ」と言うそうです。

ウェールズと国境を接するイングランド北西部の街、チェスターで生活しているからこそ、よく耳にするようになった地名。

ずっと前から行きたいと思っていたので、天気の良い週末、友人に車を出してもらい、行ってきました。

チェスターから車で、ノース・ウェールズの海岸線を走ること約1時間。

モーターウェイを降りて、車がようやくすれ違えるかどうかというような細い路地を進むと、舗装されていない小さな駐車場へ行きあたります。

日本でもよく見る、登山口にあるような駐車場。

我々の最初の目的地への入り口。

森の中のせせらぎ。

私の地元にもあるような景色に、一瞬今自分がどこにいるのかわからなくなる。

水の音、緑の廂に、心が落ち着く。

しかし、森の中の小道も数十メートルのうちに途切れ、味気なく整備されたハイキングコースへと出てしまうのです。


目的地へ向けて、開かれた道をのんびり歩く。

途中、ベビーカーを押す家族連れを追い越し、足早に歩くカップルに追い越され、ご主人と並んで歩く色々な姿形の犬たちとすれ違いました。

この国で出会う犬たちは、よくしつけがされています。

どの犬も、赤の他人である私には一向に興味を示してくれません。

そんなことを思いながら歩くこと約30分。

最初の目的地へ到着。

アバー・フォール(Aber Falls)。

ウェールズ語では「Rhaeadr Fawr」。
直訳すると「大きな滝」という意味になるそうです。

滝なんて見るのはいつぶりだろう?

落下途中の水が、あちらこちらで岩にぶつかり、飛沫となって私たちに降りかかる。

日が差す中、ほどよく歩いて火照った身体を心地よく冷やしてくれる。

水が落ちる轟音も、ずいぶんと騒がしいのだけれども、なぜか心を落ち着かせる。

シンプルだけど、水っていいな。と思いました。


滝の周りで少しリラックスした後、来た道を戻り、車に乗って少し移動し、バンガー(Bangor)という町にあるマクドナルドで昼食をとりました。

やっぱりマックは手頃でおいしい。
万国共通なのは、安心するところでもあります。

ベーコンダブルチーズバーガーとポテトを平らげると、また次の目的地に車で向かいます。

移動することおよそ25分。

次の目的地の駐車場に到着しました。

が、

既に車でいっぱい。

「停められないかなー」と思っていた矢先、

「奥に1台停められるよ」

と、トレッキングへ行く格好をした親切な紳士の方が声をかけてくれました。こういうところが、この国の好きなところ。

友人と二人で「ラッキーだったね」なんて話をしながら準備を済ませ、ビジターセンターの隣から、次の目的地へのウォーキングコースへ足を踏み入れます。

既にこの時点で、現実世界から切り離されたかのような景色に圧倒されます。

ウォーキングコースを歩くこと約15分。
目的地に到着しました。


「リン・オグウェン(Llyn Ogwen)」と「オグウェン・バレー(Ogwen Valley)」

リン(Llyn)は、ウェールズ語で「湖」の意味。

標高は310m程度。

私の地元の標高よりも低くて、この異次元のような景色。



「まるで、映画の中にいるようだった」

とタイ人の友人が話していたのを思い出しました。

今回は湖を一周するウォーキングコースを歩きましたが、約1時間半ちょっとで回ることができました。

手頃に現実社会から切り離された空間を訪れることができるのも、この国の魅力の一つかもしれません。

チェスターに住まなかったら、きっと訪れることはなかったでしょう。

あまり日本人には知られていない、そんな土地だからこそ訪れる価値があるような気がしますし、その土地で交流を持った人たちから直接評判を聞いて、実際に訪れてみるという経験が自体が本当の「旅」のような気がして、大いに自己満足しました。

やっぱり私は、どこまで行ってもローカルが好きだな、と思います。


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